【日本語学校巡り第3弾】Akatsuki Japan Center
こんにちは。日本語学校巡り第4弾!今回はAkatsuki Japan Centerを取材してきました。
今回はマネージングディレクターの高野友理さんと、コンサルタントのサジーワさんからお話を伺いました。ご協力ありがとうございました。
目次
Akatsuki Japan Centerとは
学校設立の経緯
高野さんは学研ホールディングスグループのアイ・シー・ネット株式会社(IC NET)のスリランカ拠点を経営し、日本企業のスリランカ進出やODA事業などをされていました。コロナと経済危機でスリランカへの進出はすぐには回復しないだろうと思い、何か新しいことをしようと考えられていたそうです。スリランカでは日本語学校が増えていますが、問題がある学校が多いことから、ちゃんとした日本語学校を創ろうと始めることにされたそうです。
偽造書類が使われていたり、ビザ申請の前金と言われて払ったお金を持ち逃げされたり、日本にはお金さえ用意すれば簡単に行ける!と嘘の情報を流してお金を集めているところなど様々な問題があります。高野さんは”ちゃんとやろう!”をコンセプトに真面目なエージェントを創りたいと思ったようです。
生徒数、生徒の年齢
N5取得を目指す「N5クラス」と、会話の練習と面接トレーニングを行う「会話クラス」の2つがあります。
現在、N5クラスには9人の生徒さんがいます。
会話クラスは今年の4月にスタートし、現在の会話クラスには8人の生徒さんがいます。今後も少人数で運営する方針で定員は多くて10人程度ではないかとのことでした。
8人のうち2人が農業分野の仕事で日本行きが決定しそうとのこと。最近企業の社長さんが直接スリランカに来て面接されたようです。
生徒の年齢は20~27歳ぐらい。
ビザ取得には年齢制限はありませんが、年齢が高いと仕事が見つかりにくいことから、35歳までの人を受け入れているそうです。学生ビザは30歳まで取得可能ですが、大卒の25~26歳くらいまでが取得しやすいそうです。学生ビザではアルバイトができるため、あまり年齢が高いと学生ビザの本来の目的である”勉強”ではなく、働くことが目的だと思われてビザが取れない場合があるそうです。
先生の人数、日本人の先生の有無
N5クラスではスリランカ人のN3を持っている先生が教えています。コロンボ大学を卒業されていて、以前にも日本語教師としての経験がある方とのこと。
会話クラスでは高野さんとサジーワさんが教えています。
サジーワさんは1990年に来日して日本語学校に通い、電子学情報処理の分野で大学に入学して12年間日本に住んだ経験があります。
2002年にスリランカに帰国して法務省の認定翻訳者となり、翻訳やビザ申請に必要な書類作成、日本語を教える仕事などをされていたそうです。
Akatsuki Japan Centerはいつ設立されたか?
2023年の4月に始めたばかりのようで、まだ半年ほどです。
学費について
生徒さんは働いている人が多いことから、平日はオンライン授業、週末に対面授業を行っています。
ベーシックのN5コースは月5000ルピー(約2278円)、会話のコースは2ヶ月で25000ルピー(約11392円)。日本行きのビザを取得してからは、成功報酬としてスリランカの相場の価格を頂いているようです。
教室の設備について
ビルの6階に入ってすぐがオフィスになっていて、奥の部屋が1部屋教室になっています。
卒業生の進路実績
2023
現在はまだ始まったばかりでビザの申請中ということもあって日本へ行っている生徒はいないそうです。
現在茨城、名古屋、福岡、佐賀などにある5校の日本にある日本語学校と提携しているそうです。
IC NETのネットワークなどを活用して、今後は提携校を増やしていくとのことでした。
授業内容
まずは入学を希望する生徒一人一人と面接して選択肢を示すことから始めているようです。
主な選択肢は「留学」「技能実習」「特定技能」の3つ。
日本での学費や生活費を工面できる人は、日本の日本語学校に留学生として入学して、その後に進学して技術・人文知識・国際業務などの在留資格を目指す「留学」。
生活できるレベルの日本語能力を身に付けて、日本で非専門的・非技術的分野で働く「技能実習」。(場合によって後に、特定技能に切り替えることもできる)
生活できるレベルの日本語能力と、特定産業での技能を身に付けて、日本で働く「特定技能」。
生徒の経済状況や目的によって、何を目指すかを話し合っているようです。また、経営管理ビザの取得サポートもされているとのこと。
N5やN4を持っていても会話ができない人は多いため、「長所・短所は何ですか?」「どんなことがしたいですか?」といった簡単な質問の受け答えの練習をするそうです。
また、「2分でも遅刻したら謝る」「遅れそうなら事前に連絡を入れる」「部屋に入る前にノックする」「面接のときに、着席を促されてから”失礼します”と言ってから座る」といった日本のマナー、「日本人は効率的に物事を進めることを常に考えながら仕事をしている」など仕事への取組み姿勢などについても教えているそうです。
そうすることで、日本に行ってからもスムーズに馴染めるようにしているとのこと。
現在はN3、N2レベルは教えられる人がいないため開校していませんが、できればレベルが高いクラスもこれから開校していきたいと考えているようです。
N3を教えるにはN2以上を持っている人が望ましいものの、N2を持っていれば、日本で良い仕事に就けるので、スリランカ国内でN2以上を持っている先生を見つけることは難しいそうです。
ちなみに、N4は日常会話ができるレベル、N3は日常生活や仕事でも支障なく会話ができるレベルなので、日本人のお客さんと直接コミュニケーションを取るような飲食店でのホールスタッフや介護のお仕事も選択肢として選べるレベル、N2は日本でビジネスができるようなレベルですがN3と2の間はかなり幅が大きい、との事です。
授業のスケジュール
ベーシックのN5コースは、週3回、1日3時間でだいたい3.5ヶ月のコースになっています。平日はお仕事をしながら授業を受けている生徒も多いためオンラインがメインで、途中で入ってくる生徒もいるため最初は時間かけてゆっくりひらがなから教えているとの事です。
会話のコースは週2回、1日2時間ずつ行われているようで、こちらもオンラインがメインです3~4回は対面で授業を行うようです。
オンラインだと成長率は対面と比べて70%ほどで少し下がってしまうということですが、上手く活用すれば効率的に学べそうですね。
他の日本語学校とは違う、Akatsuki Japan Centerの特徴
学校設立の経緯と同様に、”ちゃんとやる”をコンセプトに、生徒だけではなく親ともちゃんと面接をしているようです。
生徒の集め方
Facebookを主な集客手段として、他にはウェブサイトやクチコミを見て連絡が来ることもあるようです。説明会も開催されているようです︎。
日本語を教える上で気をつけていること
高野さん自身は日本語教師のバックグラウンドはないため、日本人でも形容詞の変化が違ったり、普段日本語を使う上で意識しないようなことを教えるというのはとても難しいようで、日々勉強しながら教えているということでした。
これからAkatsuki Japan Centerをどうしていきたいか?
まだ今年の4月にこの日本語学校を始めたばかりで、スリランカ人の中でこの学校の存在を知らない人も多いため、”ちゃんとする”をコンセプトに良い生徒たちを日本に送っていけば実績もできて評判も良くなって広がっていくだろうということで、いい循環を作っていきたいとお話していました。
大窪邑奈
関西在住の大学4年生。2021年9月から2022年6月末まで約10ヶ月間ハワイにて語学留学を経験。2023年2月から1ヶ月間東欧ジョージアでノマドワークについて学ぶ。2023年8月から2ヶ月間、大学最後の夏休みを利用してスリランカにてWebライターのインターンシップを経験。お酒と運動と刺激が大好き、日焼けと虫と甘いものが苦手。
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