スリランカとインドの違いとは!?
“マイルドインド”と呼ばれる事もあるスリランカ。
インドとスリランカに行ってきたインターン生が2カ国の違いをご紹介します。(私は北インドしか訪れたことがないので、ここでの日本人旅行者が多く訪れる北インドのことを指します。)
スリランカに行ってみたいけどインドと同じイメージがあって行くのはちょっとな…と思っている方、逆にインド旅行の前哨戦でスリランカを訪れたいと思っている方はぜひご覧ください!
まず、インドに行ってみた感想
刺激が多い!!!
良い意味でも悪い意味でも刺激が多く、時間が過ぎるのがあっという間でした。
一方で、スリランカはゆったりとした時間が流れる雰囲気があります。
一番の違いはここにあると思います。
もっと具体的な違いをご紹介します。
目次
人に関する違い
人口が多い、距離が近い
インドが約14億人という世界一の人口を誇っているため、スリランカに比べて人が多いという印象でした。また、人口が多いせいか、観光地や地下鉄のチケット売り場に並んでいる時の人との距離が近く感じました。最初はパーソナルスペースに入られていることに違和感がありましたが、3日ほど経つと慣れました。慣れてしまえば、こっちのもんです!それすら刺激的に感じて楽しくなってきます。
一方で、スリランカの人口は約2,000万人。これはインドの70分の1の人口です。最大都市のコロンボでさえ、あまり列に並ぶことがありません。そのため、距離が近いと感じることがインドに比べると少ないです。人との距離が近いことに慣れていない方は、インドよりスリランカお方が快適に過ごせるかもしれません。
客引きがしつこい
旅行好きの間で「世界三大ウザい国」とささやかれている国をご存じでしょうか?その国とは、インド、エジプト、モロッコです。これらの国はそれぞれの理由からウザいと言われてしまっていますが、インドの主な原因は客引きだと思います。私もインド旅行中に幾度となく「ウザい」客引きに遭遇しました。インドの客引きはとにかくしつこい!何度断っても“OK?OK?”と聞いてきます。何がOKなのか分りません。でも、これも何日か経つと面白くなってきます。ウザいと言われているものの、インドを好きになる人が多い理由も納得です。
スリランカでもトゥクトゥクの客引きは日常茶飯事です。しかし、一回NOと言えばそれ以上話しかけてくることはありません。
視線を感じる
インドを旅行中、どこに行っても視線をすごく感じました。東アジア人が珍しいため好意的な目で見てくるのか、ぼったくりの対象として見ているのか分りません。写真を一緒に撮ろうと話しかけられて、一回OKしてしまうと次から次に写真を撮ろうと話しかけられます。最初の方はアイドル気分を味わえて楽しかったのですが、写真を頼まれ続けると、表情筋が痛くなってくるのと観光どころではなくなるため、次第に辛くなってきました。プライベートがないアイドルの気分も味わえます。
スリランカでも視線を感じることは多いですが、話しかけられる回数はインドよりも断然少ないです。話しかけてくるのは小学生くらいの子どもたち中心で、すごくかわいい笑顔で”Hello”と言ってくれるので癒やされます。また、話しかけてくれた時に、お菓子やブレスレットをくれることもあります。(食べ物をもらった場合は、食べない方が無難だと思います。)
無表情の人が多い
インド人は無表情の人が多いなと感じました。もちろん全インド人が無表情という訳ではありません。しかし、レストランで注文をした時やトゥクトゥクから降りてお礼を言った時など、日本では笑顔が見られる場面で無表情の人が多いなと思いました。
スリランカでは、目が合うと笑顔で返してくれる人も多く、インドより笑顔の人が多いと感じます。南国の方が笑顔の人が多い傾向にあるのかも知れません。
サリー着用率
インドの女性はサリーを着ている人が本当に多いです。サリーは南アジアの伝統衣装ですが、スリランカの女性でサリーを着ている人は少ないです。スリランカでは学校の先生や公務員などの一部の女性が着ています。一方で、インドではほとんどの女性がサリーを身にまとっていました。洋服を着ているのは、外国人観光客か学生だけでした。
同じ伝統衣装がある南アジアでも、国によってここまで違いがあるのかと驚きました。
街に関する違い
治安
インターネットで「インド 治安」と調べると、スリや詐欺が頻発していると出てきます。また、睡眠薬を使用した強盗、性犯罪も起っていると出てきます。事前情報としてこれらの情報を頭に入れてインドに渡航しました。あちらから話しかけてくる人は全員詐欺師だと思って行動していたからか、危険な目に遭うことはありませんでした。しかし、夜道を歩くときはヒヤヒヤしました。人通りがある道を通るときは比較的安心して歩くことが出来るのですが、細い裏路地では常に周囲を見渡しながら歩いていました。また、トゥクトゥクの詐欺には引っかかりそうになりました。乗車後、「道が閉鎖されているから他の道を通る、その分料金が高くなる」と言われました。お金を払う際に口論になりましたが、周囲の人たちのおかげもあり、乗車前に提示された値段を払うことに。私が体験したのはこれだけですが、他の旅行客に話を聞くと、無理矢理ツアーを組まされて15万円取られたり、両替の時に偽札を渡されていたりと、決して治安が良いとは言えません。
スリランカでもスリや置き引きには十分気をつけなければなりません。しかし、インドほどの緊張感を持つ必要はありません。私は、夜に一人で近くのスーパーに行くことがしばしばあります。怖い目に遭ったことは一度もありません。それほどスリランカは安心して過ごすことが出来ます。
道の汚さ
インド旅行中、目的地に向かって歩く時に友だちとの会話はほとんどありませんでした。その原因が道にゴミやフンが落ちているからです。ただ落ちているだけではありません。そこら中、ゴミやフンだらけなのです。話しながら歩こうものなら百発百中何かを踏みます。よって、移動中は下を見ながら慎重に歩く必要があります。
スリランカは、観光で訪れる場所はゴミが気にならないほどきれいにされています。場所によってはゴミが気になる場合もありますが、少なくとも、友だちとの会話を楽しみながら観光できるほどにはきれいです。
空気の汚さ
急速な経済発展に伴い大気汚染が問題になっているインド。大気汚染が原因で外出自粛が発表されることもあります。私は、渡航前にこの話を聞き、相当な覚悟をしてインドを訪れました。そのためか、想像よりは空気がきれいなことに驚きました。しかし、3日目くらいから喉が痛く、肌がピリピリするようになりました。また、コンタクトがゴロゴロし、目薬を持ってこなかったことを後悔しました。
発展途上国の中では、スリランカはトップレベルで空気がきれいだと思います。途上国を数カ国旅したインターン生もスリランカの空気のきれいさに驚いていました。私も日本から喉の痛み止めを持参していますが、一度も使っていません。それほどスリランカの空気はきれいです。
交通ルール
大音量で鳴り響くクラクション。インドでは場所や時間を問わず、どこにいても聞こえてきます。そんなに鳴らすことある?というくらい鳴らします。なぜそんなに鳴らすのかは、トゥクトゥクや車に乗ってみると分ります。交通ルールの概念を疑いたくなるほど、ルールが守られていないのです。車線無視は当たり前で、車間距離は人が通れないほど近く、歩行者も横断歩道など関係なしに道路を横断します。この状況ではクラクションを鳴らさずには運転できないなと半分諦めモードになります。
スリランカでも日本と比べると交通ルールは守られていません。しかし、インドほど運転は荒くないです。 (運転手によると思いますが…)スリランカのトゥクトゥクに乗るとき、どこかに掴まっていないと不安だと思ったことは数回だけです。基本的に安心して乗っていられます。
文化に関する違い
男女の区別
インドの地下鉄を利用する時や観光名所に入場する時、必ず荷物チェックやボディチェックを受けます。このセキュリティチェックは男女別で受けます。ボディチェックが男女別なのはもちろん、荷物チェックをするX線の機械も男女で分けられています。地下鉄は特に男性の乗客が多いため、男性のレーンはすごく混雑していました。私は女性のレーンに並ぶことが出来たためチェックを素早く受けることが出来ましたが、急いでいる男性はすごく大変そうでした。
スリランカではそのような男女の区別は見受けられません。そもそもインドほど厳重なセキュリティチェックがありません。ショッピングモールに入るときにはセキュリティチェックを受けますが、簡易的なもので男女一緒のレーンになっています。
貧富の差
インドの街中を歩いていると必ず目にするのが道ばたに座って物乞いをしている人たち。小さな子どもたちが道ばたで寝ていることもあります。日本では見られない光景に心を痛めました。しかし、一度お金や物を渡してしまうと他の人からも要求されるため、心を鬼にして無視しなければなりません。また、車に乗っていて信号待ちをしている時も小さな子どもに窓をたたかれてお金を要求されます。一方で、街には高級車が走っていたり、金ぴかの時計をいる人がいたりと、貧困層と富裕層が同時に存在している空間が不思議でした
スリランカでも道ばたで物乞いをする人はいますが、インドと比べるとその数は少ないです。また、子どもが物乞いをしている所を見たことがありません。
中国語じゃなくて日本語で話かけられる
インドを歩いている時に違和感を覚えたのが、客引きで声を掛けられる時に「コンニチハ」と言われることです。スリランカや他の国で歩いている時は、ほとんど「ニーハオ」と声をかけられます。しかし、インドでは第一声が日本語。最初は、日本人旅行客が多いから日本語で話しかけているのかなと思っていました。しかし、街を見渡してみると中国人観光客がほとんど見当たりません。カシミール地方の対立が関係しているのかもしれません。
スリランカでは、多くの中国人がいるため「ニーハオ」と話しかけられます。隣国なのにここまで違うのかと驚きました。
まとめ
スリランカとインド、どちらもとても良い国です!
隣国なのにも関わらず、違いが多くありました。渡航前は、スリランカとインドは同じような国なんだろうなと勝手に思っていましたが、それぞれに違った良さがあり、これはどちらの国にも行くべきだなと感じました!2カ国行けてとても良い経験が出来ました。
スリランカとインドの特徴を簡潔に表すならば、「住むならスリランカ、インドは数年に一度!」です。2カ国訪れたことがある人は分るのではないでしょうか!
# 関連キーワード
新着記事
-
“スリランカにおける現代ファッションを徹底調査”
年間を通して高温多湿の南国、自然豊かで「インド洋の真珠」とも呼ばれるスリランカ。日本とは全く異なる気候に住むスリランカの人々が普段どのような服を着ているのか、どのような服を好むのか知っていますか? 欧米諸国の人々のファッ…
2024年11月14日 -
世界遺産ゴール・フォートの中にある“好立地”ホテル「The Fort ...
私は今回、世界遺産ゴール・フォートの旧市街の中にあるホテル「The Fort House」に宿泊してきました。 ゴールには数多くの宿泊施設がありますが、世界遺産である旧市街の中にあり、散策しやすい場所にある「The Fo…
2024年11月13日 -
バワが手掛けたスリランカ初のモダンリゾート「ジェットウィングラグーン」
ジェフリーバワが最初に手掛けたリゾートホテルが、1965年〜1966年に建設したブルーラグーンホテル(現:ジェットウィングラグーン)です。 バワのカントリーハウスであったルヌガンガは湖に突き出した半島を走る道を挟んで北側…
2024年11月12日