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ラマダン中のムスリムの家庭にホームステイ@カルタラ

2024年6月24日

当日こんにちは!

2~3月でインターンをしていたあやねです。

今回はBritish Councilで出会ったムスリムの友人のご家庭にホームステイしたことについて書いていきます。

British Coucilについての記事はこちら ↓ ↓ ↓

東京校の1/10の価格で英語を学べるブリティッシュカウンシルのコロンボ…

年に一度の※ラマダンの時期にお邪魔させてもらったので、ムスリムならではの文化についても詳しく書いていきたいと思います。

※ラマダン:日の出前の早朝4~5時と日が暮れてからの18時以降のみ食事をとり、日中は断食をするムスリムの風習。毎年1ヶ月程行うが、2024年は3月10日~4月8日となっている。

出会い

前述したように彼女とは私が通っていた語学学校で知り合いました。初めて同じ授業だったときは、グループが違ったため言葉を交わすことはありませんでしたが、2回目に同じ授業に偶然なったとき、同じグループになり、彼女が積極的に私に話しかけてくれ仲良くなりました。初めて話したときから、手を握ってきたり、チークキスをしてきたり、日本では考えられないような距離感の詰め方で最初は戸惑いましたが、そこまで積極的に「私と仲良くしたい!」と意思表示してくるスリランカ人も珍しかったので、それはそれで嬉しく、Whatappでもよくやり取りするようになりました。

彼女が、「ぜひ私の家に遊びに来て!」と言ってくれましたが、最初はラマダン期間に私だけもてなされるのも申し訳ないなという気持ちで行くことを少し渋っていましたが、彼女と彼女のお父さんの熱いオファーもあって、貴重な機会だと思い、ホームステイに行く決意をしました。

駅での再会

ホームステイの前日、彼女と電話で話し、「私の家は車はないから、当日はトゥクトゥクで迎えに行くね」と言われました。たしかにスリランカで車は高価で、すべての家庭に普及しているわけではないのですが、トゥクトゥクで普段移動をし、自家用の乗り物がないのかぁと思い、どんな生活をしているのか一層興味が湧いてきました。

そして当日、コロンボの最も大きい駅、コロンボ・フォート・ステーションから電車で1時間ほどの場所にあるカルタラ・サウス・ステーションで下車をし、彼女と彼女のお父さんの迎えを待ちました。

私はBritish Councilのプログラムを終了し、彼女はラマダン中で日中にBritish Counsilに通うのが体力的に大変で一時的に通っていなかったので、久しぶりの再会となりました。久しぶりに会った彼女はいつも通りの弾ける笑顔で、とても嬉しくなりました。

気になっていたトゥクトゥクは、なんと自家用トゥクトゥク!普段UberやPick meでしかトゥクトゥクを利用しないので、タクシーではなく自家用もあるのか!とそこで初めて知りました。運転してきてくれたお父さんはとても気さくな方で、優しい笑顔の頼れるパパというような雰囲気で素敵な方でした。

ホームステイ先に向かう途中、彼女のおじが経営するモバイル用品のお店により、挨拶をかわしました。ムスリムの人々は大家族ということは聞いたことがありましたが、早速家族が登場し、この街にどれくらいの家族がいるんだろうと気になりました。

ホストファミリーと対面

トゥクトゥクを走らせること15分ほど、ホームステイ先の彼女のお家に到着しました。

ムスリムの人々はムスリムだけでコミュニティーを形成する傾向があり、あまり他の宗教や民族の人々と交わらない生活をしています。これは、ムスリムのラマダン等の特殊な習慣が、どうしても他の民族と生活の時間軸が異なってしまうため、交わりにくくなってしまっているのだと感じます。決して、他の民族を避けているのではないということは、彼女をはじめとするムスリムの人々のフレンドリーな様子からよく分かります。

私がホームステイ先に到着したのは、朝の9時半過ぎで、この時間帯は4~5時の朝食と祈りを終えて、再度眠りについている時間なので、街はとても静かでした。

ホームステイ先の彼女の家に到着すると、お母さんと2人の弟が出迎えてくれました。2回ほどBritish Councilでお会いしたことのあったお母さんに久しぶりに再会できました。2人の弟はとてもシャイボーイで可愛らしかったです。

到着後すぐに朝食を振舞ってくれました。一番奥の料理はストリング・ホッパーという米で作った生地をとろこてんのように専用の器具で押し出してつくった麺をまとめたものを使って、甘く煮詰めたココナッツを包み込んだものです。手前のものも同じストリングホッパーを使って、丸めて揚げて蜜をかけたお菓子です。私のために前日から用意してくれたという朝食はどれも美味しかったです。写真にはおさめ忘れてしまいましたが、彼女の家で採れたキングココナッツを贅沢に使ったジュースもとても美味しかったです。ただ、スリランカの習慣として、フルーツを冷やすということが無いので、生温いフルーツやジュースが多く、日本人の私からすると冷やした方が美味しいんだろうなぁと感じてしまいました。

朝食後は近くに住んでいる彼女のおばの家に遊びに行きました。元気いっぱいの2人の男の子とお転婆な女の子が出迎えてくれました。最初は恥ずかしがっていた女の子もとってもなついてくれて可愛かったです。

一度彼女の家に戻り、昼食をとることに。エビのたっぷり乗ったフライドライス、魚を甘辛く炒めたもの、茄子の炒め物、インゲン豆の炒め物、玉ねぎとバナナの花を炒めて香ばしく仕上げたものを出してくれました。スリランカ料理なのでどれも辛いですが、とっても美味しかったです。スリランカで2か月過ごしたことで、辛さへの耐性が付き、よほど辛くないと「辛っ!」とならなくなりました。

みんなでリッチモンドキャッスルへ

昼食後、彼女と近くに住む先程あったおば、彼女のお父さんとCastleに行きました。ここは由緒あるスリランカのかつての富豪の屋敷だった場所です。今では、景観の良さからウエディングフォトスポットになっていて、私たちが行った日も一組のカップルが写真撮影をしていました。

淡い黄色の美しい屋敷と、緑の映える庭園のコントラストが素晴らしかったです。屋敷の内部はガイドさんが付き一部屋ずつ丁寧に説明してくれました。私自身、建築を学ぶ学生として1か所ずつ丁寧に写真を撮ったり、説明を聞きたいところでしたが、「次はこっちだよ!」と忙しなく引っ張ってくれるので、忙しい見学ではありましたが、歴史ある建築を見れてとてもよかったです。

そしてなんといっても、スリランカ人は写真が大好き!とにかく撮ることが大好きなので、連写か!とツッコミたくなるくらい同じアングルで採ることもしばしば。まだ撮るのか!という感じでしたが、思い出に残る素敵な写真がとれて満足。

彼女のおばは初対面のとき、家の中だったのでブルカはしておらず、出かけるときにはじめてブルカをしているのを見て、当たり前ですが、こんなに外で顔や体を覆っていても中は可愛らしい女性なんだなぁと感じました。

絶景!ベントタのビーチ

リッチモンドキャッスルから帰ってきて、今度は彼女とお父さん、2人の弟とベントタのビーチに行きました。もちろんトゥクトゥクで。基本的にトゥクトゥクの後部座席は3人乗りなので定員オーバー。下の弟が上の弟の膝に座って何とかぎゅうぎゅうになりながら後部座席に4人で乗ること約1時間半。ちょっと長旅で、身体が痛かったですが、そのつらさを忘れるほどの絶景!!波打ち際まで行って、彼女一緒に子どものようにはしゃいで本当に楽しい時間でした。

大家族すぎる!親戚の家、行脚

ビーチに行った後は、彼女の親戚が多く暮らす村に行きました。そこには彼女のおじいちゃんやおばあちゃん、おじ、おば、その子どもたちが沢山住んでいました。彼女の親戚を数えてみると、なんと約30人!しかも日本のように各地に親戚が点在しているのではなく密集して暮らしているのは驚きです。どうしてこんな大家族になるのか。それは、ムスリムの人々はよくいとこ同士で結婚するからです。元々親戚だった同士が結婚し子どもを産み、ということを繰り返していくことで自ずと大家族になっていきます。彼女の両親もいとこ同士で、なんと実家が隣同士なんです。彼女のお父さんは「家が隣同士だから、この窓からジャンプして入ってきたんだよ」なんて可愛い冗談を言っていました(笑)

子どもも沢山いて、みんな見慣れない日本人にとても興味津々で可愛かったです。彼女の弟が移動中に、日本語でdogやcow、aunt、helloの言い方を聞いてきたので、いぬ、うし、あり、こんにちはと教えていたら、トゥクトゥクから村の人に「こんにちは!!!」と叫んだり、道行く人に「いぬ!」と叫んだり、もうめちゃくちゃでしたが、通じないことが唯一の救いでした(笑)

18時を超えて、やっと彼らに食事の時間がやってきました。一気に沢山の量を食べるのではなく、親戚それぞれの家で少しずつみんなで食べるというような感じでした。私はありがたいことに朝食も昼食も頂いていた上に、食べろー!飲め―!をずっと言われるのでお腹がはち切れそうでした(笑)彼らなりのおもてなしとは分かっているものの、いい加減にしてくれ!と言いたくなってしまったのはここだけの話。身体的には大変でしたが、もてなしてくれる気持ちには、心が温まりました。

おやすみなさい

この日は彼女の家の近くに住むおばの家に泊まらせてもらいました。

寝る前に彼女と結婚観や恋愛について話しました。ムスリムの人々は結婚に関して厳格な考えを持っているので、切り込みにくい話ではありましたが、やっぱり万国共通で恋バナは盛り上がりました!異なる文化を背景に持ちながら語る恋バナはとても新鮮でした。日本ではどうしてもムスリムの人々と関わる機会が少なく、ムスリムの人々の生きている価値観に触れることが無いので、共通の話題で盛り上がれたのはとても楽しかったです。

翌朝、爆音のアザーン(ムスリムの礼拝を知らせる呼びかけ)で早朝4時頃起こされるとは知らず、深い眠りにつきました。

また会う日まで

爆音のアザーンや朝食の準備などでバタバタする音で何度も目が覚め、浅い眠りを繰り返し起床しました。

眠い目をこすりながら、別れを惜しみました。最後にお土産として、ストリングホッパー(米粉でできた生地を専用の器具でところてんのように押し出し、麺状にして蒸し固めたもの)とサンボル(削ったココナッツを赤唐辛子と混ぜたふりかけのようなもの)、クッキーを持たせてくれました。Spice upのゲストハウスに着いて、みんなでシェアして美味しく頂きました

日本にいては決して経験できない異文化の生活を味わい、沢山の刺激を受けた一方で、人々の笑顔やホスピタリティはどこに行っても変わらない優しさがあるなと感じました。

家族という共同体が非常に強いつながりを見せるムスリムの世界で家族との不和は、その人の社会的死を意味すると感じ、私にとっては窮屈な世界にも思えましたが、そのつながりの中で幸せに暮らしている家族を見ると、異なる文化の人が安易に文化に優劣を付けたり、あたかも正解があるかのように文化を否定するのは間違っているのではないかと感じました。この経験から、途上国の支援や開発で言われる「文化を尊重して」という文言は、大変重要であり、同時に難しいことだと感じました。

異なる価値観に飛び込むとき、自分の生きてきた環境で構築された「ものさし」を一度取っ払って、向き合うことが大切だと学べた、大変実りある経験となりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 

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