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スリランカ紅茶7大産地とセイロンティーの特徴

2021年6月20日

紅茶の名産地として有名なスリランカ。
紅茶目当てにスリランカを訪れる人は少なくありません。
しかし、一口にセイロンティーと言っても、様々な種類と特徴があります。
そこで今回は、スリランカの紅茶の種類とその特徴についてご紹介します。

セイロンティーとは?

日本でとれた茶が日本茶、中国でとれた茶が中国茶と言われるように、スリランカ(旧セイロン)でとれた茶をセイロンティーといいます。
紅茶生産はイギリス領セイロンの時に始まり、紅茶王トーマス・リプトンがセイロンから紅茶を世界に広め、セイロンは世界1位の紅茶輸出量となります。
独立してしばらくして国名をスリランカに変更していますが、現在もセイロンティーとして呼ばれています。

日本が最も紅茶を輸入している先はスリランカです。
キリン「午後の紅茶」にも、ここスリランカで生産された茶葉が使用されています。

紅茶を生産する国は「ティーベルト」と呼ばれる、赤道から北回帰線の間に集中しており、スリランカも該当します。
赤道に近い熱帯・亜熱帯の地域で作られていることが多く、かつ、高地で作られていることが多いです。
スリランカでは1年を通して茶が収穫でき、茶栽培に適した土地だと言われています。

中央山脈とモンスーンが生み出す多様な紅茶

茶の栽培には雨が必要です。
スリランカは乾燥地帯(Dry Zone)と湿潤地帯(Wet Zone)に分かれますが、茶の栽培に適しているのは湿潤地帯です。

湿潤地帯はセイロン島南西の海岸から世界遺産「スリランカの中央高地」にかけて広がっています。
この湿潤地帯の中で、スリランカの茶が栽培されています。

茶の香りや味は栽培される地域の標高で違いがでます。
海に近い地域から標高2,000mを超える中央高地にかけて茶が栽培されているため、スリランカの茶の栽培地は、標高の低・中・高で大きく3つに分けられています。

標高で3つに分かれる紅茶産地

スリランカの紅茶産地は、イギリス統治時代を反映して、2,000フィート(約600m)ごとに高・中・低いに分けられています。

標高が高くなるほど、紅茶を淹れたときの色がライトになり、渋みがあり、ストレートティーに向いています。
標高が低くなるほど、渋みが減り、コクが深まり、ミルクティーに向いています。

標高による分類よりも産地の名前の方が知られていますが、まず、各産地がどの標高に位置するのかを見てみましょう。

高地産茶(High Grown Tea)

標高:4,000フィート(約1,200m)以上
ストレートで飲むのがお勧め。
該当する7大産地:ヌワラエリヤ、ウダプッセラワ、ウバ、ディンブラ
5大産地時代:ヌワラエリヤ、ウバ、ディンブラ
イギリス人が茶栽培に成功した標高の高いインドのダージリンに近い味・香りがあるヌワラエリヤ、トーマス・リプトンが茶工場を建設したウバなどが知られています。

中地産茶(Medium Grown Tea)

標高:2,000〜4,000フィート(600〜1,200m)
ストレートでもミルクティーでもOK!アイスティーに向いている。
該当する7大産地:キャンディ
5大産地時代:キャンディ
イギリス人が最初にコーヒー栽培と茶栽培を成功させたのがこのエリアです。

低地産茶(Low Grown Tea)

標高:0〜2,000フィート(0〜600m)
ミルクティーで飲むのがお勧め。
該当する7大産地:サバラガムワ、ルフナ
5大産地時代:ルフナ
セイロン紅茶最大の輸出先はロシア語圏と中東ですが、それらの国々が好む紅茶で、セイロン紅茶の最大の生産量なのが低地産茶です。

かつては5大産地と区分されていましたが、現在はウバのヌワラエリヤよりの地域がウダプッセッラワとして独立し、ルフナ地域の北部がサバラガムワとして独立し、7つの産地に区分けされています。

以下の分類をご覧いただくと分かりますが、5大産地時代高地は高地が細かく3つに分類され、低地と中地は1つでした。
7大産地ではさらに高地が4つに分類され、低地は2つ、中地は1つです。

クオリティシーズンは乾季

スリランカには、中央高地と季節風(Monsoon)の影響で、乾季(Dry Season)と雨季(Rainy Season)があります。

乾季は雨が少なく茶の成長が遅くなり、収穫量が減りますが、味・香りが濃くなります。
雨季は雨によって茶の成長が早くなり、収穫量が増えますが、味・香りが薄くなります。

味と香りが濃くなる乾季を、茶園のクオリティーシーズンといいます。

夏(7〜9月)に乾季になるのは、中央高地の北東側にある「ウバ」と「ウダプッセッラワ」です。
冬(12月〜2月)に乾季になるのは、中央高地の南西側にある「ヌワラエリヤ」と「ディンブラ」です。

乾季の影響を受けるのは高地産茶だけとされています。
そのため、中地産茶の「キャンディ」、低地産茶の「サバラガムワ」、「ルフナ」はクオリティーシーズンは特にないとされています。

季節風はどこから来るのか?

季節風は、地球上で最も冷え込むシベリアが起点になります。
シベリア寒気団はヒマラヤ山脈に遮られ、シベリアの大地に留まり、シベリアを極寒(オイミャコンで世界最低気温-73度を記録)にします。

冷房(クーラー)は部屋の上に、暖房(ストーブ)が部屋の下にあるように、
冷たい空気は上から下へ、暖かい空気は下から上に流れます。

暖かくなると空気は蒸発して上空に上がります。
冬はシベリアが最も寒く、海は暖かいので、シベリアから海に向かって風が吹きます。

夏になると大陸のシベリアは温まり、海が冷たくなります。
海洋は温まりにくく、冷めにくい性質があります。
大地は温まりやすく、冷めやすい性質があります。

夏のプールサイドは焼けるように暑く、プールの水はそこまで暑くありません。
天気が悪くなり、風が吹いて寒く感じる一方で、プールの中は思ったより暖かいこともありますよね。
これは水は温度が変わりにくく、土は温度が変わりやすいためです。

冬の季節風(日本とスリランカの場合)

日本では冬にシベリア側から季節風が吹き、中央分水嶺にぶつかり、日本海側に雪をもたらします。
中央分水嶺の反対側(太平洋側)にからっ風をもたらします。

シベリア寒気団はヒマラヤに遮られているため、ミャンマー、ベンガル湾を経由して、スリランカの北東側に季節風をもたらします。

スリランカでは、冬(12月〜2月)に北東からの季節風(北東モンスーン)が中央高地にあたります。
北東側に雨・雨季をもたらし、中央高地の反対側(南西)は乾季となります。
中央高地の南西側にある「ヌワラエリヤ」、「ディンブラ」がクリオティシーズンとなります。

夏の季節風(日本とスリランカの場合)

日本では夏に太平洋からユーラシア大陸に季節風が吹き、中央分水嶺にぶつかり、太平洋側に雨・湿気をもたらします。

スリランカでは、夏(7〜9月)にインド洋南西から季節風(南西モンスーン)が中央高地にあたり、南西に雨を降らします。
中央高地の北東側にある「ウバ」、「ウダプッセッラワ」がクオリティシーズンとなります。

7大産地の各紅茶の特徴

宇治で取れた茶を宇治茶、ダージリンでとれた茶をタージリンティーというように、セイロンティーでも、産地の名前がついています。

標高の高い高地産茶のエリアは県より小さい地域に細かく分けられていますので、標高の高い順に紹介していきます。

ヌワラエリヤ茶(Nuwara Eliya Tea)

標高:1,800m以上
高地産茶(High Grown Tea)
クオリティシーズン:12月〜2月
主な輸出先:日本、ドイツ、イギリス
名前は中部州ヌワラエリヤ県の県都「ヌワラエリヤ」に由来します。
ヌワラは都、エリヤはテーブルあるいは光の意味です。

ヌワラエリヤ茶は「シャンパン」と称されます。
インドのダージリン茶、烏龍茶、緑茶に似ていると言われます。
ストレートティー、アイスティーがお勧め。

エリアは7大産地で最も狭く、イギリス人が開拓したイギリス建築・イギリス式庭園が並ぶ高原リゾートの町です。
ペドロ茶園、ラブーケリー茶園、ブルーフィールド茶園、グレンロック茶園など観光客の見学を受け入れている茶園が多くあります。

ヌワラエリヤで見学できる紅茶工場3選

町の中央に公園・ゴルフ場・競馬場があり、スリランカで最も暑い4月はスリランカの正月にあたり、正月休みの旅先として人気の町です。

リトルイングランドと呼ばれるヌワラエリヤの歴史

アフタヌーンティーが有名なホテルがあり、5つ星ホテル「Grand Hotel」、紳士クラブの「Hill Club」「Jetwing St. Andrews」が評判です。

紅茶工場を改装したホテル「ヘリタンス・ティー・ファクトリー」、周囲に紅茶園があるホテル「Goatfell」「The Blackpool」スコットランド人の茶園バンガローを改装したScottish Planter Glendevon Bungalowなど、紅茶畑が身近にあるホテルが多くあります。

紅茶づくし!紅茶工場を改装したリゾートホテル「ヘリタンスティーファクト…

ウダプッセラワ茶(Uda Pussellawa Tea)

高地産茶(High Grown Tea)
クオリティシーズン:7〜9月、12〜2月
名前は中部州ヌワラエリヤ県ヌワラエリヤ「ウダプッセラワ村」に由来します。

ウバ茶のヌワラエリヤ側の地域を独立させた地域。
フラワリーでメロウ。
ストレートティー、アイスティーがお勧めです。

ウバ茶(Uva Tea)

高地産茶(High Grown Tea)
クオリティシーズン:7〜9月(7大産地で唯一山脈の東側に位置します)
名前はウバ州に由来します。

ウバ茶はインドのダージリン茶、中国のキーマン茶と並び、世界三大銘柄茶とされています。
クオリティシーズンにはメントールの香りがすることで知られています。
ストレートティー、アイスティー、ミルクティーがお勧めです。

該当する町は、ハプタレー、バンダラウェラ、エッラ、バドゥッラなど。

ハプタレーには紅茶王トーマス・リプトンが所有した「Dambethenna Tea Factory」、リプトンが住んだ「Dambatenne Estate Bungalow」、朝日の絶景ポイント「Lipton’s Seat」があります。

バンダラウェラは交通の要衝で中規模の町です。イギリス時代のホテル「バンダラウェラホテル」が有名です。

高原にコロニアル建築が点在する小さな観光地「バンダラウェラ」

エッラは観光地として近年発展した町で、紅茶畑の上にかかる「ナイン・アーチ・ブリッジ」、紅茶園の中に立つ「98 Acres Resort & Spa」、郊外には紅茶ブランド「Halpe Tea」を作る「Uva Halpewatte Tea Factory」、Halpe Teaが経営するレストラン「Ceylon Tea Factory」があります。
郊外にはハンドロールドティーとファームステイで有名な「AMBA Estate」があります。

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バドゥッラはウバ州の州都、バドゥッラ県の県都で、シンハラ王朝の王子が統治していた歴史ある町です。鉄道本線の終着駅でもあります。

ディンブラ茶(Dimbula Tea)

高地産茶(High Grown Tea)
クオリティシーズン:12月〜2月
最もセイロンティーらしい味と香りと言われます。
名前の由来は中部州ヌワラエリヤ県ヌワラエリヤ「ディンブラ村」から。

セイロンティーを代表する紅茶とされています。
ストレートティー、アイスティー、ミルクティーがお勧めです。

該当する町は、ナヌオヤ、ラデッラ、タラワケレ、セイント・クレア、コタガラ、ハットン、ディックオヤ、マスケリア、ワタワラなど。

ナヌオヤはヌワラエリヤの鉄道の最寄り駅です。

セイント・クレアの名を掲げる1875年に開園した茶園は現在、コングロマリットのアーピコ(ARPICO:A Richard Pieris Company)所有の紅茶ブランドになっています。
フレーバーティーで有名なムレスナ(Mlesna)のお店「Mlesna Tea Castle」があります。

ハットンは世界遺産「スリランカの中央高地」を構成する聖山「スリー・パーダ」への玄関口になる町です。

ディックオヤには、茶園のマネジャーのバンガローを改装した高級ブティックホテル「セイロンティートレイルズ」紅茶園の中にあるブティックホテル「Camellia Hills」ります。

マスケリアは、前述のアーピコ傘下のセントクレアの商品名にもなっている、1870年に開園したマスケリア茶園があります。

ワタワラは、スリランカの有名紅茶ブランドのZestaを所有するワタワラ・ティー・セイロンの社名になっており、Zestaのレストラン「The Tea Cup」があります。

キャンディ茶(Kandy Tea)

中地産茶(Medium Grown Tea)
クオリティシーズン:なし
名前の由来は中部州キャンディ県から。
キャンディはシンハラ語の山を意味するカンダから転じた英語名で、山に囲まれた地形。

かつては量産型の生産地とされていました。
近年は茶葉自体に甘みのある紅茶を生産する茶園が出てきています。
ストレートティー、アイスティー、ミルクティーがお勧め。

茶園はキャンディ市を中心に市内から1時間半ほどの離れた場所にあります。
具体的にはハンターナ、デルトタ、ガンポラ、エンビリミーガメ、ゲラガマ、カドゥガンナワ、クルガーマ、マドゥケレーなど。

ハンターナはキャンディ南の山の上で、キャンディの高級ホテルが立ち並ぶ、景色の綺麗なエリアです。
紅茶工場を博物館に改装した「セイロン紅茶博物館(Ceylon Tea Museum)」があります。

デルトタには、セイロンティー発祥の地「ルーラコンデラ(Loolecondera)」、歴史の長い「Loolecondera Tea Factory」セイロンティーの父ジェームス・テイラーの「James Tayler’s Seat」、「James Taylor’s Cottage」、「James Taylor’s Well」があります。

マドゥケレーには、フランス人オーナーの茶園内でグランピングが楽しめる「Madulkelle Tea and Eco Lodge」があります。

ガンポラは、ガンポラ王国の都として栄えた町で、王国時代の3つの寺院「Gadaladeniya Temple」、「Lankathilaka Temple」、「Embekke Devalaya」と、ドラゴンボールのかりん塔に似ているとも言われる「Ambuluwawa Tower」が有名です。
スリランカでコーヒー生産が始まった町でもあります。

そんなキャンディで採れる紅茶は、ミディアムグロウンティー。
さっぱりとした飲み口でクセがなく、どんな入れ方でもおいしく飲めます。

実はここ、キャンディはセイロンティーが生まれた茶でもあります。
スリランカでの紅茶栽培を開拓した、ジェームス・テイラーがキャンディを紅茶の生産地として発展させました。

サバラガムワ茶(Sabaragamuwa Tea)

低地産茶(Low Grown Tea)
クオリティシーズン:なし
主な輸出先:ロシア語圏、中東など
名前の由来はサバラガムワ州から。
ルフナ茶の北部から分離された新しい地域名です。

色、コク、深いがある紅茶です。
蜂蜜のような甘味があるとも言われます。
ミルクティー、砂糖入りミルクティーにお勧めです。

該当する町は、サバラガムラ州都のラトゥナプラや、世界遺産「シンハラージャ森林保護区」の北側など。

ラトゥナプラは宝石の町として世界に知られた町です。(ラトゥナが宝石、プラが町という意味)

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ルフナ茶(Ruhuna Tea)

低地産茶(Low Grown Tea)
クオリティシーズン:なし
主な輸出先:ロシア語圏、中東など
名前の由来はルフナ地方から。
ルフナは古代にスリランカ南部を治めたルフナ王国の領域を表す地域名です。

スリランカの紅茶輸出先はロシア語圏と中東が最も多く、その地域の人たちが好む紅茶。

ほろ苦く、コーヒーのような紅茶。
ミルクティー、砂糖入りミルクティーにお勧めです。

該当する町は、マータラ、アハンガマ、デニヤヤ、シンハラージャ森林保護区の南側など。

マータラには、ジェフリーバワ設計したことで知られる「ルフナ大学」があり、その北部に茶園があります。

アハンガマには、ロンリープラネットなどに掲載され、欧米人によく知られた茶園「Handunugoda Tea Estate」があります。

デニヤヤには、日本のNGOパルシックが紅茶の有機栽培を支援していた町です。

こちらは、他の茶葉とは少し離れた南部の農園で生産される茶葉。
南部は標高が低くルフナ茶は、ローグロウンティーに分類されます。

コクが強くスモーキーな風味が特徴。
ルフナ茶の多くは、スリランカから中東へ輸出され、現地で飲まれるチャイとして使われています。

日本では、知名度が低い茶葉ではありますが、こちらも有名茶葉。
ローグロウンティーながらアイスティーに最適とされています。

最後に

今回は、セイロンティーの種類と特徴についてご紹介しました。
日本でも絶大な人気を誇るセイロンティー。
一口にセイロンティーと言っても、様々な種類と風味やコク、香りを持ちます。
ぜひ様々な紅茶を試してみて、自分の好きな茶葉を見つけてみてください。

参照

ウィキペディア画像「スリランカの乾燥地帯と湿潤地帯」
ウィキペディア「モンスーン」
ウィキペディア「分水界」
YAMA HACK「図で解説!雨の分かれ道「分水嶺」とは?知れば知るほどおもしろいその秘密」
ウィキペディア「紅茶」
お茶百科「紅茶の主要産地スリランカ」
Uda Pussellawa

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