Spice Up 観光情報サイト スリランカ観光・情報サイト

ロータリークラブの奉仕活動に一日密着

2024年12月05日

ロータリークラブの名前を聞いたことはありますか?この記事を読まれている方にはロータリー奨学金という名前やロータリークラブの奉仕活動についてご存じの方もいるかもしれません。今回の記事は、11月23日にアヌラーダプラで行われたロータリークラブの奉仕活動について記事にしました。

ロータリークラブとは

ロータリークラブとは友好と奉仕を志す人々の団体で、地域社会、職場と世界中での奉仕を目的としています。具体的には児童の危機、貧困、飢餓、環境、低識字率、暴力など現代の多くの問題に対応するための地域社会奉仕活動をしています。

  • 理念
    ロータリーは人道的な奉仕を行い、すべての職業において高度の道徳的水準を守ることを奨励し、世界においては親善と平和の確立に寄与することを指向した事業及び専門職務に携わる指導者が世界的に連携した団体です。
  • ロータリーの使命
    職業人と地域社会のリーダーのネットワークを通じて、人びとに奉仕し、高潔さを奨励し、世界理解、親善、平和を推進するることを使命としています。
  • スリランカでの創立
    the Rotary Club of Colomboが最も古く、1929年にガールフェイスホテルでのディナーミーティングで正式に発足し、スリランカ(当時のセイロン)におけるロータリーの基礎を築きました。

今回参加したロータリークラブ

Rotary Club of Colombo Port City(https://www.facebook.com/rcpc3220/
Rotary Club of Anuradhapura(https://www.facebook.com/rotaryanuradhapura/

一日の活動内容

コロンボを早朝の6時に出発し、5時間かけてアヌラーダプラにある目的地の寺院のルワンウェリサーヤ(Ruwanwelisaya)に到着しました。

  • 車いす寄付

    ロータリーの標識と車いす 

ポートシティーロータリー(Rotary Club of Port City)とアヌラーダプラロータリー(Rotary Club of Anuradhapura)との協力のもと、ルワンウェリサーヤを訪れる際に移動が困難な方々を支援するための車椅子を寄付しました。この取り組みは高齢者や身体に障害を持つ礼拝者が安心して参拝できるように、アクセス環境を改善することを目的としています。

住職と職員の方とロータリー会員が集合して写真撮影をしました。

集合写真

お寺のキッチンでお昼ご飯のカレーをいただきました。肉が一切入っておらず、とてもヘルシーで満足できる食事でした。

昼食

ルワンウェリサーヤの住職と面会

昼食のあとは住職と面会し、説法を受けました。
私が日本人大学生であり内戦について調査をしていることを伝えると、住職は当時の内戦状況について事細かに話してくれました。LTTEの一般人への虐殺や日本との関わりが深いジャヤワルダナ大統領についても話してくれました。

 

部屋を退出する際に、ストゥーパのミニチュアをいただきました。


アヌラーダプラでは内紛の爪痕も残っています。1985年5月14日に起きたテロによって一般人への虐殺があり、その後私たちが訪れたジャヤシュリマハボディ(Jaya Sri Maha Bodhi)では同テロで多数の犠牲者が出た場所でもあります。

 

ジャヤシュリマハボディとトゥーパーラーマヤへ参拝
住職と面会後、ジャヤシュリマハボディとトゥーパーラーマヤへ参拝しました。

  • ジャヤシュリマハボディ

インドのブッダガヤでアショーカ王の時代に破壊された菩提樹スリ・マハ菩提樹の南側の枝の挿し木から育った木であると信じられています。この木の下で、釈迦は悟りを開いたとされています。

  • トゥーパーラーマヤ

トゥーパーラーマヤ

アヌラーダプラにあるストゥーパです。このストゥーパには釈迦の舎利(遺骨)が祀られており、釈迦の舎利のコレクションとしては世界最大となっています。このストゥーパは、紀元前140年頃、チョーラ王のエララが戦争で敗れた後にスリランカの王となったシンハラ王ドゥドゥゲムヌによって建立されました。

車いす配布

体が不自由な人に車いすを配布しました。交通事故で身体障害を患った方や、遺伝疾患で生まれつき体が不自由な方などに車いすを寄付しました。私たちが不自由なく日常を享受できることの幸せを考えさせられました。

車いす寄付活動で訪問した家庭

車いす寄付活動で訪問した家庭

 

スリランカの医療格差

スリランカは日本のように国民皆保険制度の仕組みがありません。さらに医療保険制度は法律により強制されないため、会社ごとの保険加入が委ねられます。そのため、地方や貧困地域では医療保険に加入できないために低所得者と高所得者との間で医療アクセスの差(医療格差)が起きています。

  • 公的医療の無償性
    スリランカでは1948年の独立以降、公的医療が無償で提供されています。この無償医療制度は憲法上の権利ではなく、政府方針に基づくもので、全ての国民が平等に利用できます。ただし、医薬品や検査の一部は外部の民間施設で有料の場合があります。
  • 民間医療保険の選択制
    雇用主が従業員に医療保険を提供する義務はありません。民間保険の範囲は契約内容に依存し、標準化されていません。

さいごに

取材を終えてコロンボに到着したのは日付がまわった24日の未明でした。長時間の取材だったものの、日本とは異なる文化や慣習、紛争の影響を知ることができました。今回の取材で最も印象に残っていることが都市と地方の格差です。車いす配布では電球一つで部屋の明かりを照らしている家にお邪魔した際に、私たちが住むコロンボと地方の格差があることを実感しました。

出典

https://www.hnrc.jp/rclub.html

・https://www.ft.lk/news/Rotary-Club-of-Colombo-installs-eminent-legal-professional-Nithi-Murugesu-as-92ndPresident/56-703960

https://en.wikipedia.org/wiki/Anuradhapura_massacre

https://www.hirunews.lk/goldfmnews/58966/ltte-attack-on-jaya-sri-maha-bodhi-marks-28-years

https://en.wikipedia.org/wiki/Jaya_Sri_Maha_Bodhi

https://en.wikipedia.org/wiki/Ruwanwelisaya

https://lmd.lk/rotary-club-of-colombo/

https://www.jetro.go.jp/ext_images/jetro/activities/support/rulemaking/2017lk-2.pdf

# 関連キーワード