スリランカ仏教の原点「仏歯寺」の見どころと注意点まとめ
目次
世界遺産キャンディの定番スポット「仏歯寺」
標高465メートルの高地にある、聖地キャンディ。
スリランカ仏教の聖地で、シンハラ人の最後の王都であることから、仏歯寺と王宮建築物を含む町全体が「聖地キャンディ」として世界文化遺産に登録されています。
観光客だけでなくスリランカ人も多く訪れるキャンディ、一番の定番スポットは釈迦(ブッダ)の歯が納められている仏歯寺です。
そこで今回は、仏歯寺をより楽しむための豆知識、注意点をご紹介します。
仏歯寺の歴史
では、そもそも仏歯寺はいつから存在していたのでしょうか。
仏歯はもともとインドにありました。
その後、4世紀にインドのカリンガ王国の王が戦争を起こした敵国から仏歯を守るため、スリランカのシンハラ王朝、アヌラーダプラにもたらされたと言われます。
仏歯の保護は王権の責任でした。
それゆえ、仏歯の所持・保護は王国の権威を象徴するようになったのです。
その後、仏歯は王都の遷移と共に移動し、仏歯寺はそのたびに王の住居の近くに建てられ、仏歯を祀りました。
現在は、シンハラ王朝最後の王国の旧王都、キャンディの仏歯寺に安置されています。
仏歯寺のある場所
仏歯寺はキャンディレイクの北側、Queen’s Hotelの向かいにあります。
キャンディの鉄道駅から歩いて20分ほど、バスの後車場所からは歩いて15分ほどの場所です。
キャンディには仏歯寺以外にも見どころがたくさん。こちらの記事で紹介しています。
プジャーの時間は何時?
仏歯寺では、毎日3回プジャーというお祈りが行われ、仏歯の納められた金色の舎利容器を拝めます。
時間は5:30am、9:30am、6:30pmです。
1回のお祈りは1時間半ほど。
この時間には舎利容器が安置される2階まで行列ができます。
1階ではラッパと太鼓の演奏が鳴り響き、2階まで上がれない人はここで参拝することが可能。
2階では、いつもは閉じられている祭壇の扉が開き、仏歯の納められた舎利容器を見れます。
仏歯寺入場の流れ
では、仏歯寺に入る際の流れについてご説明します。
服装のチェック
入り口は男性用と女性用に分かれていて、寺院を訪れるのにふさわしい服装をしているかチェックされます。
チェックされるといっても係員にちらっと見られるだけです。
しかし、ノースリーブや短パンを着用しているとNG。
タオルを買って巻くことを求められる場合もあるので、羽織るものを持って行く、短パンをはかないように注意しましょう。
チケットの購入
入り口をくぐると、一本道の先に仏歯寺が見えます。
仏歯寺に向かって左側に多く人が並んでいますが、
まずはチケットを購入しに右側の道を行きます。
勘違いして先に左へ行き靴を預けてしまうと、筆者のように裸足でチケットを買いに走ることになります。
チケットは券売機で購入できます。
係員さんがいるのでわからないことがあれば教えてくれます。
料金は1500ルピー、約900円です。
靴を預ける
次に仏歯寺正面から向かって左側へ行き、もう一度服装をチェックされた後に靴を預けます。
その後、返却時のための番号の書かれたカードを渡されます。
寺院内は靴なしで歩かなければいけないので、足の裏が結構汚れます。
靴下も脱いでおくか汚れてもいい靴下をはく、サンダルで行く、足の裏を拭くウェットシートを持参する、などの対策をすると安心です。
また、靴を返却してもらうときはお金を請求されます。
(詳しくは後述します。)
献花の購入(任意)
いよいよ仏歯寺入場です。
チケットを確認される入場口では、献花の購入もできます。
7,8房のお花が段ボール紙にのって、1つ100ルピーです。
後で献花する場所があるので、買っておいても良いでしょう。
八角形のシンハラ建築「八角堂」
仏歯寺の象徴的な建物である八角堂。
仏歯寺の写真では、この建物が映っていることが多いですよね。
八角堂はキャンディレイクの設計・建築もしたといわれる、王家の建築家によって1802年に建てられました。
こちらは、王が仏歯を人々に開示する際や演説をする際に使われたといわれています。
現在は図書館として使用されています。
象牙が飾られたお堂へ
お堀を渡ると「ペラヘラ祭り」の様子が描かれたトンネルを通ります。
「ペラヘラ」はスリランカ各地で行われる行進のお祭りで、キャンディでエサラ月(7~8月頃)に行われる「エサラ・ペラヘラ」が最大のものです。
https://spiceup.lk/kandy-perahera-festival/
先に行くと美しく装飾された通路を通ります。
ここは象が通れる高さになっています。
ここを通ると、お堂が見えます。
ここには象牙が飾られています。
次に2階へ続きます。
この祭壇に仏歯が納められており、1日3回、プジャーの時に扉が開かれて、仏歯が入った鐘のような形をしている金色の舎利容器を見ることができます。
ここでは多くの人が祈りを捧げており、厳粛な雰囲気。
入り口で買った献花はここでお供えできます。
2階から下る途中には祭壇があります。
中には、「pallemale viharaya」と呼ばれる、岩を削った仏陀の坐像があるそう。
仏歯伝来の歴史を伝える絵巻
1階に降りると中庭に出て、仏旗や花、仏画で彩られた建物を目にします。
ここを通り過ぎると、仏歯伝来の歴史を伝える絵が20枚以上飾られた場所があり、絵には英語での説明もつけられています。
絵画では、インドから仏歯がもたらされた経緯やスリランカでの仏歯の遷移、イギリス植民地時代のペラヘラの禁止から、仏歯寺の現在についてまで描かれています。
仏教博物館
仏歯寺の裏には、世界中の仏教信仰国の仏教文化を紹介する、仏教博物館(「The Museum of World Buddhism」)があります。
ここでは、仏教の起源から、各国の仏教の紹介がかなり幅広く展示されています。
各国の展示物や仏教的建築物のレプリカ、信仰する人々の様子などから、仏教信仰の違いと共通点を見て取ることも。
展示の説明文(英語)は量が多く、全部見ようと思うとかなり時間がかかりますが見応えがあります。
展示ルートの最後には日本のコーナーもあります。
仏歯寺の入場券で仏教博物館も見学可能です。
仏教博物館だけを見学する場合は1人500ルピー(約320円)。
建物の中にはお土産ショップもあります。
【名前】仏教博物館(「The Museum of World Buddhism」)
【開館時間】9:00 ~ 19:00 日曜日は休館
【住所】Hemamali Mawatha, Kandy
【料金】仏歯寺の見学料金に含まれている。別途の場合は 500ルピー/約320円
仏歯寺観光の注意点!
人気観光地だけあって、仏歯寺を観光する際はいくつかの注意点があります。
ガイドの詐欺
仏歯寺の敷地内にいると、こっちにも見るものがあるんだよ!と仏歯寺の本堂以外を案内しようとスリランカ人が声をかけてくることも。
親切心からやってくれているのかと思って話を聞いていたら、後からガイド代としてお金を請求してくることがあります。
安易について行かないように注意しましょう。
靴預けに払うチップ
仏歯寺に入る前はカウンターに靴を預けます。
見学が終了して靴を返してもらう際、チップを渡すのがスマートです。
気持ちなので、20ルピーなどで十分です。小銭を用意しておきましょう。
写真撮影について
仏歯内での写真撮影は禁止されてはいませんが、仏像や神聖な場所に背を向けての撮影は、お祈りをしている方々に不快な思いをさせてしまいます。
撮影の際は気をつけましょう。
まとめ
仏歯寺は、キャンディが聖地と呼ばれる所以の1つである、スリランカ仏教徒にとって神聖な場所。
敷地内に入るとその存在感がよりいっそう大きく感じられます。
寺院内や敷地内は、広く見所満載です。
キャンディを訪れたら、聖地のシンボル「仏歯寺」へ、ぜひ足を運んでみてください。
【名前】仏歯寺(Temple of the Tooth Relic)
【住所】Sri Dalada Veediya, Kandy 20000
【開館時間】5:30 ~ 20:00
【入場料】1500ルピー
【献花料】100ルピー
【プジャーの時間】5:30am、9:30am、6:30pm
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神戸市外国語大学国際関係学科4年生。スリランカのご飯と陽気な人とビーチと列車が好き!マイブームは自炊と砂肝。
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