シンハラ語3-4 野菜の名前
本記事ではシンハラ語の野菜=එළවලළු(エラワル)の名前を学びます。
芋類・根菜類

アンデス山脈が原産のジャガイモを「アラ」といい、日本語の「芋」のように、なんちゃらアラがいくつかあります。
里芋が「キリアラ」というのは面白いなと思います。
確かに芋の中はキリ(乳)のように白いですよね。
里芋は東南アジア原産ですので、おそらくジャガイモよりも先にスリランカに伝播したのではないかと思います。
ジャガイモを「アラ」もしくは「アルターパル」と二つの呼び名があるのは、最初にアルターパルと呼んでいて、ジャガイモがポピューラになったことで、芋類の中心になって「アラ」と呼ばれるようになったのではないかと思います。
ジャガイモはスパイス料理との相性が良いからでしょう。
日本には、オランダ領東インドの首都バタビア(現在のジャガルタ)を経由して入ってきたため、ジャガタラ芋、ジャガイモと呼ばれたものの、肉を食べてなかった江戸時代の日本ではジャガイモは不人気。
一方で、メキシコ原産のさつま芋は甘味があるので、薩摩など日本の南西部で人気となり広まります。
明治になって肉食文化が広がるとともに、肉と相性の良いジャガイモが日本でも人気を獲得していったようですが、シンハラ語ではさつま芋には、「アラ」が当てられておらず、「バタラ」という名前になっています。
日本語で「赤かぶ」とも呼ぶビートルートをシンハラ語では「赤い芋」こと「ラトゥアラ」というようです。
レンコンが「蓮の芋」で「ネルンアラ」というのが、また面白いです。
地名や建築が好きな私は、ネルンポクナと関連づけて覚えました。
キャッサバは、「マンニョーッカー」あるいは、「マンニョーッカーアラ」と呼ばれます。
アフガニスタン原産とされるニンジンは、英語のcarrotの発音に似ています。
葉菜類

葉菜類には、「葉」と「緑」を意味する「コラ」がつく仲間たちがいます。
野菜の名前=その野菜を使ったカレー(スパイスを使った料理)のスリランカにおいて、スパイスで味付けせずに野菜を食べるヨーロッパ人のサラダは、スリランカ人にとって衝撃的だったのかもしれません。
サラダでも目立ったのが、葉が大きい地中海原産のレタスだったので、「サラーダコラ」になったのかもしれません。
ヤセイカンランの変種であるキャベツとカリフラワーに、「ゴーワー」の名が付けられています。
キャベツが「ゴーワー」で、カリフラワーは「花のようなゴーワー」で「マルゴーワー」と言います。
ちなみに、きのこにも花を意味る「マル」が付けられていて、「ビンマル」と言います。
たしかに花に見えます。
今回参照した二つのシンハラ語教材では、ともにカリフラワーは載っていましたが、ブロッコリーが載っていませんでした。
カリフラワーは、「スドゥマルゴーワー」とも記載されていましたので、緑色のブロッコリーは「コラマルゴーワー」というのかもしれません。
一方で、バナナの花は、ケセルマルとは言わずに「ケセルムワ」です。
「ムワ」は顔を意味する「ムフナ」が由来だそうです。
カリフラワーやキノコのように上に向かって開いていないので、花の名前が当てられていないのかもしれません。
瓜、豆類

瓜や豆には名前に共通する要素は見つけられませんでした。
古くからスリランカで食されていたのかもしれません。
豆は穀物ですが、スリランカではおかず的な位置付けですので、野菜に加えました。
その他の野菜

インド東部が原産とされるナス
アフリカ北東部が原産とされるオラク
中国西部、中央アジア北部が原産とされるネギ
アンデス山脈が原産とされるトマト
などもスリランカでよく見ます。
トウモロコシは穀物であり、メキシコでは主食ですが、スリランカでは主食及び穀物ポジションはお米が占めていますので、野菜のページに記載しました。
参照)
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
新着記事
-
スリランカのサイクロン影響と最新状況|観光・鉄道【12月4日・随時更新...
スリランカを襲ったサイクロンにより発生した洪水・地滑りで、犠牲になられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、御遺族に対し謹んでお悔やみを申し上げます。被害に遭われた方々の早期の御快復をお祈りし、心よりお見舞い申し上げます。 …
2025年12月01日 -
スパイスアップスリランカ【デジタル版】|vol.19 アルガムベイ特集
目次1 スリランカ唯一の日本語情報誌『スパイスアップ・スリランカ』デジタル版を公開!2 2025年10月発行 vol.19「アジア屈指のサーフスポット 東海岸アルガムベイ」特集号2.1 vol.19目次3 vol.19デ…
2025年11月20日 -
ウナワトゥナのブティックホテル「Sergeant House」|ゴール...
スリランカ南海岸・ウナワトゥナのブティックホテル「Sergeant House(サージェント ハウス)」は、19世紀の邸宅を改装したプライベートな隠れ家。風の通るテラス、緑に包まれたプール、そしてわずか5室の上質な客室が…
2025年11月03日
