スリランカ料理店を都内に3店舗を展開する「タップロボーン」
南青山、門前仲町店、神保町店とスリランカレストランを都内に3店舗を展開するタップロボーン。
2021年に開業10周年を迎えて、一号店の南青山本店はリニューアルオープンしました。
また、2020年3月にはカレーの町とも言われる神保町に3号店をオープンしています。
本記事では、スリランカレストラン「タップロボーン」の紹介と、南青山本店と神保町店にランチで訪れた様子をお届けします。
タップロボーンとは?
タップロボーンは、スリランカ人生まれのカピラ・バンダラさんが2011年に南青山に開いたスリランカレストランです。
カピラさんは日本在住歴が20年を超え、日本国籍を取得されたそうです。
奥様はスリランカ人で、お子さんが3人いらっしゃるようです。
カピラさんはレストランを開業する前は、スリランカの宝石を販売されていたようです。
2011年6月15日に南青山本店を開業。
2016年1月18日に門前仲町店を開店。
2020年3月16日に神保町店を開店。
都内でのスリランカレストランの直営店舗数としては、おそらく一番多いのがタップロボーンでしょう。
タップロボーンの名は、古代ギリシャにおけるスリランカの呼称だとされているタップロボーン(またはタップロバナ)から取られています。
スリランカ建国の王として伝承されているヴィジャヤ王子がセイロン島に到着した際、セイロン島は赤土のため、土を触った手が赤くなったことからタンバパニ(赤胴色の手、あるいは赤胴色の大地)王国を建国したと言われています。
このタンバパニという王国名が古代ギリシャに伝わる過程でタップロボーンになったとされています。
タップロボーンの店名とともに、「スパイシービストロ」「スリランカンレストラン&バー」と記載されていますが、南青山本店にはバーカウンターがあり、各店舗のディナーメニューには「前菜・おつまみ」があり、お酒を飲みながら、スリランカスナックを楽しんでほしいというお店のようです。
特徴:ランプライス、アーユルヴェーダ赤米プレート
お店の「こだわり」として紹介されているのが、カピラさんの実家のお母さんが材料を選んでブレンドして3週間に1回のペースで日本に送り届けているというスパイスです。
お店のウェブサイトのニュースのページには、テレビ・雑誌・ラジオ・新聞・ウェブサイトなどのメディア掲載実績が紹介されていますが、テレビや雑誌に何度も取り上げられています。
メディアで取り上げられているメニューで一番多いのが「ランプライス」です。
TBSテレビ「人生最高レストラン」にて、石原さとみさんが紹介されたのもランプライスです。
ランチメニューを店頭でめくっていて、一番目立つのは赤米を使用した「アーユルヴェーダラトゥキャクルワンプレート」です。
過去のメディア掲載実績を見ると、2017年まではワンプレートのお米が白いので、2018年頃から始めた推しのメニューなのだと思います。
本記事では、南青山本店でアーユルヴェーダラトゥキャクルワンプレートを、神保町店でランプライスを食べた様子を紹介しています。
参考)
タップロボーン公式サイト:私たちのこだわり
タップロボーン公式サイト:TV取材
タップロボーン公式サイト:雑誌取材
ランチメニュー
主なランチメニューは以下の通りです。
ランプライス:1,650円
アーユルヴェーダラトゥキャクルワンプレート:1,380円
チキンコットゥロティ:1,200円
ライス&カレー ワンプレート:1,180円
ジャパンランカカレーライス+サラダ:1,080円
デビルライス+サラダ:1,080円
チョップシーライス+サラダ:1,080円
Aランチ(チキン・ポーク・ビーフ・フィッシュ・ミックスベジからカレーを2つ選択、ロティorイエローライスorナンから選択)+サラダ:1,080円
Bランチ(チキン・ポーク・ビーフ・フィッシュ・ミックスベジからカレーを1つ選択、ロティorイエローライスorナンから選択)+サラダ: 980円
Cランチ:チキンカレー+五目チャーハン+サラダ
Dランチ:チキンカレー+スパイシービーフン+サラダ
ランチメニューの詳細や、ディナーメニューについては、以下のお店のウェブサイトをご覧ください。
参考)
南青山本店でアーユルヴェーダラトゥキャクルワンプレート
2011年6月15日に開業した南青山本店は、10周年を期に2021年5月24日〜6月22日に改装休業されて、6月23日にリニューアルオープンしています。
場所は青山一丁目駅の出口5番から徒歩2分(160m)の大規模マンション「ウィン青山」の東側の一階にあります。
レストランのメインの入口はウィン青山の東側の道路側ですが、ウィン青山の建物のメインの入口はマンション北側にあります。
そのため、マンションの入口から入り、2階のエントランスに通じる階段脇の通路から、レストランのメインの入口の反対側にも入口があります。
私が初めて訪れたのは、2016年11月28日の夜でした。
その時は裏口側にはスリランカを紹介する資料や冊子が並べられいて、旅行の案内なども見られましたが、リニューアルされた現在は何も置かれておらず、スッキリしていました。
リニューアルされた店舗は明るい印象を感じましたが、それは2016年、2017年、2018年と私は訪れていますが、いずれも夜だったからかもしれません。
2016年〜2018年ではまだ都内の中心地にスリランカレストランは少なく、誰かとスリランカ料理店に行く際に良く挙がる選択肢の一つがタップロボーンさんでした。
道路に面している店舗のため、晴れた日のランチタイムは日の光が入り、店内は明るいです。
一方、夜は窓の外は真っ暗ですので、落ち着いた雰囲気になります。
今回訪れたのは、2021年9月7日(火)12:30。
満席でしたので5分ほど待って、テーブル席に通していただきました。
今回は一緒に行った人も私もアーユルヴェーダラトゥキャクルワンプレートをチョイス。
まず、サラダが出てきました。
そして、ワンプレートの到着!
スリランカでは白米か赤米かを選べるお店が多いですが、日本での玄米のような位置付けにあるのが赤米なので、私はいつも選べる場合は赤米を選びます。
赤米は、カルシウムやカリウムなどのミネラル分やビタミンB群が多く含まれていると言われています。
ライスだけでなく、インディアーッパやピットゥなども、白米から作ったものと、赤米から作ったものがビッフェなどで並べられていて自由に取れることがあります。
今回注文したメニュー名は、アーユルヴェーダを冠していて、ラトゥキャクル(赤米のこと)一択です。
スリランカ食材店でラトゥキャクルは販売されていますので、自宅で炊くこともできます。
さて、盛り付けられているカレーですが、手前のカレーはジャガイモとニンジンの形が日本のカレーっぽいです。
右側はきんぴらのようでもあり、手前側は少し日本の風が吹いています。
反対に奥にはソイミートがあり、スリランカ感が滲み出ています。
「日本に留学中の息子にこれを持って行って!」とコロンボから東京に向かう私にドッサリとスリランカ食材を渡してきた方の荷物の中に、たくさんのソイミートが入っていたのが印象に残っているからか、ソイミートはスリランカを思い起こさせます。
ちなみに、その荷物には干した魚やスパイスがたくさん入っていて、東京に到着してスーツケースを開けると、スリランカの香りがぶわっと広がりました。
話がそれました、、、カレーに戻ります。
全体的に優しい味です。
オーナーのカピラさんは取材記事などを見ると、手で食べることをお勧めされています。
たしかに、スリランカの人たちは手で食べますし、マウントラビニアホテルの料理長でスリランカ料理界のレジェンドであるパブリスシェフにレストランでお会いした際も、「カレーは手で食べてください!」と言われ、手で食べました。
今回はスリランカに住んでいた二人(私も今もスリランカ在住)でお店に伺いましたが、混み合ったランチタイムであり、南青山という場所柄もあり、スプーンとフォークでいただきました。
ちなみに、世界では箸食、フォーク・ナイフ・スプーン食よりも、手食の方が多いとされています。
ヨーロッパでは、フォークが普及する前は、ナイフで肉を切り、手で肉を食べていたとされ、フォークの普及が早かったイタリアは14世紀から導入されて一般に普及したのが16世紀、イギリスに普及したのは18世紀頃とされています。
スパイシー丸山さんのカピラさんへのインタビュー記事には、興味深いことが書かれています。
手で食べるっていうのは、ただ手で食べるわけではなくて役目があるんです。手で食べることによって実は噛む時間を与えているんですよ。色んなものを持ってきて混ぜてる間は噛めるんです。だから「混ぜ混ぜして食べてください」と言うのは、よく噛んで食べてくださいということなんです。
歯には糸切り歯とか肉を食べる歯とか役割がありますよね。スプーンだと口に入れるだけですが、手で食べることによって必要な場所に直接持っていける。だから肉を食べる時はちゃんと奥歯に入れられるんです。それから指にささくれとかあるじゃないですか。あれも手で食べることでスパイスが入って普通に治るんですよ。
リニューアルした内装は、バーカウンターがあり、テーブル席は仕切りで区切られています。
店舗を切り盛りされていたのは、カピラさんの奥さんのマニクさん、そしてシェフ。
店内の様子を撮影したかったのですが、お昼の混み合った時間に訪れたため、また訪れた際に本記事をアップデートしたいと思います。
参考)
bizSPA!フレッシュ「1日の来客3人で泣いた」…日本を愛するスリランカ人カレー店主が貫いた信念
たべぷろ:五感で味わう美味しさ!「手食」は最高の食具
ウィキペディア:手食文化
ウィキペディア:フォーク(食器)
食べログ:スパイシービストロ タップロボーン 南青山本店
カレーですよ4632(青山一丁目 タップロボーン南青山本店)タップロボーン、10年目のリニューアル。
カレーの達人が厳選! 都内の「マストな名店」11
スリランカ産スパイス通販 カラピンチャ:ラトゥキャクル
神保町店でランププライス
2020年3月16日に神田神保町にオープンした3号店。
場所は神保町駅A2出口から北に徒歩2分(160m)のビルの一階です。
靖国通りの一つ北側の道路沿いにあります。
訪れたのは2021年8月28日(土)12:30。
先客は1組のみでした。
お店のレイアウトは、入口から入ると左手側にテーブル席があり、右手にキッチン、キャッシャーがあります。
右手奥の通路から奥のテーブル席のスペースがあります。
先客は手前のスペースで食事されていたので、コロナ禍でもあるので、奥側のスペースに座りました。
知人から東京出張で丸の内1-1-1にあるパレスホテルに泊まっていて、近くのスリランカのレストランに連れて行ってほしい!とのリクエストがあり、土曜日にやっている最寄りのスリランカレストランがこちらでした。
かつては、丸の内・大手町にはスリランカレストランはありませんでしたが、平日であればパレスホテルからの最寄りのスリランカレストランは、「ポンガラカレー大手町プレイス店」です。
続いて近いのが丸の内にある「ARALIYA LANKA 新東京ビル店」です。
ビジネス街のためか、両店とも土日はお休みです。
タップロボーン神保町は土曜日は営業していて、日曜日はお休みです。
スリランカ料理店の選択肢が増えて、スリランカレストランをリクエストされた時に曜日や場所で柔軟に選べるようになったのは、とても有り難いです。
今回注文したのは、タップロボーンの看板メニューとも言える「ランプライス」です。
まずはスープが届きました。
知人はアーユルヴェーダラトゥキャクルワンプレートをチョイス。
ランプライスはスリランカで見る籠に乗せられて運ばれてきました。
ランプライスはテイクアウトもしているようです。
バナナの葉っぱを開いた状態の写真を撮り忘れました。。。
ランプライスは見た目にもユニークですし、オランダ系バーガー人たちの食べ物であるという由来も面白く、弊誌「スパイスアップ・スリランカ」の創刊号で、料理として取り上げたのはランプライスでした。
タップロボーンの2号店は門前仲町にありますが、門前仲町でスリランカ料理店を経営されていたディラーニさんにレシピを教えていただきました。
スリランカではランプライスは、キャッシャーの横や棚などに積まれていて、ランチに買って持ち帰ったり、店内で葉っぱを開いて食べます。
スリランカでランプライスは、メインのカレーがチキン・マトン・フィッシュ・ベジタリアンなどと記載され、中身が分かるように販売されています。
タップロボーンのランプライスは「チキン」です。
スリランカのライス&カリーと同様、メインのカレー以外におかずがつきます。
タップロボーンの場合は、メインを含めて全7種類です。
・チキンカレー(ククルマス)
・ダールカレー(パリップ)
・ナスのモージュ(バトゥモージュ)
・シーニサンボル
・マレーピクルス
・モルディブフィッシュ
・揚げ茹で卵
これらのおかずが、ターメリックライスの上に乗せられています。
スリランカではカレーやランプライスは熱々では食べませんが、日本人向けにオーブンで温めてランプライスを出してくれます。
食事をし終わり、少し話してお店を出る頃(14時頃)にカピラさんがお店にいらっしゃいました。
2017年2月に門前仲町店に伺った時にお話して以来でしたが、快く対応してくださいました。
参考)
食べログ:スパイシービストロ タップロボーン 神保町店
KitchHike:バナナの葉に包まれた「ランプライス (2つ入り)」~スリランカのお弁当~パパダム6枚つき
食べログ:スパイシービストロタップロボーン 門前仲町店
食べログ:ディラーニさんのスリランカカレー
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「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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