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スリランカの主要物流企業【5選】~東西をつなぐ物流ハブ~

2020年7月29日

スリランカは東西を結ぶ海運・物流のハブとなる地理的優位性があり、日本企業も進出しています。

そこで本記事では、スリランカにおける主要な物流企業についてご紹介します。

Expolanka Holdings PLC(エクスポランカ)』

エクスポランカは20か国と50を超える都市でグローバルに事業を展開する複合企業です。

1978年に設立され、当初は生鮮食品を輸出する企業のパイオニアとしてビジネスを拡大していきました。

1982年には航空会社サービス・旅行コンサルティング・物流を主要産業とするエクスポランカ・フレイトが設立され、2003年にはハニフユスーフとカシム兄弟がエクスポランカ・ホールディングスを設立し、エクスポランカ系列の企業を1つの傘下に収めました。

現在では物流・レジャー・投資の主要セクターに分かれて、各子会社が運営を行っています。
本記事で紹介している企業の中でも物流事業の比率が最も高いのがエクスポランカです。

物流部門を担うエクスポランカ・フレイトはグローバルサプライチェーンの主要企業として、航空貨物、海上貨物、倉庫保管、その他のソリューションを国際海運コミュニティに提供しています。そして現在では農業、アパレル、医薬品、テクノロジー、自動車など、多くの分野にわたる貨物輸送会社として認められています。

また2014年5月には、日本で2番目に大きい物流企業であるSGホールディングス(佐川急便から誕生した純粋持ち株会社)が、エクスポランカの30%の株式を取得し、 2014年6月に全株式の51%以上を取得したことによりエクスポランカの経営権を獲得しています。

Expolanka Holdings PLC(エクスポランカ)のホームページはこちらです。

『Hayleys PLC(ヘイレイズ)』

ヘイリーズは1878年にチャールズPヘイリーがHayleysの前身であるChas P. Hayleyを設立し商業活動を始めたのが起源です。スリランカの輸出収入の3.53%(お茶は3.4%、ゴム生産は3.8%)を占めています。

現在は製造業、農業、エネルギー事業、産業用照明、物流、レジャー、投資の12のセクターで事業を展開しています。またインドネシアとタイに製造施設を持ち、オーストラリア、インド、バングラデシュ、イタリア、日本、オランダ、イギリス、アメリカでマーケティング活動も行っています。

12事業の中で、最もグループの収益に寄与しているのが、世界の手袋の5%を占める手袋をはじめとした消費・小売事業で、グループ収益の29%を生み出しています。
次いで収益に貢献しているのが物流事業でグループ収益の21%を生み出しており、物流事業が大きなウエイトを占めているといます。

日本の物流企業である郵船ロジスティクス社も1999年にコロンボのヘイレイズ本社に事務所を置いています。

その他、130を超えるビジネスユニットと子会社を持ち、コロンボの5スターホテルの「ザ・キングスバリー」、スリランカ各地にラグジュアリーリゾートを展開する「アマヤ・レジャー」など9つの企業がコロンボ株式市場に上場しています。

Hayleys PLC(ヘイレイズ)のホームページはこちらです。

『John keells Group(ジョンキールズホールディングスPLC)』

ジョンキールズホールディングスの始まりは、1870年、イギリス人の2人の兄弟であるジョージとエドウィンジョンによって設立された、農産物や物流の仲買業者であるE.ジョン&Co.です。1948年にロンドンを拠点とする2つの紅茶の仲買業者であるウィリアムジャスとハイトンプソン、また老舗の農産物、株式、貨物の仲買業者であるKeells and Waldock Ltd.と合併し、1974年に上場企業となりました。

1991年にスリランカの炭酸飲料・アイスクリームのブランド「エレファント・ハウス」を有するセイロン・コールド・ストーズを買収。
1994年にはスリランカで初の海外上場(ルクセンブルク市場)を果たしています。
1999年には当時国内最大の民間投資となるクイーン・エリザベス埠頭を開発し、コロンボ港に南アジア・ゲートウェイ・ターミナル (SAGT)を設立しています。

現在ではスリランカとモルディブでのホテル・リゾートの運営から、港湾、船舶用燃料、物流サービスの提供、ITソリューション、 スーパーマーケット運営、食品・飲料の製造、株の仲介、お茶の仲介、生命保険、不動産の銀行業務など、あらゆる主要な領域で大きな存在となっています。

一般消費者にはスーパーマーケットの「キールズ・スーパー」、ホテル・リゾート運営会社の「シナモン・ホテルズ&リゾーツ」がよく知られています。
2020年1月に、シナモン・ホテルズ&リゾーツはジェフリーバワ100周年記念事業の一環で「シナモン・ベントタ・ビーチ(旧ベントタ・ビーチ・ホテル)」をリニューアルオープンしています。

グループへの収益には小売事業に次いで、物流事業が貢献しています。

ジョンキールズホールディングスは多くの分野で評価されています。
・フォーブスグローバルマガジン・・・世界のベスト300中小企業
・LMDマガジンの「スリランカで最も尊敬される存在」・・・8回連続第1位
・LMDマガジン(2010/11)のスリランカの主要企業「トップ50」・・・第1位
・Business Today Magazineの「スリランカの上位25社のリスト」・・・第1位

ジョン・キールズ・グループの最近の代表的な案件は、コロンボのスレイブ・アイランドで開発中の「シナモン・ライフ」で、設計はスリランカ出身のロンドン在住の建築構造家セシル・バルモンドが担当しています。

John keells Group(ジョンキールズホールディングスPLC)のホームページはこちらです。

Aitken Spence PLC(エイトケン・スペンス)』

エイトケン・スペンスの歴史は古く、1868年に南部の港町ゴールでトーマス・クラークとパトリック・ゴードン・スペンスが貿易会社「クラーク&スペンス」を創業したのが始まりです。

1876年にロンドンにある世界的な保険市場であるロイズ・オブ・ロンドンのセイロンでの代理店となり、コロンボ・フォートに拠点を移転します(ロイズ・ビルはコロンボ・フォートに現存)
1873年にエドワードとSRエイトケンがクラーク&スペンスに加わり、社名をエイトケン・スペンス&カンパニーと変更します。
1974年、エイトケン・スペンス&カンパニーとして初のホテル「ネプチューン・ホテル(現在のヘリタンス・アーユルヴェーダ)」の設計をジェフリーバワに依頼して、開業します。
1977年、エイトケン・スペンス・トラベルズを創業します。
1981年、エイトケン・スペンス&カンパニー初の5つ星ホテル「トリトン・ホテル(現在のヘリタンス・アフンガッラ)」の設計をジェフリーバワに依頼して、開業します。
1983年、コロンボ株式市場に上場
1983年、モルディブにホテルを開業(スリランカ企業として初の海外でのホテル開業)
1994年、ジェフリーバワの傑作ホテルとして知られる「カンダラ・ホテル(現在のヘリタンス・カンダラ)」を開業。
1996年、スリランカで初めてテーマ性を持ったホテルとして紅茶工場を改装したホテル「ヘリタンス・ティー・ファクトリー」を開業
2002年、地熱発電所の運用を開始
2007年、オマーンでホテルの運営を開始
2013年、フィジーで国際港の運営を開始
2015年、インドのチェンナイにホテルを開業

現在は旅行、海運&物流、投資、サービスの4分野で事業を展開しています。

グループへの収益には旅行事業が43%、投資事業が34%、海運&物流が20%と3番目に貢献しています。

事業を行う国は9カ国(スリランカ、モルディブ、フィジー、バングラディシュ、オマーン、インド、モザンビーク、ミャンマー、南アフリカ)に広がっています。

Aitken Spence PLC(エイトケン・スペンス)のホームページはこちらです。

『Rohan Rodrgio Group(ロハン・ロドリゴ・ホールディングス)』

ロハン・ロドリゴ・グループは、1978年にスリランカ政府と非政府組織への食料品サプライヤーとして創業した「ロハン・ロドリゴ&カンパニー(Rohan Rodrigo&Company)」から始まった企業グループです。

他の4社と違い、ロハン・ロドリゴは一族経営で、ロドリゴ家がディレクターに名を連ねています。

現在は建築、インテリア・デザイン、空調・配管・冷蔵、エネルギー、旅行、フードサプライと事業を多角化させています。

スリランカにおけるコールドチェーンの大手として技術を誇り、現在では民間と公共の両方にサービスを提供しています。

Rohan Rodrgio Group(ロハン・ロドリゴ・ホールディングス)のホームページはこちらです。

まとめ

本記事では、スリランカにおける主要な物流企業についてご紹介しました。

スリランカは東西物流のハブとなりえる、その地理的優位性を語られることが多くありますが、実際にスリランカにある主要な物流企業を知ることで、その一部が見えてきます。

物流に関わっているのは巨大なコングロマリットであるも分かります。

更なる発展が期待されるスリランカの物流企業にこれからも注目していきたいです。

参考)

Expolanka(Wikipedia)
Expolanka Freightのホームページ
Hayleys(Wikipedia)
John Keells Holdings(Wikipedia)
Aitken Spence(Wikipedia)
Melstacorp(Wikipedia)
ジェトロ 物流事情

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