スリランカでのインターンを終えて
目次
自己紹介
私は22歳の文系の大学生です。 趣味は色々ありますが、最近はスキーや写真が好きです。 お笑い芸人の人がしている、ものまねを見るのも好きです。声をあげて笑うほどではないけど、口角が一ミリ上がるくらいのものが好きです。 3年の後期から1年間休学し、そのうち2ヶ月間はスリランカでインターンをしていました。なぜインターンに参加したのか?
私は高校生の頃から、大学では休学して、海外に長期で行ってみたいと思っていました。 しかし、一口に”海外に行く”と言っても、交換留学、私費留学、語学留学、海外一人旅、海外インターン、ボランティアなど、数多くの選択肢がありますが、 そのなかでもインターンを選んだことには、大きな理由がひとつあります。就活という壁
いちばん最初に休学を始めた際は、スリランカはもとより、海外インターンに行くことすら全く想像していませんでした。 もともとは自分が大学で専攻している分野の関係で、中東のとある国に1年弱まるまる留学しようと考えていたのですが、 前々から申請していた留学ビザが、休学後になってもなかなかおりず、 「休学したのにこれはまずい!」と焦り始め、 まず始めにオーストラリアの農家でお手伝いしながら居候させてもらえる家庭を見つけて1か月程滞在し、その後フィリピンで英語の語学留学をしに行きました。
オーストラリアで

フィリピン

スリランカの犬
やりたいことは見つかったか
そしてインターンを終えた今、結果的に「これだ!」と思えるような何かに出会えたかと言うと、正直のところそうとは言えません。
スリランカで色々なことに取り組み、貴重な体験もたくさんさせてもらい、大きな刺激を受けましたが、自分のやりたいことはやっぱりよく分からないというのが現状です。
休学して人生で初めて外国に長期滞在し、始めは何か新しい自分に出会ったような気になりますが、慣れてくると、やっぱり自分は自分で、考えることも話すことも、どこに行っても大して変わらないなあと思います。
ただ、スリランカで気づいたことがあるのも事実で、
自分の中にぼんやりと存在していた、「将来的に海外で働いてみたい」という気持ちがより現実的なイメージになったということがその一つです。
海外で自分の知らない社会や価値観に触れるのは本当に面白いですし、外国語を通してその国の人と意思疎通することの楽しさも再認識できたと思います。
月並みな感想ですが、海外に行って新しい場所に足を踏み入れるたびに、自分が知っていた世界の狭さに驚かされます。
スリランカでよくみられる、「チューンパーン(=音楽パン)」。 ”エリーゼのために”か”小さな世界”を鳴らしながら、トゥクトゥクでパンを売っています。
また、スリランカ日本人会や商工会などのイベントを通してお会いした現地の日本人の方々や、ゲストハウスに泊まりに来る様々なバッググラウンドを持った方々との交流を通して、
自分が考えていたより将来の選択肢は狭くないし、日本で悩んでいたほど就活で頭をいっぱいにする必要もないのではないかと思うようにもなりました。
スリランカから帰国し、就活を再度始めるなかで、以前よりは俯瞰して自分の働くイメージをもてるようになったのは大きな変化ではないかと感じます。さらに、仕事の面からは、今回の記事やリール動画の作成を通じて、自分がもともと興味のあったクリエイティブ系の業務における、楽しさや大変さを少しですが実感し、将来の方向性を決めるヒントになった気がします。
自分がやってみたいネタが思いついたときや、それを自分がやりたいように作り上げていく際のワクワク感や充実感がある一方、やりたいネタが切れたり、コンテンツ作成のモチベーションがなくなってしまうことを想像すると、怖い仕事だなとも思いました。
やりたいことは明確には見つからなかったと冒頭で述べましたが、上記のような小さな気づきはいくつもあり、スリランカから帰ったあとも、自分のやりたいことの方向性は日々、少しずつ地味に、アップデートされていっています。
就活イベント、本、友達の話、ふと観たテレビ、インターン、など日常の様々なものから、スリランカ帰国後も志向が何となく明確になってきている気がするので、大切なのは場所だけではなく、見つけようとする意識だなーと、感じています。
そして、やりたいことは急に見つかるというよりは、色んなことをやってみて、段々形成されていくものだよな、とも改めて思いました。 まだまだ進路は未定なので、これからも引き続き考えて行こうと思います。
コロンボの夜景とピザとバナナチップス
インターンの内容
さてここからは、実際のインターンの生活について詳しく紹介していこうと思います。 インターンに来る際、私はライターとして働くことを選びました。Spice Upのウェブサイトに載せるための記事を書く仕事です。 そして、途中からはインスタグラムで投稿するためのリール動画も並行して作り始めました。 基本的にここでは、他の人から何かを指示されたり教えてもらって働くのではなく、インターン生が自らの興味や志向、スキルに合わせて自分でやることを考えるという内容だったので、完全に自分が作りたいもの、興味があるものについて作っていました。 逆にいうと、やりたいことや作りたいものが自分の中でなければ、インターンに来ても何もすることがなくなってしまうのかもしれません。 とはいえ、神谷さんはたくさんアドバイスや知識、情報を教えてくださいますし、私自身、神谷さんに教えていただいたことからやりたいことを思いつくことが多かったです。 私の場合はスーパーのお菓子について調べたり、国内を旅行して旅行記を書いたり、スリランカ人のファッションスナップをするなどしましたが、自分が興味があることについてやらせてもらえるというのは、かなりよかったなと感じています。
コロンボの海
到着してからの2週間のこと
私がスリランカに到着したのは夜7時ごろで、手配してくださったタクシーで空港からコロンボにあるゲストハウスに向かいました。 到着翌日は、初めての南アジアに若干ビビりながらも、神谷さんにコロンボを案内してもらったり、トゥクトゥクやバスの乗り方を教えてもらったりしました。 それからは早速記事を書いたり、取材に行き始めたのですが、 実は4日目からは神谷さんと可菜さんが日本に2週間程帰国することが決まっており、自分以外のインターン生もいなかったので、ここからはスリランカでの1人暮らしが始まりました。 (私は大学も実家通いなので、しれっと人生初1人暮らしでした!) この期間は、1人で自由なのはいいけれど少し寂しいなと思い、近くの英語学校に通いだしたり、それに平行していくつか記事を書く生活を送っていました。
語学学校で出会った同い年の女の子と、ケーキを食べに行きました。
インターン中の生活
1日の流れ
仕事の時間は、月~金の9:00‐18:00です。朝にミーティングをして、その日1日の予定をそれぞれ共有し、夕方のミーティングでその日に行ったことを報告します。 大体朝8時頃に起床して、ミーティング後9:45くらいから記事を書いたりリール動画の編集をし、お腹が空いたら昼ご飯を食べ、午後はどこかに取材に行ったり、通っていた英語の語学学校に行ったりしていました。夕方のミーティング後は夜ご飯を食べた後、ぼーっとしたり他の用事を行う日もあれば、記事の続きを書く日もあるという流れです。 基本的に自分の行動はそれぞれで決め、何かを指示されることはないので就業時間にはそこまでとらわれていない気がしました。また、時々神谷さんが出席するイベントなどに同行させてもらう機会もありました。
スリランカには日本語がプリントされた車もよく走っていますが、これはおもしろ謎日本語シリーズのひとつです。このような日本語シールの生産工場も近くにあるようなので、行ってみたいですね。
ゲストハウス
スパイスアップのインターン生は、他に自分で住む場所を探さない限り、基本的に神谷さんが運営するオフィス兼ゲストハウスで他のインターン生と共に生活しています。 私はこのゲストハウスで、神谷さんや、他のインターン生と一緒に生活していました。時々、一般の日本人の方もここに泊まりに来られます。 寝る場所は2段ベッドで、掛け布団はなかったので、私のように”掛け布団がないと落ち着つかない!”という人はブランケットを持っていくことをお勧めします。自分は睡眠の環境によって眠れないことがあるため、渡航前は心配していましたが、意外とすぐに慣れることができました。もしも共同生活が合わないことがあっても、近くにエアビーなどを借りて生活すればよいと思います。 また、ゲストハウスにはキッチンや冷蔵庫、調理用具、洗濯機、洗濯干し台など、必要なものは基本的にそろっていたので、人数によっては多少譲り合って使う必要があるかもしれませんが、生活は快適に送ることができました。スリランカでの食事面
振り返ってみると、ほぼ毎日カレーを食べていた気がします。始めは特にスリランカカレーに特別な感情はなかったのですが、せっかくスリランカにいるし、値段が100-200円程度と安く、野菜も入っていて健康的そうだからと、そんな理由で毎日スリランカカレーを食べ続け、気づけばスリランカカレーの虜になっていました。 さらに、スリランカのカレーだけでは飽き足らず、神谷さんに教えてもらったのをきっかけに、タミル料理のミールスというベジタリアンカレーやドーサなども食べ始め、完全にカレーのファンと化した2か月だったと思います。
チキンのライス&カレー。チキンの周りにあるのは、オクラ、ゴトゥコラという野菜、ビーツ、ダール(レンズ豆)のカレー。スリランカでのカレーはスパイス煮込みや炒め料理全般のことで、ご飯の上に数種類のカレーをのせて食べます。油分も少なく胃はもたれにくいですが、ローカルレストランでは1人分の量が山盛りで出てくるので、何度か胃腸が不安定になりました。食べる量には気をつけないといけないですね。

タミル料理。南インドを象徴する料理で、右上がミールスと呼ばれる菜食カレーの定食。下にあるのがドーサという、米と豆から作られたクレープのような料理です。

マーケットのパイナップル。青果はスーパーよりも安く新鮮なものを買えることが多いです。
~思い出~
最後に、これまでのスリランカ生活を通して、特に印象的だったことについていくつかご紹介しようと思います。速すぎる田舎のローカルバス
コロンボではバスは毎日のように乗っていましたが、一度旅行に行った際に、ローカルバスを使って4時間スリランカの田舎地域を移動しました。
このバスの車内ではミラーボールがまわり、音楽もガンガンかかり、テレビでは謎のダンス動画が流れているというところにも驚いたのですが、それ以上に印象に残ったのがバスのスピードの速さです。
民家があり、バスがギリギリ通れる程度の道幅の一車線道路を、あり得ないほどの高速スピードで走り抜けて行き、バスの窓から入ってくる風圧の強さのあまり、呼吸が困難なほどでした。
4時間乗り終えたあとは髪の毛や顔に排気ガスや砂がまとわりつき、バスにただ座っていただけなのに、何かを達成した感がすごかったです。
しかし、バスドライバーさんの運転スキルには脱帽です。
人
コロンボで街を歩いていて話しかけてくるのは9割が悪い人(自分調べ)なので、初めはスリランカ人のことを警戒していたのですが、少し長く過ごしていると、人々のフレンドリーさというか、無邪気さのような性質に目がいくようになりました。
レストランの店員さんやお店のおじさんが一緒に写真撮ろうよと言ってきたり、トゥクトゥクの運転手のおじさんは妙にハイテンションで、”I am your father!, We are family!”と言ってきたり、お菓子屋さんで店番の子供たちにおすすめのビスケットを聞くと色んなビスケットをもってきて一生懸命紹介してくれたり、あるスリランカ人の少女はメッセージアプリで頼んでもいない自撮り写真を毎日送ってきたり、
南国や発展途上国特有の雰囲気なのか分かりませんが、スリランカ人はたしかに”日本人にない何か”があり、この堅苦しくなさを好きになりました。
宗教
スリランカは国民の7割が仏教徒とされる仏教国で、空港や街中、トゥクトゥク、バスなど、至る所に仏像が置かれています。 仏像ひとつひとつにも個性があり、点滅するライトが背後に設置された派手なものや、象牙で装飾されたもの、トゥクトゥク用にはミニサイズのものなど、レパートリーも豊富で、質素目な雰囲気の日本とは違う仏像たちが面白かったです。 また、仏教徒だけではなく、イスラム教やヒンドゥー教、キリスト教徒などもたくさんおり、スーパーに行くとオレンジ色の袈裟を着た人もいればムスリムのヒジャブやチャドルを身に着けた人もいて、街を歩いてもモスクやヒンドゥー寺院があり、日々スリランカの宗教多様性を実感しました。 このような国に来たことで、信仰というものがそれほど表立って存在せず、時には宗教が怪しいものとさえ捉えられる日本の今の社会を改めて客観的に認識する機会となり、興味深かったです。
まとめ
実はもともとは3ヵ月弱滞在するつもりだったところ、ビザ規定の突然の変更により、最終的には2ヶ月滞在になってしまいました。 そのことが分かったのはビザが切れる直前のことで、思ったよりも時間に余裕がなくなってしまい、まだまだやり残したことや、行き残したカレー屋さんもあるのですが、それらはまた今度スリランカに行くときまで温めておこうと思います。 ほんの少し前まで何も知らなかったスリランカ。まさか自分がスリランカに来てインターンをするなんて頭の片隅にもありませんでしたが、今ではスリランカで出会った人、場所、ものが頭に鮮明に焼き付いていて、何だか不思議な気分です。 この2か月間は私にとって、新しい文化や生き方と出会う機会になり、多くの刺激をもらいました。 そして神谷さん、可菜さん、他のインターン生をはじめとする多くの素敵な方々に囲まれていたおかげで、素晴らしい時間を過ごすことができました。みなさんには感謝の気持ちしかありません。本当にありがとうございました! そしてこれからもSpice Upの記事を楽しみにしています!大学生です。スリランカでインターンをしています。
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