リサイクルペーパーで環境保全に尽力するKadadasi
生物多様性や環境保持という単語が飛び交う今日、私たちはなにをすべきなのか。私たちができること、それは何なのか、、
今回私が行ったのはスリランカ・コロンボにあるダッチホスピタルというショッピング街。スリランカのお土産屋さんや料理店が点在している場所だ。私が今から話す会社の出会いはここLUV SLというダッチホスピタルにあるお土産屋さんからはじまった。何かスリランカの地元の産業を応援できるお土産はないかと店内を歩き回っていた時だ。一つ完璧な紙ではないけれど何か惹かれる、そんな商品があった。これはどのような人がどんな素材で作っているのだろうか。そう思いながら商品についているタグを見ると、そこにはKadadasiと書いてあった。Kadadasi?初めて聞く会社だとインターネットで検索してみると、そこにはKadadasiの様々なストーリーが書いてあった。私は目が離せなかった。このスリランカという土地で環境問題にフォーカスし解決しようとしている会社がある。私は彼らからもっと多くの話を聞きたくなった。そして、すぐにホームページに載っていたインスタグラムから『あなたの会社についてインタビューしたい』とメッセージを送った。それから数時間後。すぐに返事をくれた。返事をくれたのはKadadasiの創業者の息子に当たるNisayuru Basnayakaという人だった。とても親切な方だった。私は彼の空いている日にちを聞き、数日後zoomでインタジューをした。とても素敵な時間を過ごせたので皆さんにもその内容をシェアしたい。このインタジュー内容、彼らのメッセージを通して、生活をより濃く、良いものにしてくれたら嬉しい。それでは今からKadadasiの素敵なストーリーに招待しよう。
目次
Kadadasiの始まり
Kadadasiのルーツは約50年前に遡る。ウィジータ・バス・ナヤカという人物の先祖代々の家を囲む7エーカーの土地が徐々に植林されたところから始まった。Kadadasiは100%スリランカの会社だ。。100%天然原料を使用し、付加価値のある手漉き紙を使用し、それらを製造する家族経営の企業だ。産業廃棄物や農業副産物を丁寧に手作りし、ユニークな再生紙製品にリサイクルすることで、環境にやさしい代替え品を提供している。そんなKadadasiの始まったきっかけは彼の母に当たるアイラがきっかけだそう。ナチュラリストであり、熱心なバードウォッチャーでもあったアイラは工業化とその逆境が彼女らの村とその周辺地域を侵食しているのを目撃していた。工業化の結果、不十分な廃棄物処理が懸念の原因ともなっていた。アイラは見守ることを拒否し、工業的に大量消費され、世界的な森林破壊の原因となっている商品である紙を再利用・リサイクルすることを決意した。彼女はインドに渡り、そこでリサイクルペーパーについて学び、それがカタダシの始まるきっかけとなった。
Kadadasiのコンセプト
インドで手作りの再生紙の製造技術を学んだ後、彼女は手作り再生紙の自家製造事業を始めた。彼女は周囲の森林で自然に入手できるものと産業廃棄物から再生された紙を組み合わせて製紙技術の実験を始めた。その結果、独特の質感とデザインの紙が生まれた。Kadadasiのコンセプトは、環境的に持続可能であり、製造プロセスにおける二酸化炭素排出量を最小限に抑えることだ。この製紙プロセスで使用される原料は天然で無毒であるため、手漉き紙製造工場からの廃水は周囲のパーマカルチャー庭園に再利用される。また、伝統的な製紙では木の伐採がプロセスの一部であることを意味するが、Kadadasiの再生紙工房では、一本の木も費やさずに紙を製造している。
Kadadasiの製品
カタダシとして彼らが行っていることは、リサイクルされた手作りの紙製品を製造することだ。主に2種類の原材料を使用している。1つは天然の原材料で、例えばバナナの繊維や草、そして利用可能なさまざまな種類の繊維を使用している。もう1つは、紙ベースの原材料で、オフィスで使われるA4用紙や、さまざまな種類の箱などを使用している。また、中央銀行から提供される廃棄通帳簿も使用している。これらが、彼らが製造するカタダシ製品の主な原材料だ。これらの材料から、包装紙やノートなどの文房具、バッグや紙袋、そしてパッケージング資材を製造している。つまり、彼らの主な製造カテゴリーは3つということだ。
Kadadasiのデザイン
また、彼らは自分たちのテクスチャに誇りを持っている。実際、500種類近くの異なるテクスチャや色があり、スタッフにも新しいデザインを考え出すように促しているという。スタッフが新しいデザインを思いついた際は、そのデザインに名前を付けてもらっているらしい。つまり、スタッフにも新しいアイデアを出すことを奨励しているということだ。その結果、500種類近くの異なるテクスチャ、プリント、色、カットアウトなどが揃っている。ほとんどのデザインは彼ら自身の創作らしい。インターネットから取り入れたものもいくつかあるそうだが、それを除けば、99%のデザインは彼らのオリジナルということだ。
彼らが伝えたいメッセージ
彼らが伝えようとしている主なメッセージは、カタダシは普通の工場で作られた紙とは違うということだ。完璧ではない。彼らのテーマは「完璧の中の不完全」だ。どの紙も少し違うということを理解してもらいたいということだ。作る人や紙の種類によって異なる。一枚一枚違う味を持っているということだ。なんて素敵なんだろう。
Kadadasiを経営してよかったと思う瞬間
ほとんどの場合、カタダシは日常的な製品とは異なる製品を扱っているそう。彼らが行っているのはリサイクルプロセスで、環境に害を与えず、その一方で実際に森を育てている。カタダシは7エーカーの敷地にあるが、そのうちの2エーカーは自然の森として育てており、こうした活動をしていることに誇りを感じているようだ。ほかの多くのビジネスとは違って、彼らは木を切ることがない。代わりに木を育てている。そして、特に彼らと一緒に働くコミュニティにも、常に助けの手を差し伸べている。こういった活動を行うことは本当に良いことだと感じているそうだ。
スリランカで紙の環境問題について知っている人は多いのか
スリランカの人々は紙の環境問題について知っているらしい。Kadadasiの製品はプラスチック製品に比べて高価であり、価値を感じてくれる人や共感してくれる人は経済的に余裕のある人が多いコロンボの消費者が主なターゲットだという。
木を伐採して紙を製造する方法がなくならない理由
彼は、世界の人口が毎日・毎週増えている今日、その需要に応えるために、手作りの紙だけでは十分ではないからだと話す。需要が非常に高いため、その点が大きな理由だという。しかし、紙の製造方法としては、手作りの紙だけでなく、リサイクルされた紙を使うことも必要だと話す。
Kadadasiを通してスリランカ、世界にもたらしたい変化
彼は、リサイクルや再利用についてもっと多くの人に教えたいと思っているようだ。もう1つは、彼らKADADASIが行っているような仕事を通じて、他の企業にも自然を大切にしながら工場を運営できることを示したいという。動物や他の生き物たちと共存できる工場を作ることができると強く伝えたいと話す。
将来について
彼らは売上を拡大することを考えているようだ。それはどのビジネスでも目指すべきことだ。同時に、彼らの工場の近くには大きな企業もあり、その大企業に対して手助けできる可能性があると話す。彼はそうすることで、周囲に貢献できると考えている。多くの人々は家庭環境が壊れていたり、さまざまな問題を抱えている。Kadadasiを拡大することで、彼らをサポートできるようになる。それが彼らが目指している主なことの1つであり、さらに作り手に仕事の進め方や他のスキルを教育することも重要だと考えている。
Kadadasiがこれからすべきこと
彼はKadadasiがもっと多くの人々に知られるべきだと考えている。Kadadasiの存在をさらに広めていき、彼らが世界で最もユニークな紙工場の一つであることを知ってもらいたいのだそう。彼らが一番望んでいることは、人々がKadadasiについて知り、Kadadasiに訪問したいと思ってもらうことだ。そして、訪問して彼らが行っている他の活動や取り組みについても知ってもらいたいと話す。それが彼らが最も望んでいることの一つだ。
終わりに
以上がインタビュー内容になる。いかがだっただろうか。このインタビュー内容を彼らのメッセージを通してこれから、世界をより良くするための行動をさらに入れるようになる人が増えたら嬉しい。
Kadadasiの展開がさらに広がり、そのような会社が増えていくことで、世界に大きな変化をもたらすことができる。私たちがすべきことは何だろうか。Kadadasiの創業者アイラのように一人一人が実際に行動していくことが大切になってくる気がする。
この度、インタビューに答えてくれたNisayuru Basnayakaに感謝を伝えたい。本当にありがとう。これから先の展開も楽しみにしています。
皆さんこんにちは!旅と自然が大好きなYuiです。
スリランカに来て数週間。まだまだスリランカの魅力を模索しています!
同じ島国だけれども、日本とは異なる伝統を持つ国、スリランカ。これからもスリランカの魅力を探し続けます!
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