油彩画家の女性経営者が建設した山上リゾート「ランドホリーリゾート(Randholee Resorts & Spa)」
キャンディ郊外のハンターナ山には、山上の立地を活かした素敵なリゾートが多くありますが、本記事ではその中からランドホリーリゾート(Randholee Resorts & Spa)を紹介します。
目次
セーナーナーヤカ家とフロイデンベルク社
ホテルの運営会社は、海運代理店「フロイデンベルク・シッピング・エージェンシーズ(Freudenberg Shipping Agencies)のホテル運営会社として設立された「フロイデンベルク・レジャー(Freudenberg Leisure)」です。
フロイデンベルク社を設立したのは、初代セイロン首相ドン・ステファン・セーナーナーヤカの次男ロバート・パラークラマ・セーナーナーヤカです。
フロイデンベルクの名は、初代駐セイロンのドイツ総領事フィリップ・フロイデンベルク氏に由来します。
フロイデンベルク社の前会社長は、設立者ロバート・パラークラマ・セーナーナーヤカの三男であるランジット・セーナーナーヤカさんです。
フロイデンベルク社の現会長は、ランジット・セーナーナーヤカさんの妻スワニタ・セーナーナーヤカさんです。
スワニタさんが、ホテル運営会社「フロイデンベルク・レジャー」を設立し、ホテル事業に進出しています。
スワニタさんは、セイロン初代首相のドン・ステファン・セーナーナーヤカの兄ドン・チャールズ・セーナーナーヤカの孫に当たる人でもあります。
スワニタさんは、油彩画家としても知られ、ランドホリーリゾート内にはスワニタさんの作品が展示されています。
運営する3つのホテル
フロイデンベルク・レジャーは3つのホテルを経営しています。
ヌワラエリヤにある「ザ・フィアーズ(The Firs)」は、初代駐セイロンのドイツ総領事フィリップ・フロイデンベルク氏が建設したバンガローでした。後に初代セイロン首相ドン・ステファン・セーナーナーヤカが所有し、現在は改装されてブティックホテルとなっています。
コロンボにあるブティックホテル「エレンズ・プレイス(Ellan’s Place)」は、初代セイロン首相の兄フレドリック・リチャード・セーナーナーヤカの妻エレン・アッティガーッラ(Ellen Attygalle)が専属医師のために建てた家でした。
今回紹介するハンターナにある「ランドホリーリゾーツ&スパ」は、新しく建設されて2007年に開業しています。
セーナーナーヤカ家とは?
フロイデンベルク社の現会長と前会長は、いとこ婚であり、セーナーナーヤカさんがたくさん出てきて混乱しますので、以下に整理します。
セーナーナーヤカ家が躍進したのは、黒鉛の採掘で財を成したドン・スパター・セーナーナーヤカ(Don Spater Senanayake)に始まります。
ドン・スパターには3人の息子がいました。
長男がドン・ステファン・セーナーナーヤカ(フロイデンベルク社の現会長の祖父)
次男がフレドリック・リチャード・セーナーナーヤカ(日本大使館がある通りの名前になっている独立運動家)
三男がドン・ステファン・セーナーナーヤカ(セイロン初代首相)
セイロン2代目首相が初代首相の長男ダッドリー・シェルトン・セーナーナーヤカです。
現首相のラニル・ウィクラマシンハ氏、ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ氏、セイロン3代目首相ジョーン・コタラーワラ氏も親族関係があります。
参考)
Freudenberg Leisure公式サイト
The Senanayakes:Suwanitha Senanayake
The Senanayakes:Ranjit Senanayake
Sri Lankan Sinhalese Family Genealogy:SENANAYAKE Families – Family #3001
Wikipedia:Senanayake Family
Daily FT:State Minister Senanayake hands over historical Freudenberg book to AHK Sri Lanka
SUNDAY OBSERVER:The unforgettable Senanayake family
ハンターナの山上
ランドホリーリゾートがあるのは、ハンターナのペーラーデニヤ寄りです。
ハンターナは道が入り組んでいて行き止まりがあり、グーグルマップの案内通りに進めない場合があります。
また、ドライバーさんも道を知らないことがあります。途中で迷っても山の上のためネット環境も良くないため、何度か困ったことがあります。
それは私が仕事でハンターナ山上にあるホテルを何軒も回るからですが、道が入り組んでいるとはいえ、何本か主要な道がありますので、それを真っ直ぐ登ると迷わず来れます。
ランドホリーリゾートへの道は、バスも通る「Heeressagala Road」を登っていけば、入口付近に着きます。
Heeressagala Roadは、キャンディロード(国道1号線)と並行して走るAB42号線の伸びている道です。
鉄道のRandles Hill駅付近にある交差点「Heeressagala Junction」から運河を渡って、ハンターナの山上に向かって続いています。
私はハンターナの山上からの景色が好きで、道路からの景色も素敵なので、景色が堪能できるトゥクトゥクで登っていくのが好きです。
坂はかなりキツイため、徒歩で登るのは少し大変ですが、徒歩で下るのは良い散歩になります。
ハンターナの山上まで迎えに来てくれるトゥクトゥクはそこまで多くなく、時間もかかり、道に迷ったりしますので、車をチャーターしていない場合は山の麓まで歩くのもいいでしょう。
ゲートと庭
バス通りから脇道を入っていくとゲートがあります。
ゲートからはかなり急な下坂になっていて、坂の下が車寄せになっています。
ゲートからエントランスにかけて右手側に庭園が続いていて歩道もあります。
車寄せで車を降りて、エレベーターあるいは階段で下に降りると、レセプションがあります。
レセプション
階段を降りると、レセプションデスクがあります。
その奥にラウンジがあり、壁にはオーナーのスワニタ・セーナーナーヤカさんによるものと思われる絵が飾られています。
山上の景色を活かした背の高い建物
レセプションに隣接してダイニングがあり、その先にプールが見えます。
山上のインフィニティープール
このホテルの魅力の一つが、このキャンディの街を見渡す景色が楽しめるインフィニティープールです!
山上から見渡す景色が素晴らしいです。
プール脇の庭からも景色が楽しめます。
客室
客室はスタンダードルーム、デラックスマウンテンルーム、スーパーデラックスルーム、スイートルームがありますが、宿泊したスイートルームと見学したスーパーデラックスルームについて紹介します。
デラックスマウンテンルーム
主な客室はプールを見下ろす位置に立つ連結された3棟の上階にあります。
デラックスマウンテンルームのベランダからは、山上の景色が楽しめます。
バスルームには、バスタブがあります。
スイートルーム
スイートルームは別館にあるため、レセプションから1つ上の階に登り、エントランスに戻ります。
エントランスからガーデンを通って別館に向かいます。
別館も本館のように背の高い建物になっています。
スイートルームは最上階にありますが、途中の階にはラウンジがあります。
スイートはルームは、広いベットルームが特徴的です。
スイートルームはバスルームの屋外にジャグジーがあります。
夜は青く光るライトがつき、ジャングジーが外に浮かび上がっているように見えます。
夕日の時間が綺麗だそうですが、他の取材でその時間に入れませんでしたので、夜明けに景色を見てみましたが、キャンディの町が見えます。
明るくなると、以下のようになります。(残念ながら曇り空ですが)
食事
スイートルームに泊めてもらって、ディナーも用意してもらっていたのですが、別の取引先のオーナーさんに会食に誘われてしまい、こちらで夕食をいただき損ねてしまいました。また宿泊した際にアップデートしたいと思います。
朝食
朝食はテーブルに料理を持ってきてくれました。
バー
ジム
スイートルームがある別館のグランドフロアーにジムがあります。
スカッシュコートと卓球台
それぞれホテルのどこにあるのか確認し忘れてしまいましたが、スカッシュコートと卓球台があるようです。
ともにスリランカでは珍しいですが、特にスカッシュコートは特段珍しいと思います。
スパ
ホテル名にある通り、スパ施設もあります。
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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