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スリランカのホームステイ体験談ー途上国でホームステイってどんな感じ?ー

2024年11月05日

 

途上国でのホームステイは、異文化や温かい人々に出会う一方で、時にインフラや生活環境の違いに驚かされることもあります。今回は、スリランカで5家庭にホームステイした私がホストファミリーとの日々を通じて感じたこと、学んだことをお伝えします。

ホームステイとは

ホームステイとは、現地の家庭に家族の一員として一時的に迎え入れてもらい、その家庭に滞在する方法のことです。現地の家庭の一員として加わることにより、現地の暮らしを直に味わうことができ、その国の生活習慣や文化を学ぶことができます。

ケアンズでホームステイをした際の、ホストファザーとホストマザー

私がホームステイを好きになったきっかけは、中学2年生の時に初めて経験したオーストラリアでのホームステイでした。異文化に触れ、現地のホストファミリーと一緒に生活する中で、教科書では学べない生きた文化や言葉を体感しました。また、ホストファミリーの温かさや日常生活を共有することで、徐々に心が通じ合い、その国の文化や人々を深く理解できたことが大きな感動でした。この経験が、ホームステイの魅力に引き込まれるきっかけとなりました。

ホームステイをするメリット

私が考えるホームステイのメリットは主に3点あります。

文化理解の深化

現地の家庭に滞在することで、その国の生活習慣や文化を直に体験することができます。観光客としてではなく、地元の視点から日常生活を理解することができるため、より深い文化理解を得ることができます。また、自国がどのように思われているのかなど知ることができます。

 

人との繋がり

ホストファミリーとの関係を築くことで、その国に友人や家族と思えるような存在ができることがあります。これによって、帰国後もネットワークを築くことができます。実際に私自身も中学生の時にホームステイをさせてもらったホストファミリーとは未だに連絡を取っています。今回、スリランカでホームステイをした後も、スリランカ滞在中に再度コロンボで再会するなど、定期的に連絡をとっています。

 

語学力の向上

言語が異なる環境では、現地の言葉を使用する機会が増えます。ホストファミリーとの会話を通じて、日常的なシンハラ語の表現やスラングも学ぶことができました。ですが、コミュニケーションが取れるほどのシンハラ語の能力はないため基本的に英語で会話をしていました。(ホストペアレントと話す時は、英語で娘・息子に伝え、それを彼らがシンハラ語で伝えてくれていました)

 

スリランカでホームステイを通して感じたこと

①「おしん」!

どの家庭に行っても日本の映画である「おしん」を見たよ。と言われました。正直私は、「おしん」についてあまりよく知らなかったため、どのような物語だったかホームステイ中にこっそり調べました、、、調べた結果スリランカで「おしん」が有名な理由は、以下ではないかと感じました。

・共感できるテーマ

「おしん」は、貧困や家族愛、苦難に直面しながらも努力し続ける少女の物語です。このテーマはスリランカを含む多くの国々で共感を呼んでいます。特に、貧しい環境でも努力や忍耐力で人生を切り開いていく姿は、スリランカの人々にも深く響くモノだったのではないでしょうか。

・女性の強さの描写

「おしん」は、家族のために働き、逆境に負けずに成長する女性の物語です。スリランカでも、女性の強さを尊重する文化が根強くあるため、この点が多くのスリランカ人の心に刺さったのではないでしょうか。

・教育的な価値

「おしん」は道徳的な教訓を含んだ作品として評価されているそうです。苦労や努力、家族への懇親を学ぶ機会を提供し、教育的な価値が高いのではないでしょうか。

・日本文化への関心

このドラマを通じて、スリランカの人々は日本の家族の在り方や生活の一部を垣間見ることができ、日本文化への関心が高まったのではないでしょうか。

このような要素が重なり、「おしん」はスリランカで現在に至るまで長期にわたって愛され続けている作品になったのだと思いました。

 

②家族を大切にしている

どの家庭に行っても、家の中を見渡してみると至る所に家族の写真が飾られていました。その理由を聞いてみると、

「家族を忘れないようにするため。そして、会いたいと思えるようにするため。」

「誕生日や記念日、海外に渡航してした時など特別な日に撮った写真や思い出が私たちにとってどれほど貴重であるかを示すため。」

とおっしゃっていました。

ホームステイをしている際、どの家庭にも必ず親戚が遊びに来て、団らんをしたりとにかく仲が良く、お互いを大切に思っていると感じました。その様子を見ていて非常に微笑ましく思うとともに、自分も家族を大切に、一緒に過ごせる時間を大切にしようと心から思いました。

 

③コーヒー、紅茶には砂糖

私は、基本的にコーヒーにも紅茶にも砂糖は入れずに飲むのが好きなのですが、ホームステイ先では毎回甘いコーヒーと甘いミルクティーをいただいていました。

キリテー(ミルクと砂糖が入ったスリランカ式のミルクティ。チャイとは異なりスパイスが入ってない。)

スリランカでは歴史的に、イギリス植民地時代から紅茶を砂糖とともに楽しむ習慣が続いています。また、スリランカの食文化では、甘い味が好まれます。デザートやおやつにも甘いものが多く、飲み物にも同様にたっぷり砂糖を加えることで、甘い味を楽しむ習慣が続いています。

 

④手でご飯を食べる美味しさ

ホームステイでご飯を食べる時には、必ずスプーンとフォークが用意されていましたが、私は現地の文化に合わせたいため、毎回ホストファミリーの食べ方をマネしたり、時に教えてもらったりしながら、手で食べていました。スリランカでは手で食べることが日常的であり、伝統的な方法であるため、こうした食べ方をすることで、その土地の文化により近い体験ができます。また、手で食べると、食べ物との距離が縮まり、食事そのものがより親しみやすく感じ、食事そのものに対する感謝や尊重の気持ちが深まると感じました。あるホストファミリーは、手でご飯を食べることのメリットとして、

「食材の質感や温度を直接感じることができる。」「手でご飯やおかずを混ぜあわせて、自分好みのバランスにまとめることで、食べるたびに少しずつ違う食感や味を楽しむことができる。」

とおっしゃっていました。

体験してみて、本当にその通りだなあと感じました。

 

⑤おもてなしの心

スリランカ人のおもてなしの心は、単に形式的なものではなく、訪問者を心から歓迎し、尊重する態度に根差していると感じました。ホームステイをしている際も、自分を家族の一員として沢山のおもてなしをしてくれました。以下の写真のような小さな贈り物や記念品も沢山準備していただき、その心遣いにとても感動しました。このような温かいもてなしは、ゲストに深い感銘を与え、また会いたいと思わせる魅力の1つであると感じました。

サリー、カップ、トップス、紅茶、観葉植物、お香、キーホルダーなど沢山のギフトをいただきました

 

ホームステイ先の食事について

ホームステイをした際の食事について各家庭ごとに簡単に紹介したいと思います。

1家庭目

トリンコマリーを旅行してた際に友達になったキャンディに住むスリランカ人のお宅にホームステイさせていただきました。

一家に一台あると言っても過言ではない伝統的なココナッツの機械

ダルカレー、インゲン豆の炒め物、サラダ、野菜のフライドライス

2家庭目

こちらもトリンコマリーを旅している際に出会ったベントタに住むスリランカ人宅にホームステイさせていただきました。

お父さんが魚介類の卸売業を経営しており、美味しい新鮮な魚介をたくさん頂きました!

エビの炒め物、イカの炒め物、カシューナッツ入りライス、ダルカリー、エッグホッパー、サラダ

ベントタにあるお父さんの仕事現場を拝見させてもらった時の様子

3家庭目

日本語学校の校長先生を通じて、紹介していただいたガンパハに住むスリランカ人のお宅にホームステイさせていただきました。お父さんが文房具の小売業を経営しており、自宅向かいには仕事場がありました。

キャロットカレー、ポテトスープ、ライス、エビ炒め物

文房具の在庫を保管している倉庫

4家庭目

こちらも日本語学校の校長先生を通じて、ガンパハから1時間ほど離れたところに住むスリランカ人のお宅にホームステイさせていただきました。

ココナッツミルクライスとルヌミリス(玉ねぎ、唐辛子、モルジブフィッシュ、塩、ライム汁などを混ぜてすり潰したもの)

5家庭目

デルトタから車で30分半ほどのところにある村にホームステイさせていただきました。5家庭目にして初めてタミル系のスリランカ人のお宅に滞在しました。

ココナッツサンボル、ダルカレー、イドゥリ(イドゥリとは、南インドの伝統的な料理。米粉と豆から作られた発酵生地を蒸して作られた柔らかい蒸しパンのようなもの。)

ホームステイ先での思い出

スリランカでのホームステイの思い出は、今でも心に深く刻まれています。まず、スリランカの伝統衣装であるサリーを着させてもらったのがとても印象的でした。

また、一緒にショッピングにも出かけて、お揃いの服やアクセサリーを買ったことも楽しい思い出です。普段は観光客が訪れないような地元の場所に案内してもらい、スリランカの「本当の姿」を知ることができたのも、特別な経験でした。

ショッピングをした時の様子

さらに、ホームステイ先の家族と一緒にスリランカ料理を作る時間も、貴重な文化交流のひとときでした。新しいレシピを教えてもらいながら、一緒にキッチンで料理をすることで、一層親しみが湧きました。

寺院を案内してもらった時の様子

同世代のスリランカの友人たちと音楽や映画の話で盛り上がったことも、異文化理解を深める素晴らしい機会でした。日本のアーティストや映画についても関心を持ってくれ、楽しい時間を共有できました。

親戚なども集まってみんなでカードゲームをした時の様子。スリランカで人気のアーティストの歌をみんなで歌ったり、映画を見たり、バドミントンやバレボールをしたり非常に楽しい時間を過ごしました!

ホストファミリーとマーケットに一緒にお買い物に行った時の様子

シンハラ語とタミル語を教えてもらっている時の様子

ホームステイ後も再会する機会があり、一緒にまた時間を過ごせたのは、素晴らしい友情の証だと感じます。スリランカでの経験は、私の人生において忘れられない大切な思い出です。

ホームステイをして約2週間後にコロンボで再開した時の様子。一緒にショッピングしたり、カフェに行ったりしました!

こちらもホームステイしてから約1ヶ月後にキャンディで再開した時の様子です。息子のイヨくんが5歳の誕生日ということで、プレゼントをあげました^_^

これからスリランカでホームステイを考えている人へアドバイス

ホストファミリーとのコミュニケーション

語学力がホームステイの充実度に直結すると思います。英語が通じる家庭が多いため、ホストファミリーと英語で沢山コミュニケーションをとる過程で深い友情が築かれることもあります。ホストファミリーはゲストと積極的に交流したいと考えることが多いです。そのため、日常会話や文化についての話題を持ち出してみると良いと思います。また、シンハラ語やタミル語で簡単な挨拶を覚えておくと、ホストに喜ばれると思います。

 

食事のマナー

スリランカでは手で食事をする文化が根付いており、ホストファミリーも手で食べることが多いため、慣れていれば手で食べてみるのも良いと思います。右手で食べるのがマナーとされています。

 

時間の感覚

スリランカでは時間に関して比較的ゆったりとした感覚を持っています。予定が多少ずれることがあっても寛大に対応しましょう。

 

「柔軟な心と超オープンな姿勢」

途上国でのホームステイは、快適さや便利さを犠牲にする場面もありますが、それ以上に得られる学びや人々との交流の価値は計り知れません。柔軟な心で新しい体験を楽しみ、オープンな態度で異文化に飛び込むことで、必ず素晴らしい経験を得ることができるはずです。思い切ってチャレンジしてみてください。

 

スリランカでのホームステイは、温かいもてなしと独自の文化に触れられる貴重な機会です。ホストファミリーの習慣や価値観を尊重することで、より良い関係を築き、楽しい体験を得ることができるでしょう。

 

 

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