スリランカの紅茶7大産地とセイロンティーの特徴 | スリランカ観光情報サイト Spice Up(スパイスアップ)
Spice Up 観光情報サイト スリランカ観光・情報サイト

スリランカの紅茶7大産地とセイロンティーの特徴

2021年1月12日

紅茶の名産地として有名なスリランカ。
紅茶目当てにスリランカを訪れる人は少なくありません。
しかし、一口にセイロンティーと言っても、様々な種類と特徴があります。
そこで今回は、スリランカの紅茶の種類とその特徴についてご紹介します。

セイロンティーとは?

日本でとれた茶が日本茶、中国でとれた茶が中国茶と言われるように、スリランカ(旧セイロン)でとれた茶をセイロンティーといいます。
紅茶生産はイギリス領セイロンの時に始まり、紅茶王トーマス・リプトンがセイロンから紅茶を世界に広め、セイロンは世界1位の紅茶輸出量となります。
独立してしばらくして国名をスリランカに変更していますが、現在もセイロンティーとして呼ばれています。

日本が最も紅茶を輸入している先はスリランカです。
キリン「午後の紅茶」にも、ここスリランカで生産された茶葉が使用されています。

紅茶を生産する国は「ティーベルト」と呼ばれる、赤道から北回帰線の間に集中しており、スリランカも該当します。
赤道に近い熱帯・亜熱帯の地域で作られていることが多く、かつ、高地で作られていることが多いです。
スリランカでは1年を通して茶が収穫でき、茶栽培に適した土地だと言われています。

中央山脈とモンスーンが生み出す多様な紅茶

茶の栽培には雨が必要です。
スリランカは乾燥地帯(Dry Zone)と湿潤地帯(Wet Zone)に分かれますが、茶の栽培に適しているのは湿潤地帯です。

湿潤地帯はセイロン島南西の海岸から世界遺産「スリランカの中央高地」にかけて広がっています。
この湿潤地帯の中で、スリランカの茶が栽培されています。

茶の香りや味は栽培される地域の標高で違いがでます。
海に近い地域から標高2,000mを超える中央高地にかけて茶が栽培されているため、スリランカの茶の栽培地は、標高の低・中・高で大きく3つに分けられています。

標高で3つに分かれる紅茶産地

スリランカの紅茶産地は、イギリス統治時代を反映して、2,000フィート(約600m)ごとに高・中・低いに分けられています。

標高が高くなるほど、紅茶を淹れたときの色がライトになり、渋みがあり、ストレートティーに向いています。
標高が低くなるほど、渋みが減り、コクが深まり、ミルクティーに向いています。

標高による分類よりも産地の名前の方が知られていますが、まず、各産地がどの標高に位置するのかを見てみましょう。

高地産茶(High Grown Tea)

標高:4,000フィート(約1,200m)以上
ストレートで飲むのがお勧め。
該当する7大産地:ヌワラエリヤ、ウダプッセラワ、ウバ、ディンブラ
5大産地時代:ヌワラエリヤ、ウバ、ディンブラ
イギリス人が茶栽培に成功した標高の高いインドのダージリンに近い味・香りがあるヌワラエリヤ、トーマス・リプトンが茶工場を建設したウバなどが知られています。

中地産茶(Medium Grown Tea)

標高:2,000〜4,000フィート(600〜1,200m)
ストレートでもミルクティーでもOK!アイスティーに向いている。
該当する7大産地:キャンディ
5大産地時代:キャンディ
イギリス人が最初にコーヒー栽培と茶栽培を成功させたのがこのエリアです。

低地産茶(Low Grown Tea)

標高:0〜2,000フィート(0〜600m)
ミルクティーで飲むのがお勧め。
該当する7大産地:サバラガムワ、ルフナ
5大産地時代:ルフナ
セイロン紅茶最大の輸出先はロシア語圏と中東ですが、それらの国々が好む紅茶で、セイロン紅茶の最大の生産量なのが低地産茶です。

かつては5大産地と区分されていましたが、現在はウバのヌワラエリヤよりの地域がウダプッセッラワとして独立し、ルフナ地域の北部がサバラガムワとして独立し、7つの産地に区分けされています。

以下の分類をご覧いただくと分かりますが、5大産地時代高地は高地が細かく3つに分類され、低地と中地は1つでした。
7大産地ではさらに高地が4つに分類され、低地は2つ、中地は1つです。

クオリティシーズンは乾季

スリランカには、中央山脈と季節風(Monsoon)の影響で、乾季(Dry Season)と雨季(Rainy Season)があります。

雨季は雨によって茶の成長が早くなり、収穫量が増えますが、味・香りが薄くなります。
乾季は雨が少なく茶の成長が遅くなり、収穫量が減りますが、味・香りが濃くなります。

12月〜2月は北東から季節風(北東モンスーン)が中央山脈にあたり、北東に雨を降らします。
山脈の南西側にあるヌワラエリヤ、ディンブラなどが乾季=クリオティシーズンになります。

7〜9月は南西から季節風(南西モンスーン)が中央山脈にあたり、南西に雨を降らします。
山脈の北東側にウバ、ウダプッセッラワがクオリティシーズンになります。

クオリティシーズンの影響を受けるのは高地産茶だけで、中地産茶のキャンディ、低地産茶のサバラガムワ、ルフナは影響は少ないと言われています。

7大産地の各紅茶の特徴

宇治で取れた茶を宇治茶、ダージリンでとれた茶をタージリンティーというように、セイロンティーでも、産地の名前がついています。

標高の高い高地産茶のエリアは県より小さい地域に細かく分けられていますので、標高の高い順に紹介していきます。

ヌワラエリヤ茶(Nuwara Eliya Tea)

標高:1,800m以上
高地産茶(High Grown Tea)
クオリティシーズン:12月〜2月
主な輸出先:日本、ドイツ、イギリス
名前は中部州ヌワラエリヤ県の県都「ヌワラエリヤ」に由来します。
ヌワラは都、エリヤはテーブルあるいは光の意味です。

ヌワラエリヤ茶は「シャンパン」と称されます。
インドのダージリン茶、烏龍茶、緑茶に似ていると言われます。
ストレートティー、アイスティーがお勧め。

エリアは7大産地で最も狭く、イギリス人が開拓したイギリス建築・イギリス式庭園が並ぶ高原リゾートの町です。

町の中央に公園・ゴルフ場・競馬場があり、スリランカで最も暑い4月はスリランカの正月にあたり、正月休みの旅先として人気の町です。

アフタヌーンティーが有名なレストランがあり、5つ星ホテル「Grand Hotel」、紳士クラブの「Hill Club」「Jetwing St. Andrews」が評判です。
ペドロ茶園、ラブーケリー茶園、ブルーフィールド茶園、グレンロック茶園など観光客の見学を受け入れている茶園が多くあります。

紅茶工場を改装したホテル「ヘリタンス・ティー・ファクトリー」、周囲に紅茶園があるホテル「Goatfell」「The Blackpool」スコットランド人の茶園バンガローを改装したScottish Planter Glendevon Bungalowなどがあります。

【スリランカ】紅茶畑が美しい避暑地ヌワラエリヤへの行き方と観光スポット…

ウダプッセラワ茶(Uda Pussellawa Tea)

高地産茶(High Grown Tea)
クオリティシーズン:7〜9月、12〜2月
名前は中部州ヌワラエリヤ県ヌワラエリヤ「ウダプッセラワ村」に由来します。

ウバ茶のヌワラエリヤ側の地域を独立させた地域。
フラワリーでメロウ。
ストレートティー、アイスティーがお勧めです。

ウバ茶(Uva Tea)

高地産茶(High Grown Tea)
クオリティシーズン:7〜9月(7大産地で唯一山脈の東側に位置します)
名前はウバ州に由来します。

ウバ茶はインドのダージリン茶、中国のキーマン茶と並び、世界三大銘柄茶とされています。
クオリティシーズンにはメントールの香りがすることで知られています。
ストレートティー、アイスティー、ミルクティーがお勧めです。

該当する町は、ハプタレー、バンダラウェラ、エッラ、バドゥッラなど。

ハプタレーには紅茶王トーマス・リプトンが所有した「Dambethenna Tea Factory」、リプトンが住んだ「Dambatenne Estate Bungalow」、朝日の絶景ポイント「Lipton’s Seat」があります。

バンダラウェラは交通の要衝で中規模の町です。イギリス時代のホテル「バンダラウェラホテル」が有名です。

高原にコロニアル建築が点在する小さな観光地「バンダラウェラ」

エッラは観光地として近年発展した町で、紅茶畑の上にかかる「ナイン・アーチ・ブリッジ」、紅茶園の中に立つ「98 Acres Resort & Spa」、郊外には紅茶ブランド「Halpe Tea」を作る「Uva Halpewatte Tea Factory」、Halpe Teaが経営するレストラン「Ceylon Tea Factory」があります。
郊外にはハンドロールドティーとファームステイで有名な「AMBA Estate」があります。

欧米人が集まるスリランカの高原リゾート「エッラ」のオススメ観光スポット

バドゥッラはウバ州の州都、バドゥッラ県の県都で、シンハラ王朝の王子が統治していた歴史ある町です。鉄道本線の終着駅でもあります。

ディンブラ茶(Dimbula Tea)

高地産茶(High Grown Tea)
クオリティシーズン:12月〜2月
最もセイロンティーらしい味と香りと言われます。
名前の由来は中部州ヌワラエリヤ県ヌワラエリヤ「ディンブラ村」から。

セイロンティーを代表する紅茶とされています。
ストレートティー、アイスティー、ミルクティーがお勧めです。

該当する町は、ナヌオヤ、ラデッラ、タラワケレ、セイント・クレア、コタガラ、ハットン、ディックオヤ、マスケリア、ワタワラなど。

ナヌオヤはヌワラエリヤの鉄道の最寄り駅です。

セイント・クレアの名を掲げる1875年に開園した茶園は現在、コングロマリットのアーピコ(ARPICO:A Richard Pieris Company)所有の紅茶ブランドになっています。
フレーバーティーで有名なムレスナ(Mlesna)のお店「Mlesna Tea Castle」があります。

ハットンは世界遺産「スリランカの中央高地」を構成する聖山「スリー・パーダ」への玄関口になる町です。

ディックオヤには、茶園のマネジャーのバンガローを改装した高級ブティックホテル「セイロンティートレイルズ」紅茶園の中にあるブティックホテル「Camellia Hills」ります。

マスケリアは、前述のアーピコ傘下のセントクレアの商品名にもなっている、1870年に開園したマスケリア茶園があります。

ワタワラは、スリランカの有名紅茶ブランドのZestaを所有するワタワラ・ティー・セイロンの社名になっており、Zestaのレストラン「The Tea Cup」があります。

キャンディ茶(Kandy Tea)

中地産茶(Medium Grown Tea)
クオリティシーズン:なし
名前の由来は中部州キャンディ県から。
キャンディはシンハラ語の山を意味するカンダから転じた英語名で、山に囲まれた地形。

かつては量産型の生産地とされていました。
近年は茶葉自体に甘みのある紅茶を生産する茶園が出てきています。
ストレートティー、アイスティー、ミルクティーがお勧め。

茶園はキャンディ市を中心に市内から1時間半ほどの離れた場所にあります。
具体的にはハンターナ、デルトタ、ガンポラ、エンビリミーガメ、ゲラガマ、カドゥガンナワ、クルガーマ、マドゥケレーなど。

ハンターナはキャンディ南の山の上で、キャンディの高級ホテルが立ち並ぶ、景色の綺麗なエリアです。
紅茶工場を博物館に改装した「セイロン紅茶博物館(Ceylon Tea Museum)」があります。

デルトタには、セイロンティー発祥の地「ルーラコンデラ(Loolecondera)」、歴史の長い「Loolecondera Tea Factory」セイロンティーの父ジェームス・テイラーの「James Tayler’s Seat」、「James Taylor’s Cottage」、「James Taylor’s Well」があります。

マドゥケレーには、フランス人オーナーの茶園内でグランピングが楽しめる「Madulkelle Tea and Eco Lodge」があります。

ガンポラは、ガンポラ王国の都として栄えた町で、王国時代の3つの寺院「Gadaladeniya Temple」、「Lankathilaka Temple」、「Embekke Devalaya」と、ドラゴンボールのかりん塔に似ているとも言われる「Ambuluwawa Tower」が有名です。
スリランカでコーヒー生産が始まった町でもあります。

そんなキャンディで採れる紅茶は、ミディアムグロウンティー。
さっぱりとした飲み口でクセがなく、どんな入れ方でもおいしく飲めます。

実はここ、キャンディはセイロンティーが生まれた茶でもあります。
スリランカでの紅茶栽培を開拓した、ジェームス・テイラーがキャンディを紅茶の生産地として発展させました。

サバラガムワ茶(Sabaragamuwa Tea)

低地産茶(Low Grown Tea)
クオリティシーズン:なし
主な輸出先:ロシア語圏、中東など
名前の由来はサバラガムワ州から。
ルフナ茶の北部から分離された新しい地域名です。

色、コク、深いがある紅茶です。
蜂蜜のような甘味があるとも言われます。
ミルクティー、砂糖入りミルクティーにお勧めです。

該当する町は、サバラガムラ州都のラトゥナプラや、世界遺産「シンハラージャ森林保護区」の北側など。

ラトゥナプラは宝石の町として世界に知られた町です。(ラトゥナが宝石、プラが町という意味)

宝石だけじゃない!宝石の町「ラトゥナプラ」の観光情報を一挙ご紹介!

ルフナ茶(Ruhuna Tea)

低地産茶(Low Grown Tea)
クオリティシーズン:なし
主な輸出先:ロシア語圏、中東など
名前の由来はルフナ地方から。
ルフナは古代にスリランカ南部を治めたルフナ王国の領域を表す地域名です。

スリランカの紅茶輸出先はロシア語圏と中東が最も多く、その地域の人たちが好む紅茶。

ほろ苦く、コーヒーのような紅茶。
ミルクティー、砂糖入りミルクティーにお勧めです。

該当する町は、マータラ、アハンガマ、デニヤヤ、シンハラージャ森林保護区の南側など。

マータラには、ジェフリーバワ設計したことで知られる「ルフナ大学」があり、その北部に茶園があります。

アハンガマには、ロンリープラネットなどに掲載され、欧米人によく知られた茶園「Handunugoda Tea Estate」があります。

デニヤヤには、日本のNGOパルシックが紅茶の有機栽培を支援していた町です。

こちらは、他の茶葉とは少し離れた南部の農園で生産される茶葉。
南部は標高が低くルフナ茶は、ローグロウンティーに分類されます。

コクが強くスモーキーな風味が特徴。
ルフナ茶の多くは、スリランカから中東へ輸出され、現地で飲まれるチャイとして使われています。

日本では、知名度が低い茶葉ではありますが、こちらも有名茶葉。
ローグロウンティーながらアイスティーに最適とされています。

最後に

今回は、セイロンティーの種類と特徴についてご紹介しました。
日本でも絶大な人気を誇るセイロンティー。
一口にセイロンティーと言っても、様々な種類と風味やコク、香りを持ちます。
ぜひ様々な紅茶を試してみて、自分の好きな茶葉を見つけてみてください。

参照

そんな紅茶で満足ですか?スリランカの本物の味と香りを楽しむ秘訣
ウィキペディア画像「スリランカの乾燥地帯と湿潤地帯」
ウィキペディア「モンスーン」
ウィキペディア「紅茶」
お茶百科「紅茶の主要産地スリランカ」
Uda Pussellawa

関連記事

コロンボおすすめアフタヌーンティー4選!紅茶大国スリランカで優雅な午後…

スリランカで紅茶を楽しむならここ!おすすめのカフェとお土産特集

紅茶の第一人者でスリランカの産地を店名に掲げる磯淵猛氏の『紅茶の手帖』

『そんな紅茶で満足ですか スリランカの本物の味と香りを楽しむ秘訣』末広…

# 関連キーワード