【安全第一】紅茶鉄道での写真撮影で事故を起こさないために
スリランカ旅行のハイライトとして、世界中の旅人を魅了してやまない高地鉄道(キャンディ〜エラ〜バドゥーラ間)。緑豊かな茶畑や霧がかった山々を駆け抜ける列車の旅は、まさに一生ものの思い出になります。
しかし今、この美しい鉄道の旅で「映え(SNS用の写真・動画)」を狙った外国人観光客による、深刻な重傷・死亡事故が相次いでいることをご存知でしょうか?「安全第一」で最高の思い出を作っていただくために、出発前に必ず知っておいていただきたい状況と安全対策をお伝えします。
目次
楽しむ前に知ってほしい、悲しい事故
スリランカの列車は、走行中もドアが開けっ放しになっていることがほとんどで、そのドアやステップに掴まって身を乗り出す写真がSNSで流行しています。
しかし、線路のすぐ脇にはむき出しの岩壁、暗いトンネルの壁、生い茂る樹木がギリギリまで迫っており、体の一部やカメラが激突する事故が多発しています。
2026年7月19日:転落事故
バドゥーラ行きの急行列車「ポディ・メニケ(Podi Menike)」に乗っていた23歳のトルコ人女性観光客が、アンベウェラ駅付近の非常に景色の良いエリアを走行中、写真を撮ろうと列車のステップ(足場)に降りました。しかし列車が激しく揺れた際、手すりから手が滑り、そのまま猛スピードの列車から線路脇へ激しく転落。頭部を強打して重傷を負い、意識不明の重体となっています。
2025年3月:転落事故
ナヌオヤからバドゥーラへと向かう山岳地帯の路線で、35歳の中国人女性観光客が、スリルのある動画や写真を撮影するため、開いたドアから上半身を大きく車外へと乗り出していました。列車がトンネルに進入した瞬間、女性は避ける間もなく、猛スピードでトンネル入口のコンクリート壁に頭と脚を激突させ、そのまま線路へ転落。頭部に深刻な外傷を負う大事故となりました。
2025年2月:死亡事故
53歳のロシア人女性観光客が、スマートフォンのカメラを自分に向けて「自撮り」をしながら、走行中の列車のステップに掴まっていました。画面(自分)に集中するあまり、前方から迫ってくる線路脇の岩壁に全く気づかず、体と頭部が正面から激突。そのまま地面へ落下し、搬送先の病院で死亡が確認されました。
これらの事故に共通しているのは、「列車は想像以上に揺れる」ということ、そして「スリランカの線路脇の障害物は、鉄道との距離が保たれていない」ということです。「他の人もやっているから」は、決して安全の理由にはなりません。
紅茶鉄道を安全に楽しむために
スリランカの鉄道は、座席に座って、窓から景色を眺めるだけでも十分に美しい景色を楽しめるものです。悲しい事故を起こさないために、以下のルールを守りましょう。

1. 走行中のドア・ステップに近づかない
開いているドアは乗降口であり、写真撮影スポットではありません。特にステップ(足場)に降りて身を乗り出す行為は非常に危険です。
2. 体や持ち物(カメラ・自撮り棒)を車外に出さない
「一瞬だけなら」という油断が命取りになります。スリランカの鉄道沿線は自然が豊かで、線路脇に太い木の枝が突き出ていたり、次の瞬間に狭いトンネルに進入したりします。特に自撮り棒(セルフィースティック)やカメラを車外に突き出す行為は危険です。対向列車や障害物に引っかかった際、その凄まじい風圧と衝撃で、持っている本人ごと車外へ引っ張り落とされる危険があります。
その他、公共交通機関(鉄道・バス)をご利用の際の注意点については、以下の記事もあわせてご覧ください。
さいごに
危険なリスクを冒して「命がけの1枚」を狙うのではなく、スリランカの穏やかな空気と美しい風景を、安全な車内から肌で感じてみてください。安全な場所から撮影できる素晴らしい絶景ポイント(エラのナイン・アーチ・ブリッジなど)は、陸路からもたくさんアクセスできます。
ほんの一瞬の「映え」や楽しみのために、楽しかったはずの旅行全部が台無しになってしまっては、あまりにも悲しい旅です。スリランカを旅行される皆様がケガなく、安全で楽しい旅行の思い出を持ち帰ってくださることを願っています。

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