Spice Up 観光情報サイト スリランカ観光・情報サイト

シンハラ語3-16 服の名前

2022年3月03日

本記事では、シンハラ語の服の名前を学びます。

シンハラ語の名詞は、英語のように単数形と複数形がありますので、野口忠司 著『シンハラ語・日本語辞典』に複数形が掲載されていた単語は、本記事でも複数形を併記しています。

伝統衣装の名前

女性の伝統衣装は「サーリヤ」で、複数形は「サーリ」です。

庄野護 著『スリランカ学の冒険』には、インド中央部のマディヤ・プラデーシュ州のゴルサリという着方に起源を持つものだと記載されています。
一般にサリーは、インドでナショナリズムが盛んになった頃に標準化されたと言われますが、庄野氏は以下のように書いています。

流行の発信地は国際都市ムンバイ(ボンベイ)である。(中略)コロンボでインド式サリーが大衆化したのは1910年以降のことらしい。エリート女性たちがムンバイから持ち帰ったのがはじまりとされる。1910年、ジョージ5世の戴冠式がムンバイであり、それに出席した彼女たちが、サリーに手袋、ストッキング、帽子を身につけて帰国した。(中略)それ以前のスリランカ女性の服装は腰巻きとブラウス姿だった。

キャンディ地方には「オサリヤ」という独特のサリーがあります。
複数形は「オサリ」です。

丹野冨雄 著『シンハラ語の話し方・別冊 日本語=シンハラ語小辞典』には、以下のように記載されています。

カンディ地方のサリーの着こなしをオサリアと言う。スカートの腰の部分を紐で巻くために着崩れがなく、楽に仕事が出来る。今ではシンハラ独自の衣装となったがインド・ケララのタミル衣装の影響がある。

男性の伝統的なスカートのようなズボンを「サラマ」と言います。
複数形は「サラン」です。
マレー半島やインドネシアが発祥とされ、太平洋・東南アジア・南アジア・西アジア・東アフリカと広く見られる服装です。

服ではありませんが、インドネシアのバティックがスリランカでも作られています。
シンハラ語では「バティク」と呼ばれます。

「シャルワーニ」は、結婚式の時に男性が着る衣装です。
英語版ウィキペディアによれば、セイロンの植民地政府で、現地の高官だったタミル人のムダリヤールたちが着ていたとされています。
ムガール帝国で着られるようになったもので、起源はアゼルバイジャンで、オスマン帝国を経由してムガール帝国に伝わったと言われています。

サルワーリヤは、英語版ウィキペディアによれば、インドやパキスタンのズボンのことです。パンジャーブ地方で特に有名な有名なようです。

日本語版ウィキペディアには、ズボンを意味する「スルワール」に、シャツを意味する「カミーズ」を合わせ、女性はさらにストールを意味する「ドゥパッター」を合わせるそうです。

スリランカで画像検索すると、女性のドレス姿の画像を並びますので、スリランカではドレスなのかもしれません。
日本語版のウィキペディアには、日本で定着した「パンジャビドレス」の呼称は現地では通じないとありますが、スリランカではむしろドレスなのかもしれません。

同ページにタミル人女性の画像が掲載されていますが、それはたしかにインドでもスリランカでも見かける服装です。

参考)

Wikipedia:Sari
ウィキペディア:サリー(民族衣装)
ウィキペディア:マディヤ・プラデーシュ州
Wikipedia:Sarong
Wikipedia:Batik
Wikipedia:Batik industry in Sri Lanka
Wikipedia:Sherwani
ウィキペディア:サルワール・カミーズ
Wikipedia:Salwar

洋服の名前

次に洋服の名前を見ていきます。

Tシャツは「ティーシャルティ」。

Yシャツは「カミーサヤ」で、複数形が「カミーサ」。

ズボンは「カリサマ」で、複数形が「カリスン」。

ブラウスは「ハァッタヤ」で、複数形が「ハァッタ」。

スカートは「サーヤ」で、複数形が「サーヤワル」。

サンダルやスリッパは「セラップワ」で、複数形が「セラップ」。
英語と同様に2足で1組であることから、単数形を使うと片方だけのことで、1組の場合はセラップと複数形で言います。

靴は「サパットゥワ」で、複数形が「サパットゥ」。
英語と同様に2足で1組であることから、単数形を使うと片方だけのことで、1組の場合はサパットゥと複数形で言います。

パジャマは、元々はインドのズボンのことで、インドでは伝統衣装として、上に着る「クルタ」、下に着る「パジャマ」を買うことができます。
イギリスが寝巻きとして広めたと言われていますが、スリランカでも日本と同様にパジャマは寝巻きのことです。

参考)
ウィキペディア:パジャマ

# 関連キーワード