コロンボ最大の客室数を誇る最高級ホテル「シャングリラコロンボ」
2017年11月にオープンしたシャングラコロンボ(Shangri-La Colombo)はコロンボ最大の客室数と、コロンボ最大の柱のないボールルームを有しています。
コロンボ最大のショッピングモール「ワンゴールフェイスモール(One Galle Face Mall)」とも連結されており、コロンボの最高級ホテル群の中でも頭一つ抜けている存在と言えます。
本記事ではシャングリラコロンボについて紹介します。
シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツとは?
シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツは、ジョホールバルの客家系の家庭に生まれたロバート・クオック(郭欽鑑/Kuok Keng Kang)氏が創業したグローバルホテルチェーンです。
ロバート・クオック氏はフォーブスの1996年度版~2024年度版の長者番付でマレーシア人で1位。
28年連続で1位を継続しています。純資産は推定115億ドル。現在100歳です。
ロバート・クオック氏はマレーシアでの砂糖事業で財を成し、そして香港でのホテル事業で世界展開を行ったことから、「マレーシアの砂糖王」、「香港のホテル王」とも称されます。
マレーシア本社のクオック・ブラザーズ、シンガポール本社のクオック・シンガポール、香港本社のケリー・ホールディングスの3つの持ち株会社を経営しています。
マレーシア本社のクオック・ブラザーズの傘下に、世界最大のパーム油加工会社であるウィルマー・インターナショナルを保有しています。
ロバート・クオック氏は父親が亡くなった翌年の1949年に兄弟・従兄弟とクオック・ブラザーズを創業。1959年に砂糖の精製事業を開始し、マレーシア国内シェア約80%、世界シェア約10%となり、「アジアの砂糖王」と呼ばれるようになります。
1971年にマレーシアのデベロッパーを通じてシンガポールの土地を取得し、初めてのホテルとなるシャングリ・ラ・ホテルを開業。シャングリ・ラの名は、イギリスの作家ジェームズ・ヒルトンが1933年に出版した小説『失われた地平線』に登場する理想郷「シャングリ・ラ」から取られています。
1977年に香港に土地を取得し、2軒目のホテルとなるカオルーン シャングリ・ラを建設。この年にロバート・クオック氏は香港に移住しています。
世界に100軒以上のホテルを展開するシャングリ・ラ・ホテルズ&リゾーツは、香港本社のケリー・ホールディングス傘下です。
シャングリ・ラ・コロンボの概要
ゴールフェイス1番地にあった陸軍司令部の跡地開発プロジェクト「ワン・ゴール・フェイス」は、ホテル棟、オフィス棟、2つのレジデンス棟、各棟を繋ぐショッピングモールからなる巨大プロジェクトです。その中でもいち早くオープンしたのがホテルのシャングリラ・コロンボです。
2016年6月にハンバントタに開業したシャングリ・ラ ハンバントタ ゴルフ リゾート&スパに次ぐ、スリランカ国内2つのシャングリラホテルであり、シャングリ・ラ ホテルチェーンの世界101軒目のホテルです。
客室数はコロンボ最大となる500室を有し、2,000人以上を収容できる大宴会場、41室のサービスアパートメントもあります。
ホテルの設計を担当したのは、シンガポールのCKTAN ARCHITECT。CKTAN ARCHITECTはシャングリラ・シンガポール、シャングリラ・モルディブ、シャングリラ・ハンバントータなどシャングリラホテルの設計を数多く手掛けている建築設計事務所です。
客室、共用部、ミーティングルーム、スパを設計したのは同じくシャングリラのホテルのインテリアを多く手掛けているシンガポールのデザイン事務所LTW Designworksです。
5つのレストランを設計したのは、日本のBOND DESIGN STUDIOです。BOND DESIGN STUDIOはシャングリラ・シンガポール、シャングリラ・ジャカルタ、シャングリラ・アモイで賞を受賞するなど、シャングリラホテルでの実績があります。アマン初のペストリーショップ「ラ・パティスリー by アマン東京」も手掛けています。
BOND DESIGN STUDIOのCEO庭田良一氏は、ニューヨークのミッドタウンブルワリーレストランでプラチナA’デザイン賞を受賞しています。
エントランスには香港のアーティストMan Fung-Yi氏による象のオブジェが置かれています。
ワンゴールフェイスプロジェクトのうち、丘が形成されて高くなっている部分にホテルは立っています。そのため、ホテルのロビーに行くにはショッピングモールの一階からはスロープ、あるいは階段を登っていきます。
ホテルとショッピングモールは繋がっていますが、ホテルのロビーフロアーとショッピングモールの2階が繋がっています。ロビーの奥(エレベーターやエスカレーターがある)は丘の下になっているため、ロビーフロアーは2階であり、1階(グランドフロアー)に宴会場やコワーキングスペースがあります。
ショッピングモールと連結
ロビーがあるレベル2と、メインレストランのあるレベル3からショッピングモールに出ることができます。
客室
デラックス
部屋の広さ:42㎡
レイクビューの部屋とオーシャンビューの部屋があります。今回見学したのはレイクビューの部屋です。
ベイラ湖とその先に広がるコロンボの街並みが窓から見えます。
一番手頃なカテゴリーのデラックスにもバスタブがあります。
プレミア
部屋の広さはデラックスと同じ42㎡。デラックスとの違いはバルコニーが付いていること。
海側と湖側の2つの部屋タイプがあり、レイク・シティービューの部屋がプレミア・バルコニー、オーシャンビューの部屋がプレミア・オーシャンビューです。
ホライゾン・クラブ
部屋の広さはデラックスと同じ42㎡。です。
ホライゾン・クラブの部屋はホライゾンクラブラウンジがある最上階にあります。上の写真はクラブラウンジの写真です。
ホライゾン・クラブの部屋もレイク・シティービューのHorizon Club Lake Viewと、オーシャンビューのHorizon Club Ocean Viewの2つタイプあります。
スイートルーム
エグゼクティブ・スイーツ、スペシャルティ・スイーツ、シャングリラ・スイーツの3つのスイートがあります。
エグゼクティブ・スイーツの広さは84㎡でデラックスの2部屋分。
スペシャルティ・スイーツの広さは126㎡でデラックスの3部屋分。
シャングリラ・スイーツの広さは210㎡でデラックスの5部屋分。
エグゼクティブ・スイーツ
スペシャリティ・スイーツ
今回見学させてもらったのはスペシャリティ・スイーツです。
ベット横の窓からはポートシティーが見えます。
ベットの足元側にはソファーとデスクがあります。カーテンを開けて写真を撮れば良かったのですが、窓の先はインド洋が広がっています。
バスルームのベット側にバスタブがあります。
バスタブの正面にトイレとシャワーブースがあります。
入口とバスルームの間にクローゼットがあります。
入口すぐ左手にもう一つのトイレがあります。
シャングリラ・スイーツ
コネクティングルーム
2部屋を繋げての利用は「エグゼクティブ・スイーツとプレミア・オーシャンルーム」の連結と、「デラックス・レイクビューの2部屋」の連結の2パターンがあります。
ダイニング
オールダイニング「Central」
24時間営業のメインレストラン。
28席の個室があり、奥には38席の個室があります。個室ですが、ビュッフェ形式のオールダイニングレストランのため、セルフサービスで料理や飲み物を取りに行く形式です。
ペストリー・カフェ「Central Cafe」
オールダイニングのCentralのショッピングモール側は、ショッピングモールと扉で繋がっていて、カフェになっています。
こちらはビッフェではなく、コーヒーやペーストリーなどを単品ずつ注文が可能です。
ショッピングモール側から入るには手荷物チェックを受ける必要があります。ショッピングモールに入るにも手荷物チェックを受けるので、しっかりと管理されています。
中華レストラン「Shang Place」
営業時間は 12:00〜15:00、18:30〜23:00。
個室は2つあります。
一つ目の個室は入口近くにあります。12人掛けの円卓と、8人掛けのソファー席があります。
もう一つの個室は店舗の一番奥にあります。
こちらも12人掛けです。
セットメニューは4コースあり、それぞれ最低4人から注文が可能です。
バー&グリル「Capital Bar & Grill」
営業時間は18:30〜23:00。
入口を入ると、バーエリアがあります。
奥に行くとレストランエリアが2つあります。上の写真は2つ目のレストランエリアです。
一番奥まで行くと、個室があります。テーブルのセッティングは8名になっていましたが、最大12人まで利用できるそうです。
個室を利用するには15万ルピー以上の注文が必要とのことでした。
バー「Tiki Bar」
営業時間は水曜日〜日曜日の17:00〜24:00
シャングリラコロンボの開業時は、コンテンポラリースリランカ料理のキャーマスートラが入っていた場所です。
ラウンジ「Sapphyr Lounge」
営業時間は7:00〜24:00。
アフタヌーンティーの会場もこちらです。
バイオリンなどクラシカルな生演奏が日々行われています。
プールとプールバー
プールの営業時間は6:00~21:00。
プールバーの営業時間は11:00-19:00です。
コワーキングスペース「Connect」
月曜〜金曜の営業時間は8:00〜20:00。
土曜日の営業時間は8:00〜18:00。
日曜日はお休みです。
1日の利用料金が1,500ルピーですが、カフェで900ルピー分の飲食物を注文できるので、実質的な場所代はわずか600ルピーです。
2人掛けの半個室、4人掛けのソファー席の個室がいくつかあります。
個室のミーティングルームは7つあります。
個室の料金は1時間3250ルピー。
4時間パックは1万ルピー。
終日利用は1万8000ルピー。
宴会場
シャングリラ・ボールルーム
シャングリラ・ボールルーム(Shangri-La Ballroom)はコロンボ最大の柱のないボールルームで1580㎡の広さがあります。
着席形式で1500人、シアター形式で2100人まで収容可能。
ロータス・ボールルーム
上の写真はロータス・ボールルーム(Lotus Ballroom)の廊下部分の写真です。
部屋の広さは470㎡。
着席のディナーパーティーで400人、立食のカクテルパーティーで600人を収容可能。
ザ・ローン(屋外イベントスペース)
屋外イベントスペースのザ・ローン(The Lawn)は、着席のディナーパーティーで420人、立食のカクテルパーティーで750人を収容可能。
参考)
Wikipedia:Shangri-La Colombo
Wikipedia:One Galle Face
SPACE:SHANGRI-LA HOTEL, COLOMBO INTRODUCING A NEW LEVEL OF LUXURY IN COLOMBO
Lanka Business Online:Shangri-La Hotel Colombo declared open by President & PM
ASIA INFONET.COM:フォーブス長者番付、クオック氏がマレーシア人1位を堅持
The complete list of world’s billionaires 1996
ニッセイ基礎研究所:アセアンにおける華人・華人企業経営(2)-アセアンにおける華人企業グループの形成・発展-
Bloomberg:歴史にもまれた89歳実業家、「長生き理想郷」を世界に広げる
ウィキペディア:シャングリラ
CKTAN ARCHITECT公式サイト
LTW Designworks公式サイト
BOND DESIGN STUDIO公式サイト
商店建築:シャングリ・ラ ホテル コロンボ
Discover Japan:アマン初のペストリーショップ《ラ・パティスリー by アマン東京 温かな光に包まれた空間デザイン。
A’ DESIGN AWARD & COMPETITION:Midtown Restaurant Brewery Bar by Ryoichi Niwata
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
# 関連キーワード
新着記事
-
スリランカの食文化に見る多様性とヴィーガン事情
スリランカに滞在して約2か月半、この国の食文化の多様性に驚かされています。その背景には、仏教、ヒンズー教、イスラム教といった多様な宗教が影響していると感じます。宗教ごとに異なる食の規律が存在し、それが食の選択肢を豊かにし…
2024年11月23日 -
“スリランカにおける現代ファッションを徹底調査”
年間を通して高温多湿の南国、自然豊かで「インド洋の真珠」とも呼ばれるスリランカ。日本とは全く異なる気候に住むスリランカの人々が普段どのような服を着ているのか、どのような服を好むのか知っていますか? 欧米諸国の人々のファッ…
2024年11月14日 -
世界遺産ゴール・フォートの中にある“好立地”ホテル「The Fort ...
私は今回、世界遺産ゴール・フォートの旧市街の中にあるホテル「The Fort House」に宿泊してきました。 ゴールには数多くの宿泊施設がありますが、世界遺産である旧市街の中にあり、散策しやすい場所にある「The Fo…
2024年11月13日