世界でも、スリランカでも増える中国人観光客 | スリランカ観光情報サイト Spice Up(スパイスアップ)
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世界でも、スリランカでも増える中国人観光客

2020年6月02日

世界最大の観光客の送り出し国は中国ですが、スリランカでも近年、中国人観光客は急激に増えています。
ところがスリランカを訪れる主要12カ国の中で中国1カ国のみ、特殊な推移を描いています。
そこで、本記事ではスリランカにおける中国人観光客について、データを元に紹介していきます。

世界を旅する新たな観光客「中国人観光客」

中国のアウトバンドの市場規模

中国からのアウトバウンド観光客数は2019年には1.6億人となり、日本人の総人口を超えています。
中国は14億人の人口ですので、10%超の人が出国していることになります。

日本人の出国者数総数は2019年で2,008万人で総人口の16%ほどです。
中国の個人外国旅行は2000年代から認可され、中国人の出国数はさらに増えてることが予想されます。

世界最大の観光客送り出し国の中国

世界観光機関(UNWTO)と中国旅行研究員(Chinese Tourism Academy)が発表している2019年のデータでは中国人は世界の旅行産業で最もお金を使っている人たちです。
2位のアメリカとの差は2倍弱と圧倒的です。

世界旅行機構、Chinese Tourism Academyの2019年レポートからスパイスアップで作成

中国人観光客が訪れる国トップ10

中国人が多く訪れている国はタイ、日本、ベトナム、韓国などの周辺国やアメリカ、東南アジア、ロシアです。
南アジアの国は一国も入っていません。

世界旅行機構、Chinese Tourism Academyの2019年レポートからスパイスアップで作成

スリランカに訪れる外国人観光客数

スリランカのインバウンド市場

スリランカにおける中国人観光客について見ていく前に、スリランカのインバウンド市場を見ていきましょう。
スリランカを訪れた外国人観光客数は2018年は2009年の内戦終結後に急激に増加し、2009年から2018年までの9年間で5.2倍以上に増えています。

2019年はオフシーズンの5月から10月までの半年間にビザ無償化プログラムを実施し、インバウンドで250万人以上を獲得しようとしていましたが、2019年は4月21日の連続爆破テロの影響で2016年よりも低い人数に後退しています。

スリランカ観光開発局のデータからスパイスアップで作成

スリランカを訪れるトップ5カ国

スリランカを訪れる国の上位5カ国(2019年)はインド、イギリス、中国、ドイツ、オーストラリアです。
スリランカ内戦終了後にトップ10に複数回入っている、2019年のトップ12カ国(上記の加えて、フランス、ロシア、アメリカ、モルディブ、カナダ、オランダ、日本)の中でも、1カ国だけ特殊な推移をしているのが中国です。

以下のグラフは見やすいようにトップ12カ国ではなく、トップ5カ国にしてあります。

スリランカ観光開発局のレポートからスパイスアップが作成

中国以外の11カ国(このグラフでは4カ国)はテロの影響があった2019年以外は概ね、段階的な増加傾向にあります。
一方で中国は急増している期間と停滞している期間があります。

中国は2012年まで日本(2019年では12位)よりも少ない状態でした。
それが2013年から急増しています。
これは戦争終結後の復興支援も中国が積極的に行ったことによる影響と思われます。

2009年にスリランカは内戦を終結させていますが、その際、タミル人が多い北部地域への攻撃で人権問題があるとして、アメリカ、インド、ヨーロッパ諸国はスリランカ政府への軍事支援を停止します。
そんな中、軍事支援をしたのが中国でした。
終戦後も引き続き、復興、経済支援をしたのが中国でした。

しかし、中国人観光客数は2016年をピークにわずかながらの減少傾向にあります。
親中路線を取ったマヒンダ・ラージャパクサ政権が2015年1月の選挙で敗北し、シリセーナ政権に移行した影響によるものと思われます。

中国の主なスリランカへの支援

中国観光客の急増が始まる2013年までの、中国からスリランカへの復興支援や両国の関係を強化する動きを簡単にまとめると以下のようになります。
中国が多数の支援をしたことが分かるかと思います。

2010年
・ハンバントタ港の一期工事が完成
・マータラ・ハンバントタ国際空港への中国による支援が決定
・北部道路修復事業への中国による支援が決定
・コロンボ=マータラ鉄道事業への中国による支援が決定

2011年
・コロンボ国際金融街の埋め立て工事がスタート
・ネルン・ポクナ・マヒンダ・ラジャ パクサ国立劇場の完成
・中国国際放送局によるラジオ放送を開始
・中国語を中心にした教育機関である孔子学院がケラニヤ大学内に開校。
・ピンナドゥワ=コダゴダ間高速道路への中国による支援が決定
・コダゴダ=ゴダガマ間高速道路 への中国による支援が決定
・マナー道路修復への中国による支援が決定

2012年
・スリランカ政府は世界遺産「ゴール・フォート」内の海洋考古学博物館に鄭和の特別展示を作ることを発表
・中国がスリランカに対する最大の二国間援助供与国となる(中国:10億5600万ドル、インド:7億ドル、日本:5億2300万 ドルの順)。2009年までスリランカに対する最大の二国間援助供与国は日本であった。

2013年
・マッタラ・ラージャパクサ国際空港が完成
・コロンボ 港の南ターミナルが完成
・バンダラナイケ国際会議場の改修が完了
・コロンボ~バンダラナイケ国際空港間の高速道路が開通 

スリランカの中国人観光客の誘致策

政権や国家間の経済支援による影響を受ける中国人観光客ですが、マーケットとして大きいことに変わりはありません。
スリランカ観光局は2018年に中国人誘致計画を打ち出しています。

スリランカの各地方の魅力発信

これまで中国観光客が訪問する場所としてはコロンボが中心でした。
それをスリランカ各地に広げることを掲げています。

中国語対応の強化

民間レベルでは中国語の看板、表記を増やすことをしています。
2017年、2018年頃にコロンボでも中国語表記が実際に増えています。

また、各社の従業員への中国語の教育をしていくとのことです。
ジュエリーショップを訪れると、年配のスタッフは日本語が話せることが多いですが、若手では中国語が話せる人の割合が少しずつ増えてきています。

官の取り組みとしては、警察官をはじめとする公務員への中国語教育の推進していくとされています。

マーケティングプラットフォームの開設

スリランカ観光局はWECHATのアカウントを開設し、情報発信を開始しています。
また、スリランカ観光局は“go兰卡”というオフィシャルサイトも立ち上げています。

中国国内での積極的な活動

中国での旅行展示会への出展、メディアとのタイアップ、中国人インフルエンサーとの連携を計画しているそうです。
また、中国本土だけではなく、中華系人口の多いインドネシアやシンガポールも視野に入れているのが特徴的です。

中国人からみたスリランカ観光の改善点

在スリランカ中国大使の程学源氏が中国人側からみたスリランカ観光の改善点を指摘しています。

中国語対応

これはスリランカ観光局と同じ問題意識ですね。

中華レストランの不足

日本人やヨーロッパ人は現地の食事にも興味を持ちますが、中国人やインド人は外国に行っても自国の料理を食べる傾向にあります。
実際にコロンボでは、中国人団体客を乗せた大型バスが中華料理店に、インド人団体客を乗せた大型バスがインド料理店に止まる様子をよく見かけます。

飲食店経営者から聞いた話では、大きな駐車場を持っている中華料理店は団体旅行を扱う旅行会社からの送客が期待できるため、売上が良いそうです。

コロンボには多くの中華レストランはありますが、地方にいくとやはり数に限りがあります。
主要観光地での中華レストラン、あるいは大型ホテルでの中華料理の提供が一つのポイントになるかもしれません。

アルコール類、たばこ類の持ち込み

スリランカではアルコール類、たばこ類の持ち込みが制限されています。
中国人旅行客としては、普段から味わい慣れているアルコール類、たばこ類を旅行先にも持ち込みたいそうです。

中国人が最も訪れている国であるタイの国家旅行局はそれを理解していて、うまく対応しているそうです。

まとめ

本記事の作成にあたり、私自身も中国人がスリランカの観光業に期待しているという実情に多く触れることができました。
旅行ライター、メディア運営をしている若手起業家などが、WECHATやWEIBOでスリランカの観光情報を発信しているのを見かけました。
現在のコロナウィルス禍において、中国マーケットは世界に先駆けて正常化に向かう可能性があります。
一方でVR技術などを用いた旅行体験が中国で発達するにつれ、スリランカ旅行のオンラインプロモーションが発達していくかもしれません。

参照)
世界旅行機構(UNWTO)国際旅行ハイライト2019年版
UNWTO / China Tourism Academy:Guidelines for success in the Chinese Outbound Tourism Market
スリランカ観光開発局2019年12月統計レポート
スリランカ観光開発局年間統計レポート
【図解】2019年の日本人出国者数総計、初の2000万人突破、前年比6%増(直近10年間の推移グラフ付き)
斯里兰卡免除中国等国游客入境签证费
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