24年続く老舗レストラン「クリケットクラブカフェ」のオーナーにインタビュー!
スリランカで最も人気のあるスポーツといえば、クリケット。
日本人にはあまり馴染みのないスポーツですが、世界の競技人口はサッカーに次いでなんと2位!
イギリスの国技でもあります。
イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、インド、パキスタン、バングラディシュ、スリランカなどイギリス連邦の国々では国民的スポーツです。
スリランカの国技はバレーボールとなっていますが、人気ナンバーワンスポーツは圧倒的にクリケットで、クリケットの名選手はメディア露出も多いスーパースターとも言えます。
今回は、そんなクリケットをテーマにしたユニークなカフェレストラン「クリケットクラブカフェ(CRICKET CLUB CAFE)」を経営するオーストラリア出身のギャビーさんにインタビュー。その軌跡と魅力をお伝えします。
クリケットクラブカフェとは?
1996年にオーストラリア人のホワイト夫婦(ジェームズさんとギャビーさん)がオープンした、スリランカ初のクリケットをテーマにしたカフェレストラン。
創業当時はローカルレストランばかりで、外国人向けのレストランといえば、5つ星ホテル内にある高級レストランが主流の中、ウエスタンメニューを出すカフェレストランとして人気を博しました。
ムーディーで開放的なテラス席にはバーが併設されており、スポーツ観戦も可能。
こだわり抜かれた店内には、有名なクリケット選手たちが使用した数々のクリケットの記念品や新聞、写真、ポスターなどが展示されています。
お洒落でユニークなレストランとして、スリランカ人だけでなく欧米人などからも広く支持を得ています。
【名前】CRICKET CLUB CAFE
【住所】12 Flower Road Colombo 03
【営業時間】7:30~23:30
【ホームページ】http://thecricketclubcafeceylon.com/index.php
目次
スリランカでレストランを始めた経緯とは?
きっかけはサーフィン好きの旦那がサーフィンのためにスリランカに訪れたことです。
彼がはじめてスリランカに訪れたのは1978年。
当時は5つ星ホテル内のレストランとローカルな飲食店しかなく、サーフィンや観光をしに訪れた自分のような若い青年にちょうど良い店がなかったと言います。
しかしその後も何度もスリランカを訪れ、スリランカを知り、スリランカを愛した彼はこの地で何かできないかと考えました
そこでスリランカに関する何か良いものはないか探していた時、スリランカ人がクリケットを愛していることを知り、クリケットをテーマにした誰もが気軽に立ち寄れるレストランを作ろうと思い立ったのです。
最初にスリランカで店を開きたいと言われた時は驚き、議論をしたこともありましたが、簡単ではないがやってみようと、そうして二人で作り上げてきました。
店内のクリケットグッズはどのように集めたのですか?
当初はオーストラリアで収集していました。
お店がオープンしてからは、唯一のクリケットをテーマにしたレストランということで来店してくれるクリケット選手もおり、訪れたクリケット選手がサインしてプレゼントをしてくれたこともあります。
また、世界的なオークションや赤十字のチャリティーオークションを通して入手したものもあります。
働くスタッフとの関係
異なる環境で生きてきた私たちとスリランカ人スタッフでレストランを始めるのは簡単ではありませんでした。
スタッフの中には1996年の創業時から今まで、数々のサポートや教育をして24年間を共に過ごしてきたスタッフもいます。
10代の若い青年たちをいちから教育し、お客さんに向ける姿勢や接客方法だけでなく、稼いだお金や生活の管理方法など、ライフスキルも教えました。
日本やオーストラリアでは通常、いち上司が生活や金銭面などに介入するのはあり得ないことだと思いますが、スリランカでのビジネスは私たちの当たり前とは違い、いちから教え込む必要がありました。
労働に対価を払って終わりではなく、彼らには安定した生活を送ってほしかったからです。
中には結婚や出産を共に見届けてきたスタッフもいます。
まるでもう一人の母のような気分です。
メニューについて
レストランのメニューは、愛情をかけて育ててきたスタッフと共に開発しました。
彼らの中には英語を話せないメンバーもいますし、私たちも最初はシンハラ語に不慣れでしたので、ともに調理場に入り、私たちは彼らに西洋料理を、彼らは私たちにスリランカ料理で使うハーブやスパイス、またそれらをどのように調合するのかを一緒に作りながら教え合いました。
そのようにともに作り上げてきた方法を、24年経った今も続けています。
レストラン経営をする上で、大切にしていることは何ですか?
お客様の拠り所として、ここスリランカでレストランを続けていくことです。
内戦中には多くの外国人や海外企業がスリランカを退きましたが、私たち夫婦はそれに屈せず、スリランカでビジネスを続けてきました。その結果、スリランカ人だけでなく各国大使館員など、在住外国人の拠り所になっていきました。
この地で長くお店をやっていると、自国に帰っていった元在住外国人のお客様がスリランカに訪れた際に訪ねて来てくれたり、イギリスやオーストラリアから遠征で訪れたクリケットチームが来て、それから時を経てその子ども達が来てくれることもありました。このレストランがお客様の集う場所になっていることは本当に幸せなことです。
そうした人と人との繋がりを大切に、世代を超えて愛されるレストランであり続けたいです。
まとめ
今回は、クリケットをテーマにしたユニークなレストランを経営するご夫婦の奥様にインタビューしました。
旦那さんがサーフィンのために訪れたことをきっかけに1996年からオープンしたクリケットクラブカフェは、現在では多くのお客様に愛され、多種多様な人々が集う人気レストランとなっています。
お洒落で開放的な店内で、スリランカの人気スポーツ「クリケット」を身近に感じながらいただく料理やドリンクが魅力です。
訪れた際はご夫婦の愛情を受けて働くフレンドリーなスタッフとの交流も楽しんでみてはいかがでしょうか?
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