時代をつなぐジュエリー「AVIIKA」
美しく輝くジュエリー。街中を歩くときらっと光る宝石が目にとまる。その美しさに魅了され、私も宝石の旅に出る。
今回私が訪れたのはスリランカのコロンボに位置するとあるジュエリー工房。父の代から始まったジュエリー工房でジュエリーの発信に尽力しているとある女性から話を聞いた。子どもの頃から宝石加工の手伝いを行い、新しくAVIIKAというジュエリーショップを立ち上げたという。そんな彼女の名前はアマンダ・ウィジェマンネ。彼女のジュエリーに対する想いとともに、多くの人に彼女のメッセージを読んでもらいたいと思いこの記事を書いた。スリランカの街を歩くと至る所にジュエリーのお店が点在している。そんなジュエリーはスリランカの人にとってどんな存在なのだろうか。スリランカは宝石の産出国で有名だが、そんな場所でジュエリーのお店を経営している彼女に宝石を人々に届ける想いを聞いてみた。インタビューは彼女の父が開いているジュエリー工房で行った。とても素敵な時間を過ごせた。皆さんにもこの記事を通して、彼女の宝石ストーリーを共有したい。それではどうぞ。
目次
Aviikaについて
私;はじめに、このお店についての説明をお願いしてもいいですか?
彼女:ここは宝石のカットを行うラピダリー(宝石加工所)で、工場とは呼びません。実は、これは私の父が始めたビジネスで、今は私が引き継いでいます。この会社は「アノラ・ビジャイ・マグナ・アソシエイツ・プライベート・リミテッド」といいます。私たちの主な仕事は宝石のカットサービスで、海外から宝石の原石を仕入れ、さまざまな形にカットしてから、再びその国に輸出しています。
私自身もブランドを持っていて、「アヴィカ・ジュエリー」といいます。私たちの主な製品は、925スターリングシルバーを使用したジュエリーで、18金ゴールドやロジウム、ローズゴールドメッキで仕上げています。そして、使用する宝石はすべて天然のものです。スリランカ産ものもあれば、外国産のものもあります。
仕事をしていて良かったと思う瞬間
彼女:私は毎日目が覚めるたびに、自分がこの仕事をしていることにとても感謝しています。自分がボスになれる場所、創造性を活かせる場所、そして学校で学んだことから日常生活に至るまで自分が経験したことを活かせる場所があることに感謝しています。父が私を信じて、この仕事を任せてくれたことにも本当に感謝しています。今この仕事をしていることがとても幸せです。
経営する中での苦労
彼女:コロナウイルスのロックダウンが始まったとき、私たちは多くの困難に直面しました。ロックダウンされた3ヶ月間は、旅行もできなければ、材料も手に入らず、従業員も働きに来られませんでした。その間は売上がなくなり苦しい状況でした。ところが、コロナが終わると売上が伸びてきました。ロックダウンがまたいつ再開されるのか不透明な状況で、投資としてジュエリーを買い求める人もいれば、自分のお気に入りの一品を手元に置いておきたいという人もいました。
経営に対する想い
彼女:今はとても幸せです。すべてうまくいっています。もちろん、スリランカでは政府が様々な税金や規制を課しているので、多くの困難がありますが、それでも、宝石やジュエリーは今も昔も人々を魅力しています。美しいものは人々に幸せをもたらすものだと思います。世界では様々なことが起きますが、宝石やジュエリーの需要は変わらずあります。
ジュエリーを通して起こしたい変化
彼女:スリランカは主にカラード・ジェムストーン(色石)で知られています。スリランカでは世界でも最高級のサファイアが産出されます。宝石の中でもダイヤモンドが最も高く取引されますが、価値の高いカラード・ジェムストーンも多く、業界においてカラード・ジェムストーンの価値が見直されつつあります。もっと多くの人々にカラード・ジェムストーンに目を向けてもらいたいです。そして、宝石やジュエリーへの投資を恐れずに行ってほしいとも思っています。高価な買い物をすることを恐れる人も多いですが、宝石やジュエリーの価値は高まっていくことも多く、手堅い投資とも言えます。
スリランカの人にとってのジュエリーとは
彼女:ジュエリーはスリランカの人にとって非常に大きな意味を持っています。スリランカでは2000年以上前からジュエリーが作られていました。スリランカの宝石に関する職人の技術力はとても高いと評価されています。私たちは、宝石のカットやジュエリー作りの世界最古の職人技を誇っています。そのため、スリランカの人々は私たちのジュエリーが大好きです。特にイエローゴールドのジュエリーは多くのスリランカ人が好んでいます。スリランカ人にとって、ジュエリーは大きな投資である一方で、世代を超えて受け継がれるものでもあります。例えば、私は祖母が曾祖母からもらったジュエリーを受け継いでいます。こうした形で、ジュエリーは家族から家族へ、そして次の世代へと受け継がれていくのです。これは伝統的なもので、ジュエリーはスリランカの文化にとって非常に重要な存在です。
Aviikaについて一番知ってほしいこと
彼女:私は、アヴィカが非常にユニークなジュエリーを作るブランドであることを皆さんに知ってもらいたいと思っています。私たちは同じデザインのジュエリーを2つ以上作ることがありません。全て一点ものです。アヴィカのジュエリーを持っている人は、自分だけの特別な一品を持っていることになります。また、私たちのジュエリーは、デザインから制作、そしてお客様にお渡しするまで、たくさんの時間と労力をかけて作られています。また私たちは非常に多くの種類の宝石を取り揃えています。父が宝石業界に長く携わってきたおかげで、世界中から様々な宝石を調達することができます。私たちはジュエリーに色々な宝石を使うことができ、デザインもこだわりを持っています。
ジュエリーを通して贈りたいメッセージ
彼女:スリランカでの宝石採掘は非常に倫理的に行われています。環境破壊や児童労働といった問題はありません。スリランカはとても小さな島国ですが、スリランカの人々はとても親切です。おそらく、あなたもそのことを体験されたことでしょう。
さらに、私たちは業界の持続可能性にも配慮しています。スリランカで採掘を行う際、採掘が終わった後には鉱山を閉じ、その場所に再び木を植えています。これにより、その場所が持続可能に利用されることを確保しています。また、次の世代のことも考え、すべての宝石を採取することはせず、一定の割合だけを取り、残りは次の世代のために残しています。
私たちの宝石のほとんどは自社のラピダリーでカットしていますが、ご覧の通り、私たちのラピダリーはしっかりと管理されています。スリランカのジュエリー業界の職人技は、何千年もの歴史があります。その職人技と知識を活かし、現代的なデザインと融合させています。つまり、昔のものとは異なり、現代的でユニークな方法でジュエリーを作っています。ぜひ私たちのジュエリーをご覧いただき、アヴィカファミリーの一員となって、ジュエリーを楽しんでいただきたいと思います。
これからしていきたいこと
彼女:今は友人のお店「The Design Collective Store」にジュエリーを販売してもらっていますが、来年には自社のウェブサイトを立ち上げる予定です。そして将来的には、自社ショップも持ちたいと思っています。お客様が来て、ジュエリーを見ながら、コーヒーを飲んだりお茶を飲んだりして、楽しい時間を過ごせるような空間を作りたいです。また、ブランドを世界中に広めることも目指していて、日本にはぜひ進出したいです。
終わりに
いかがだっただろうか。彼女のジュエリーに対する想い、また、スリランカの人にとってのジュエリーの意義が少しでも伝われば嬉しい。宝石大国スリランカ。今回私は彼女からジュエリーはスリランカの人々にとって特別で時代を繋ぐ大切なものであるということを教わった。スリランカの街を歩くときに目にするジュエリーたちには様々なストーリーがある。今回のインタジューを通して、ジュエリーを見る世界が変わった。そんな気がする。彼女との出会いをきっかけに、これから私もジュエリーを通して時代を繋ぎ、様々なストーリーを作りたい。
そして、今回インタビューを受けてくれたアマンダ・ウィジェマンネに心から感謝を伝えたい。本当にありがとう。
インタビュー日:2024年12月
皆さんこんにちは!旅と自然が大好きなYuiです。
スリランカに来て数週間。まだまだスリランカの魅力を模索しています!
同じ島国だけれども、日本とは異なる伝統を持つ国、スリランカ。これからもスリランカの魅力を探し続けます!
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