障がい児通所支援センターの恒例イベント「リトルトゥリー祭り」

2024年10月19日(土)に、NGOスランガニボランタリーサービスが主催するリトルトゥリー祭りがブッタラにある障がい児通所支援センター「リトルトゥリー(Little Tree)」で開催されました。
当日は水越大使ご夫妻が来場された他、スリランカに派遣されているJICA海外協力隊員の半数を超える10数名の隊員が2日前から現地入りしてイベントの準備・運営に当たり、リトルトゥリー関係者、教育里親プログラム(スマイルズ事業)で支援を受けている子どもたち、地元の人たちが多数来場し、大変賑わいました。
その様子をご紹介したいと思います。
目次
スランガニボランタリーサービスとは?
スランガニボランタリーサービスは、1987年からスリランカで青年海外協力隊の幼児教育隊員として3年半活動した馬場繁子さんが、1992年にスリランカのこども達の学習環境整備支援を目的に立ち上げたNGOです。
幼稚園の子どもたちへの支援事業(絵本箱寄贈プログラム「アリペンチャ」など)、貧しい子どもたちへの支援事業(教育里親プログラム「スマイルズ」など)、障がいのある子どもたちへの支援事業(障がい児通所支援センター「リトルトゥリー」など)と、支援する子どもたちの対象を広げながら活動されています。
37年前からスリランカの幼児教育に関わり、子どもたちの支援を続ける馬場繁子さんは、2020年に公益財団法人社会貢献支援財団から第56回社会貢献者表彰を、2022年に令和4年外務大臣表彰を、2024年に第1回JICA国際協力賞を受賞されています。
障がい児通所支援センター「リトルトゥリー」
今回のイベント「リトルトゥリー祭り」は、スランガニが2012年にウーワ州モナラーガラ県ブッタラに開設した障がい児通所支援センター「リトルトゥリー」にて、年に一度行われているイベントです。
道の向かいにある病院のナースや、地元の警察官なども来場するなど、子どもたちだけではなく、地域の人たちも楽しみにしているイベントのようでした。
食品加工作業訓練センター「リトルティーズ」
リトル・トゥリーに通い過ごした子どもたちが16歳を過ぎて、自立して生活ができるように、作業訓練をしながら働くことができる食品加工工房「リトル・ティーズ(Little T’s)」が敷地内にあります。
リトルティーズのピーナッツはコロンボのオーガニックショップやスーパーなどで販売されていますが、この日のイベントでも販売されていました。高品質のピーナッツを丁寧に加工したもので、手土産にぴったりで私はよく買っています。
地域支援センター「さくらハウス」
2017年に完成した「さくらハウス」は、フリーマーケットの会場となり、手洗いワークショップはさくらハウスの前で行われました。
バレーボールコート
敷地の奥の坂を登っていくと、バレーボールコートがあります。
2020年に草の根プロジェクト及び個人の方々の寄付によって土地を購入し、2024年に在スリランカ日本大使館配偶者の会の支援でバレーボールコートが完成しています。
2024年のリトルトゥリー祭り
大使ご夫妻がお越しになられ、植樹が行われた後に、屋台での販売、ワークショップ、ゲーム大会、フリーマーケットの順にお祭りが進行していきました。以下、流れに沿って紹介します。
水越大使夫妻ご到着
水越大使ご夫妻の到着でイベントが開始。
水越大使夫妻による植樹
水越大使、眞理子夫人、それぞれが植樹をされました。
屋台での食品などの販売
リトル・トゥリーに通う子どもたちの家庭や関係者が、野菜や果物、スナックを屋台で販売していました。
手洗いワークショップとダンス
屋台での買い物が落ち着いてくると、JICA海外協力隊員による手洗いのワークショップが行われ、多くの子どもたちが参加しました。
ワークショップ後には音楽が流れ、みんなでダンスを踊っていました。
ゲーム大会
相撲、ボール投げ、スリッパ投げ、ボウリングなど、手作りのゲームが敷地内に設置されました。水越大使が各ゲームに参加されたことで、一段とイベントが賑わいました。
フリーマーケット
例年、入場制限の必要があるほどに来場者が集まるというフリーマーケットには、絵本や文房具、服など様々なものが並んでいました。
実際にフリーマーケットの時間になると、建物の入口に列ができました。
品物を比べたり、みなさん楽しそうでした。
テレビ局による取材
水越大使がリトルトゥリー祭りについて、2つのテレビ放送局(ITNとルパバヒニ)に声を掛けられ、記者がイベント会場に来場。
水越大使、馬場さんにインタビューを行い、お祭りの様子を撮影し、当日のニュースに取り上げられたそうです。
まとめ
前々からリトルトゥリーにお伺いしたいと思っていましたが、ようやく実現でき、現地での様子を見ることができ、貴重な経験でした。
JICA海外協力隊員の方々がここまで多く集まる機会もなかなかないことだと思います。
これもJICA海外協力隊員のOGであり、長くスリランカ社会に貢献されている馬場さんの存在があってこそなのだと思いました。
今回私は弊社インターン生3人を連れて参加させていただきましたが、JICA海外協力隊員の方々と話せたことが学生たちの刺激になったようでした。協力隊員の皆様、お話くださいまして、ありがとうございました。
スランガニボランタリーサービスへのサポートは、絵本箱寄贈プログラム「アリペンチャ」への寄付、教育里親プログラム「スマイルズ」の里親になる、スランガニボランタリーサービスに寄付するなど、色んな形で可能です。
詳しくはスランガニボランタリーサービスの公式サイトをご覧ください。
参考)
スランガニボランタリーサービス公式サイト
スランガニボランタリーサービス旧公式サイト
第1回「JICA国際協力賞」授賞式を開催
在スリランカ日本国大使館:令和4年度外務大臣表彰(馬場繁子氏:NGOスランガニボランタリーサービス)及び 障害児のための特別支援センターの設備の引渡し
公益財団法人社会貢献支援財団:第56回社会貢献者表彰スランガニ
DACO:社会貢献者表彰 推薦募集中!vol.04 第56回受賞者 スランガニ(スリランカ)
朝日新聞デジタル:“隠された子ども”との出会いが、私の背中を押してくれた

「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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