シギリヤロック ~あえて登らない観光のすゝめ~
インターンシップ終了まで残り約1週間。スリランカに来たからには、世界遺産・シギリヤロックに行っておかなければ!ということで、滑り込みで観光をしてきた。多くの場合、入場料を支払って頂上に登り、景色を楽しむのがセオリーだ。しかし、私たちはあえて頂上に登らず、周辺のフォトスポットを巡るという新しい楽しみ方をしてきた。そこで今回は、ガイドブックにもほとんど載っていない㊙スポットをご紹介する。
頂上に登らないことになった経緯
コロンボ・フォートからバスに揺られること4時間。小さな村々を抜けると、鬱蒼としたジャングルにそびえ立つシギリヤロックが目に入る。私は特に世界遺産マニアというわけではないのだが、その壮大かつ現実離れした風景には圧倒された。写真で見ていたよりももっと幻想的で、まるでアニメの世界に迷い込んでしまったようだ。
景色に感動しながら写真を撮影していると、トゥクトゥクのドライバー達が声をかけてきた。当初は頂上まで登るつもりだったのだが、ドライバー達の話を聞いてみると、なんとシギリヤロックの頂上までは1200段の階段らしい。入場料$30を払って、1200段の階段を登ると思うと、段々「別に登らなくてもいいのでは…」と思えてきた。ただ、とりあえず入場口には行ってみようということでドライバー達の誘いを断り、道を進んでいく。
ここで、問題発生。入場口までが思った以上に遠かったのだ。しかも、この日は灼熱の太陽の日差しがさんさんと降り注ぐ猛暑日で、歩いているだけで体力を奪われてしまう。この時点で「登らなくてもいい」から「登るのは無理」へと気持ちが変化していた。そんな私たちのもとに1台のトゥクトゥクが。ドライバーに話を聞いてみると、「シギリヤロックとその隣にあるピドゥランガラロック周辺のフォトスポットを回るツアーをしてあげるよ!」とのことだった。ドライバーが見せてくれた写真はどれも絶景で、何より暑かったので、頂上には登らずにトゥクトゥクツアーをすることに決定。このような経緯で、頂上には登らず、新しいシギリヤロックの楽しみ方を経験することになったのだ。
体験レポ
ツアーは、シギリヤロック周辺のお堀沿いをトゥクトゥクで走るところからスタート。お堀沿いには、ワニ・サル・イグアナなどたくさんの動物がいた。予期せずとも、サファリパークにいる気分を味わえて、非常にお得感があった。自分ではどこに動物がいるか全く気づかないのだが、ドライバーがその都度教えてくれるので、走っている間も飽きることがない。
しばらく走って、ツリーハウスの前に止まった。まさかの「登れ!」という指示が飛んできたので、言われるがまま鉄のハシゴを登る。ロープで木にぐるぐる巻きにされただけのハシゴには恐怖を感じたが、何とか登ることができた。
15分ほど林の中を進んだところで再び停車。今度は大きな岩の上に登っていく。振り返ってみると、そこには青い空に浮かぶシギリヤロックの姿が。この日の空が驚くほど綺麗だったこともあり、超絶景写真をたくさん撮影することができた。
その後も何度か停車しつつ走っていると、湖が見えてきた。すると突然パッと視界が開け、湖の向こうにシギリヤロックとピドゥランガラロックが並んで姿を現した。そのワイルドな景色はまるで、アドベンチャーワールドのようだ。このような写真は、普通に観光するだけでは絶対に撮ることができないだろう。
湖沿いを進んでいる途中、なんと牛の群れに遭遇!まさか、こんな至近距離で牛を見られるとは思ってもみなかった。のしのしと歩く牛たちの後に続いて、トゥクトゥクがゆっくりと進む。
次に停車したのは、おそらくPidurangala Royal Cave Templeという古代の仏教寺院。(ツアー終了後、Googleで画像検索してみたので確証なし。)コブラがブッダに覆いかぶさっているような仏像や、古いストゥーパなどを見て回ったが、遺跡は全体的に寂れた雰囲気だった。
金額・所要時間
最初トゥクトゥクに乗車した位置まで戻って、ツアーが終了。所要時間は2時間ほどだった。金額は2人合わせて、破格の1500ルピー。(最初は2人で2000ルピーと言われたが、価格交渉の末1500ルピーになった。)大満足だったので、心ばかりのチップもお渡しした。
最後に
今回私たちを案内してくれたドライバーの夢は、ゲストハウスを開くこと。泊まりに来たお客さんを自分のトゥクトゥクで案内してあげたいのだという。私がまたいつかスリランカを訪れたとき、彼のゲストハウスに泊まってトゥクトゥクで案内してもらう日がくればいいなと思う。
早稲田大学3年生。社会不適合気味のINFP。これまで訪れた国は、アメリカ・韓国・ベトナム・ミャンマーの4か国。9月末~10月末までスリランカでインターンシップを行う。記事ではスリランカのコスメとエンタメを取り上げる予定
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