ジェフリーバワの別荘「ルヌガンガ」&「イナ・ダ・シルワ邸」
ジェフリーバワ財団、ルヌガンガ財団の許可を得て、ルヌガンガ&イナ・ダ・シルワ邸ツアーを開催します。
依頼主の意向に合わせて作った建築とは異なり、バワが建築家になる前から自身の理想郷を作ろうと、脳卒中で倒れるまでの約50年間、手を加え続けたのがルヌガンガです。
傑作と名高いバワ設計ホテルの多くに、バワがオリジナル設計の家具が使われていますが、その試作品とも言える同じ形の家具や、ラキセナナヤケやドナルドトランプなどの作品、バワのコレクションも展示されています。
国会議事堂の設計にも取り入れられたという小さな鳥籠や、バワが朝食を食べたテーブル、バワが昼食を食べたテーブルなどが見られます。
バワ建築に興味がある方には外せない場所であり、最もバワらしい場所とも言われます。
通常、英語による有料のガーデンツアーが行われていますが、今回は日本語で補足説明しながらZoomでつないでガーデンツアーを行います。
また、ジェフリーバワ生誕100周年記念事業の一環として、2019年9月に公開されたイナ・ダ・シルワ邸(ナンバー05)についても紹介します。
バワは多くの邸宅を建設していますが、その中でも初期の重要な作品としてデイヴィット・ロブソン氏が著作で取り上げ、大作『Geoffery Bawa The Complete Works』の表紙にはイナ・ダ・シルワ邸の写真が採用されています。
ルヌガンガとは?
1948年、弁護士だったバワがイタリアでの永住を断念し、デッドゥワ湖畔のゴム農園と丘の上に建つ邸宅を買い、週末用の別荘とした場所です。
海から近く、海水が混ざる川と繋がっていることから、「ルヌ(塩)ガンガ(川)」と名付けています。
土地の購入時は建築家ではなく、建築家になろうとしていたわけでもありません。
ルヌガンガはオランダ統治時代はシナモン農園で、イギリス統治時代はゴム農園だった土地です。
ルヌガンガの近くには、庭や建物の設計などで知られた10歳年上の兄ベヴィス・バワがゴム農園に自宅と庭園に設計し、日本庭園も有する「ブリーフガーデン」もあります。
熱帯雨林が生い茂るスリランカの湖畔の土地に、周囲の自然に溶け込むように作られたバワの建築と庭園は、
・バワが留学時に見たイギリスのカントリーハウスとイギリス庭園
・バワが長期滞在をしたイタリアのヴィラとイタリア庭園
・室内から見える景色が美しい日本建築と日本庭園
の要素を持つ とも言われ、ヨーロッパや日本の人たちに、根強い人気があります。
二つの木をくっつけ、重しをつけて、枝の形を調整したフランジパニの木は「盆栽」と呼ばれています。
バワが住むことを望んだイタリアを思わせる彫刻が点在し、バワ建築でよく見られる大きな中国の壺も見られます。
ルヌガンガでの別荘・庭園作りに熱中するバワは、従兄弟から建築を学ぶことを勧められイギリスに留学。
そして、数々の建築を手掛けるスリランカを代表する建築家となっていきました。
バワは平日はコロンボの自宅で、週末はルヌガンガで過ごし、友人や知人をルヌガンガに招いていました。
建築家になる前から庭造りをはじめ、各地で手掛けた建築や家具の実験場でもあり、週末を過ごす憩いの場でもあり、友人たちと過ごす社交の場で、亡くなるまで庭造りを続けた、バワの建築家人生とともにあったのがルヌガンガです。
ルヌガンガの楽しみ方
ルヌガンガは3つの方法で楽しむことができます。
1)宿泊する(6室の客室が用意されています)
2)ランチ付きのガーデンツアーに参加する
3)有料のガーデンツアーに参加する 客室は宿泊客のみ見ることができます。
バワは朝、昼、晩と時間帯によって気に入っていた場所があり、宿泊することで、表情を変える庭園・建築の様子を楽しめます。
ランチ付きのガーデンツアーであれば、メインバンガローのダイニングスペースで食事を楽しみながら、作品が展示されたメインバンガローを見学することができます。
有料のガーデンツアーでは、メインバンガロー、客室以外の庭園をスタッフによる英語のガイダンスを聴きながら、見学することができます。
今回のオンラインツアーは、有料ガーデンツアーをZoomでつないで開催します。
英語のガイダンスに続いて、日本語で解説をいたします。 質問も随時受け付けますので、お気軽にご質問ください。
またツアーの前に、よりツアーを楽しみ、バワ建築を味わっていただくために、 ジェフリーバワやルヌガンガについてのミニ講座も行います。 宿泊客しか見られない部屋の一部を、取材で訪れた際に撮影した写真を元にミニ講座にて紹介いたします。
イナ・ダ・シルワ邸宅
ジェフリーバワが建築で何度も取り上げたバティックアーティスト「イナ・ダ・シルワ」の自邸・バティック工房として設計され、建っていた場所の住所からナンバー05と呼ばれています。
イナが海外でのプロジェクトに従事している最中に、ジェフリーバワが新国会議事堂の建築プロジェクト用のオフィスとして利用していたことでも知られています。
キャンディの伝統様式である中庭を有しながらも、イナの工房、夫のオフィス、アーティストの息子のスタジオ、仏間、ゲスト用の客室などを備えた現代的な機能が共存するバワの初期の傑作住宅とされ、6年の歳月と3000万ルピーの費用が要して、ジェフリーバワ財団、建築家、遺跡保存の専門家たちによって、ルヌガンガの敷地内に移築・公開されました。
イナ・ダ・シルワ邸(ナンバー05)は現在、3部屋が客室として公開されています。
客室ですので、こちらも通常のツアーでは訪れることができません。
インターネットの接続が不安定でスムーズなオンラインツアーの実施が難しいため、事前にビデオ撮影したものをご覧いただきながらご案内していきます。
ツアー概要
当日のスケジュール
【ミニ講座】ジェフリーバワとルヌガンガとは?:30分
【現地中継】ルヌガンガガーデンツアー:75分※日本語の解説をリアルタイムで実施。
【動画視聴】イナ・ダ・シルワ邸ツアー:30分 ※日本語の解説を動画に合わせて実施。
【質疑応答】15分
合計:2時間30分
参加方法
Zoomを使います。(お支払い後にURLを送付いたします)
※悪天候の場合は開催を見合わせる場合があります。その際は全額返金いたします。
キャンセルについて
3日前のキャンセルは手数料として10%を差し引いた金額を返金いたします。
2日前のキャンセルは手数料として30%を差し引いた金額を返金いたします。
前日のキャンセルは50%を差し引いた金額を返金いたします。
当日のキャンセルは返金ができませんので、予めご了承ください。
日時
2021年7月3日 19:00-22:00
料金
2,800円
お申し込み
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