スリランカの「新年」を、ローカルな家庭で過ごしてみた
スリランカでは、毎年4月に新年を迎えます。
しかもその時刻は占星術で決まるため、毎年時間が変わるというのも面白い特徴のひとつ。ちなみに去年は午後9時05分、今年(2025年)は4月14日、午前3時21分が新年でした。2024年には、ホテルでのイベントとして新年のしきたりを再現する催しも行われており、スリランカ伝統のお菓子や衣装、儀式が観光客向けにも開かれていました。詳しくはこちらの記事もご覧ください。
https://spiceup.lk/awuludu-2024/
私は今回、スリランカのとあるご家庭にお邪魔し、ローカルな新年を体験させていただきました。そのお宅は、普段は料理教室も開かれているご家庭。
当日はお買い物から同行させていただき、お菓子、バナナ、爆竹、そして「ミルクの儀式」に使うためのツボなどを準備。



新年
14日の夜明け前――
3時21分、テレビのカウントダウンとともに新年を迎えた直後、あちこちで爆竹や花火が鳴り響き、まさに“賑やかな夜明け”でした。
運勢を告げる“ミルクの儀式”
この日の朝4時4分、スリランカ全土で行われるのが「ココナッツミルクの吹きこぼし」の儀式。
ココナッツミルクを沸騰させ、最初にどの方角にこぼれ落ちるかによってその年の運勢を占う、という意味があります。
テレビでも各地の儀式の様子が中継されていて、伝統文化が今なお大切にされていることが伝わってきました。



家族そろっての新年ごはん
朝6時44分には、家族で新年最初の食事をいただきました。
この日は「ミルクライス」が主役。食卓にはミルクライスのほかに、お正月菓子もずらりと並んでいました。
さらに印象的だったのは、“親が子どもに手でごはんを食べさせる”という伝統的なやりとり。
また、ココナッツオイルに一人ずつ火を灯してから食事を始めるという丁寧な儀式もあり、とても静かであたたかい時間が流れていました。



日本のお正月と同じようでちょっと違う
その後は親戚やご近所の方々が続々と訪れ、
「スバ アルット アウルダック ヴェーワー(あけましておめでとうございます)」という挨拶が飛び交います。
耳慣れない早口の挨拶でしたが、「スバ アウルドゥ」という略し方もあるそうで、日本の「あけおめ」に近い感覚かもしれません。
さらに、目上の人に葉っぱを渡し、足に手をあてて祈るという伝統的な挨拶も体験。
今回は“挨拶される側”だったのですが、どうしていいわからなくて正直ちょっと挙動不審だったと思います(笑)。
葉っぱをもらい、最後に相手の頭をぽんっと優しく叩く。
これまで“挨拶する側”は経験したことがありましたが、どれくらい足に触れればいいのか、実際にやってもらうことでようやくわかった気がします。

その他の伝統
スリランカの新年には、「火を起こす」「ココナッツミルクを沸かす」「ご飯を食べ始める」「仕事を始める」「沐浴する」「安全に出発する」といった行動の吉時(縁起の良い時間)が細かく決められており、それぞれの時間に合わせて動くのが伝統とされています。
また、それぞれに着るべき服の色や、向くべき方角まで定められており、この時ばかりは“時間にルーズ”と言われがちなスリランカの人々も、しっかりとその時刻を意識するのが面白いところです。
もっとも、実際にお邪魔したご家庭では「できる範囲で取り入れる」といった柔軟な姿勢で、厳密さよりも“心を込めて新年を迎えること”が大切にされているようでした。
文化に触れるって、こういうことかもしれない
正直、聞いたことがあるだけの文化は「ちょっと大変そう」「自分にはできない」と思っていました。
でも、実際に体験してみると、不思議と自然に、心地よく受け入れられるものだなと感じました。
日本のお正月ともどこか重なる、家族で集まって笑い合うあの空気。
でもそこに流れていたのは、確かにスリランカならではの温度と光でした。
体験させてくれたご家族に、心からありがとうを伝えたい。
この国の文化は、やっぱりとても温かく、美しいです。
立教大学を休学して、スリランカでカメラマンとして活動中です。
写真・記事・動画を通して、現地のリアルな魅力を発信しています。
日本の着物文化が大好きで、スリランカではその熱がサリーに向かい、すでに5着も仕立ててしまいました。
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