アジア最古のゴルフ場「ヌワラエリヤゴルフクラブ」は本当か?
旅行ガイドブックやインターネットでは「ヌワラエリヤゴルフクラブは1889年に完成したアジア最古のゴルフ場」と説明されていることがあります。
ところが、他にもアジア最古を謳うゴルフ場がいくつかあります。
そこで、本記事ではアジアにある歴史が長いゴルフ場について紹介しします。
アジア最古のゴルフ場はどこ?
「ヌワラエリヤゴルフクラブ」あるいは「ヌワラエリヤ ゴルフ場」などと調べると上記の情報が出てきます。
一方で、「アジア 最古 ゴルフ場」と検索すると、同じく1889年に完成した香港ゴルフクラブが出てきます。
英語で「oldest golf club in Asia」と検索すると、1829年に始まったロイヤル・カルカッタ・ゴルフ・クラブが出てきます。
英語で検索してみると、どうやら、イギリスがスリランカよりも早く拠点を築いたインドには、ヌワラエリヤゴルフクラブよりも歴史の長いゴルフ場がいくつかあるようです。
開業年を並べると以下のようになります。
1829年、インドのロイヤル・カルカッタ・ゴルフ・クラブ
1850年、インドのティルバナンタプーラム・ゴルフ・クラブ
1876年、インドのジョルハート・ジムカハーナ・ゴルフ・クラブ
1876年、インドのバンガロール・ゴルフ・クラブ
1886年、インドのマドラス・ジムカハーナ・ゴルフ・クラブ
1888年、インドのデイグボイ・ゴルフ・リンクス
1889年、スリランカのヌワラエリヤ・ゴルフ・クラブ
1889年、香港の香港・ゴルフ・クラブ
1892年、インドのコダイカナル・ゴルフ・クラブ
1895年、インドのトリーガンジ・クラブ
1905年、フィリピンのイロイロ・ゴルフ・アンド・カントリー・クラブ

ヌワラエリヤゴルフ場はアジア最古ではない?
ゴルフの聖地となっている世界最古とも言われるのは、スコットランドの「セント・アンドリュース・オールドコース」です。
ヌワラエリヤの開拓には、スコットランドから来た人が多く、ヌワラエリヤゴルフクラブも、スコットランド王立連隊ハイランダーズの兵士たちによって作られたようです。
イギリス東インド会社の主要拠点であったインドのカルカッタにアジア最古のゴルフクラブが作られたというのは、自然に想像がつきます。
イギリス東インド会社がマドラスに要塞を建設し始めたのが1639年。
ボンベイを手に入れたのがポルトガル王女キャサリン・オブ・ブラガンザがチャールズ2世に嫁いだ1661年。
イギリス東インド会社が後に主要拠点とするカルカッタに要塞を建設し始めたのが1702年。
イギリスがスリランカ全島を支配することになる第二次キャンディ・イギリス戦争があったのは1815年。
ネット上で確認できる情報が正確かどうかは分かりかねますが、イギリスのインド支配とスリランカ支配の時系列を見ると、スリランカよりもインドで先にゴルフ場が作られている可能性は高いでしょう。
日本語でいう「アジア最古」にはヌワラエリヤゴルフクラブは当てはまらなそうですが、ヌワラエリヤゴルフクラブの公式サイトには「one of the oldest golf club in Asia」と書いてあり、これには当てはまりそうです。
スリランカの人たちは自分の国が大好きで、「スリランカが一番だ!」とスリランカを旅行中の私に話してくれることがあります。
スリランカを楽しみに来ているわけですので、「スリランカが最高!」というお話を聞くのは気分が良いものですよね!
ヌワラエリヤのゴルフクラブについても、その長い歴史を誇りに思っているスリランカの人たちは、説明してくれる時に、ちょっと勢い余って「アジアで最古」と言ってしまうこともあるでしょう。
誰でも話している時に盛ってしまうことはありますよね!?
ちなみに、「アジア最古」でフィリピンのイロイロ・ゴルフ・コース・アンド・カントリー・クラブが出てくる場合もありますが、それはフィリピン最古のゴルフクラブのことでしょう。
ヌワラエリヤもスリランカ最古のゴルフクラブですので、似たような話だと思います。
ということで、ヌワラエリヤのゴルフクラブは、おそらくアジア最古ではなさそうですが、ヌワラエリヤのゴルフ場が歴史があり、素晴らしい場所であることに変わりはありません!
スリランカの高地の涼しい気候の中で、町の中心地にある、絶好のロケーションで、是非ゴルフを楽しんでみてください。


参考)
ウィキペディア:ヌワラ・エリヤ・ゴルフクラブ
Wikipedia:Nuwara Eliya Golf Club
Nuwara Eliya Golf Club Official Site
The Royal Calcutta Golf Club Official Site
Wikipedia:Royal Calcutta Golf Club
Wikipedia:List of golf courses in India
Hong Kong Golf Club Official Site
Wikipedia:Hong Kong Golf Club
EXPLORE ILOILO:Iloilo Golf Course and Country Club
Wikipedia:Iloilo Golf and Country Club
ウィキペディア:イギリス東インド会社
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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