シンハラ語3-9 お米・米料理の名前
本記事では、お米に関する言葉を学びます。
生米と炊いた米

生米は「サハル」あるいは「ハル」と言います。
炊いた米を「バトゥ」と言います。
シンハラ語では、炊く、茹でる、とはともに「タンバナワー」と言います。
スリランカではお米は「湯取り法」という、お米を茹でてから調理しますでの、タンバナワーでいいのかもしれません。
ちなみに、野菜のナスと発音が似ているため、私が「ナス」と言ったつもりが「米」と聞き間違えられることがあります。
意識せずに、”トゥ”と発音すると、米になってしまうようです。
ナスの場合は、舌先を上歯の付け根より奥につけて、”バトゥ”と発音するか、ナスは”ワンバトゥ”ともいうので、ワンバトゥというのもいいでしょう。
お米の種類

スリランカのスーパーマーケットに行くと、いくつもの種類のお米が並んでいます。
スリランカに戻ったら、各お米の名前と特徴を改めてまとめたいと思いますが、今は一部だけ紹介します。
スリランカのご飯屋さんやホテルのビッフェでは、白いお米と赤いお米が並んでいるのを目にします。
また、米粉から作るインディアーッパ(英語名:String Hopper)でも、白いものと赤いものが並んでいることがあります。
それぞれ「ケクル」という種類のお米の白いもの「スドゥ・ケクル」と、赤いもの「ラトゥ・ケクル」のようです。
参考)
Wikipedia:Traditional rice of Sri Lanka
Wikipedia:Samba (rice)
Wikipedia:Basmati
米料理の名前

炊いたお米は、「バトゥ」でしたね。
カハ(ターメリック)を入れたお米は、「カハ・バトゥ(英語名:Yellow Rice)」と言います。
ポル・キリ(ココナッツ・ミルク)を入れたお米は、「キリ・バトゥ(英語名:Milk Rice)」です。
エランギ・テル(ギー)を入れたお米は、「エランギ・テル・バトゥ(英語名:Ghee Rice)」です。
乳牛は「エラ・ハラカー」で、乳牛のミルクを「エラ・キリ」と学びましたが、
乳牛からのミルクから作ったギーを「エランギ・テル」と呼ぶのでしょう。
「テル」は油の意味です。
「ポル・テル」は、ココナッツオイル。
「アム・テル」は、生の油、つまり原油のことです。
「ボラ・テル」は、ねっとりした油、つまり重油のことです。
テルに入れるを意味する動詞「ダーナワー」を足して、油を入れる=炒める「テルダナワー」
油で炒めた料理は、動詞ダーナワーの完了形「ダーラー」を足して、油が入っている=「テルダーラー」と言います。
インゲンを炒めた料理は「ボーンチ・テルダーラー」
シカクマメを炒めた料理は「ダンバラ・テルダーラー」
空芯菜を炒めた料理は「カンクン・テルダーラー」
今回は炊く・煮る・茹でる=タンバナワー、炒める=テルダーナワー、と動詞も合わせて紹介しましたが、動詞については単元5で学びます。
現在は単元2=名詞 について学んでいます。
単元1=文字
単元2=名詞
単元3=数詞
単元4=形容詞
単元5=動詞
単元6=副詞
単元7=助詞
と順番に学んでいきます。
外から持ち込まれた米料理の名前

ビリヤーニ
ビリヤーニはムスリムの料理で、インド、パキスタン、バングラディシュ、スリランカなどでポピュラーな料理です。
1948年にインドに併合されたニザーム藩王国の都として栄えたハイデラバードのビリヤニが特に有名です。
北インドでは、アワド藩王国の都として栄えたラクナウのビリヤニが知られています。
ハイデラバード料理から影響を受けたマイソール藩王国の都マイソールにはタヒリビリヤニが、
アワド藩王国がイギリスにイギリス領インドに併合された後に、最後の君主が暮らしたコルカタには、コルカタビリヤニが有名なようです。
いずれにしろ、ムスリムの料理であることが分かります。
スリランカでもムスリムの家ではお祝い事がある日などにビリヤーニを作っています。
ムスリムの料理なので、チキンビリヤーニ、あるいはマトンビリヤーニが多いです。
ランプライス
ランププライスは、オランダ東インド会社が占領したジャワ島の料理レンパーが元になっていると言われています。
レンパーはもち米・魚・肉などをバナナの葉で包んだ料理で、スナック的な位置付けです。
これをスリランカの沿岸部を占領したオランダ東インド会社の人たちが持ち込み、スリランカ人女性と結婚して生まれたオランダバーガー人たちが、スリランカの食材で生み出したのがランプライスのようです。
昔はレンパーのように一つが小さく、バナナの葉で包んだスパイシーおにぎりのようなもので、贅沢にチキン・ビーフ・マトンの3つの肉を入れて調理されたそうです。
現在では、ちょっと贅沢なライス&カリーの位置付けです。
ベーカリーや小さな食堂でライス&カリーを注文するときは、野菜のカレーにプラスして、メインとなるカレーをチキン・ポーク・ビーフ・マトン(ヤギ)・フィッシュ・ベジタブル(つまり、なし)から選びます。
これが、ランプライスの場合は、ベースとなるものがシーニーサンボル、ナスモジュ、フィッシュミニコロッケ、ゆで揚げ卵など野菜以外のおかずも入ったものがベースとなって、メインとなるカレーをチキン・ポーク・ビーフ・マトン(ヤギ)・フィッシュ・ベジタンブル(つまりメインなし)から選びます。
参考)
歴ログ-世界史専門ブログ:ビリヤニの歴史-ヒンドゥーとイスラム文化の交流と衝突
Wikipedia:Biriyani
Wikipedia:Lamprais
Wikipedia:Lemper
記事全体の参考)
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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