5年ぶりに盆踊り大会がスリランカで開催
2022年12月10日にマハラガマのNational Youth Centerで盆踊り大会が開催されました。
2017年7月15日に開催されて以来、5年ぶりの開催でした。
本記事では簡単に2022年盆踊り大会について紹介します。
目次
盆踊り大会とは?
スリランカ日本人会の沿革史を参照すると、2006年から2017年まで毎年7月に実施されてきたようです。
2016年は7月1日に起きた「ダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件」を鑑み中止されています。
2017年実施の盆踊りには多くのスリランカ人が参加し、それが運営を担当する日本人会理事には負担だったことから、企画や運営の体制について検討がされ、2018年は実施を見送っています。
2019年は4月21日に起きた「スリランカ連続爆破テロ事件」のため、再度見送られました。
2020年、2021年は新型コロナウイルスのため、開催されませんでした。
2022年は例年の開催月の7月は、スリランカでは経済危機のため、ガソリンなどの燃料不足が大きな問題になっていた時期でした。
7月から遅れること5か月、5年5か月ぶりに盆踊りが開催されました。
2017年度の日本人会理事会の方針とは異なり、2022年度の日本人会理事会ではスリランカ人も歓迎する形で運営されることになったと伺っています。
2022年はスリランカと日本の国交樹立70周年にあたる節目の年でもあります。
参照)
日本人会沿革史
会場となった「National Youth Centre」
盆踊りの開催にあたり、東京・代々木のオリンピックセンターのような「National Youth Centre」を運営するNational Youth Service Councilが協力してくれることになり、2013年の会場「Shalika Ground(コロンボ5)」、2014年〜2017年の会場「Moor Sports Club Ground(コロンボ2)」ではなく、マハラガマの「National Youth Centre」で開催されています。
主催は在スリランカ日本大使館、スリランカ日本人会、National Youth Service Councilとなっています。
また、2015年12月にマハラガマに開校し、2022年6月に4年制の大学としてスリランカ政府に承認されたLanka Nippon Biztech Institute(LNBT)が日本人学校と共に協力に名を連ね、スリランカ人学生の多くが参加したようです。
LNBTは武蔵小杉に本社があるメタテクノのスリランカ法人「Metatechno Lanka Company」が設立した学校です。
LNBTの学長は、鈴鹿国際大学の学長補佐、名城大学外国語学部の初代学部長・名誉教授などを歴任したアーナンダ・クマーラ氏で、盆踊り当日にもお越しになられていました。
国道4号線沿いの入口は、提灯で彩られ、「ようこそ」と掲げられていました。
センター棟が並ぶ広い敷地をしばらく奥まで歩き、階段を降りていくと、左手に雨天時の会場となる体育館、正面にグランドがあり、グランドの中央に櫓が組まれていました。
参照)
メタテクノ:子会社であるスリランカの高等教育機関LNBTIが4年制の大学としてスリランカ政府に承認されました
伊勢新聞:元鈴鹿大学長補佐のクマーラ氏 スリランカで学長就任 日本向けIT人材育成 三重
櫓を囲む日本食レストランの屋台
グランドの周囲には、入口側から「くふ楽」「銀座芳せん」「The Sushi Bar Samurai」「日本ばし」「和(Yamato)」「Sri Lanka Youth」と日本食の屋台が並んでいました。
折り紙作品の展示
スリランカの人たちが作った折り紙作品を展示する屋台もありました。
当日のプログラム
開会式
浴衣姿の水越大使からのご挨拶。
盆踊り(炭坑節、東京音頭)
日本人学校生徒が中心になって櫓に登って盆踊りを披露。
櫓の手前でも、円になって盆踊り。
日本人学校生徒によるソーラン節
スリランカ人学生による空手演武
土砂降りの雨が降ってしまったため、会場がグランドの櫓から、体育館の舞台上に変更になりました。
ずらっと並んでの型、組手、瓦割りならぬ板割りが披露されました。
スリランカ舞踊
後ろで和太鼓を叩きながらも、スリランカ舞踊が披露されました。
奄美島唄歌手の牧岡奈美さんと指宿桃子さんによるライブ演奏
外務省の協力によって、スリランカにいらした奄美島唄歌手のお二人によるパフォーマンス。
牧岡さんは今回が初めての海外だそうです。
牧岡さんは奄美群島の喜界島出身で、指宿さんは奄美大島出身。
奄美島唄は、沖縄島唄に似ているのかと思ったら、披露された最初の2曲は沖縄よりも日本本土の三味線に近いように思いました。
3曲目に披露された牧岡さんのオリジナル曲は、「涙そうそう」や「さとうきび畑」を想起するような沖縄の歌のようでした。
4曲目は奄美の宴会で最後に演奏されて、みんなで踊るというリズムを刻む三線と太鼓が印象的な曲でした。
スリランカ和太鼓クラブによる演奏
後ろに和太鼓、前にスリランカ太鼓という体制で太鼓の演奏が披露されました。
和太鼓よりも、スリランカ太鼓が主役の演奏でした。
最後にもう一度盆踊り
舞台で円を作って、舞台下で列を作って、最後にもう一度盆踊り!
まずは炭坑節。
東京音頭を踊ってお開きとなりました。
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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