スリランカ必食のミニストリー・オブ・クラブのオーナー「ダルシャン・ムニダーサ 」氏にインタビュー!
スリランカのレストラン業界で最も有名な人といえばダルシャン・ムニダーサ氏でしょう。
大学卒業後に開業した和食レストラン「日本ばし(Nihonbashi)」は2013年~2018年と6年連続で、
シーフードレストラン「ミニストリーオブクラブ(Ministry of Crab)」も2015年~2020年と6年連続で、
ASIA’S BEST 50 RESTAURANTSに選ばれています。
スリランカでは予約しないと座れないということは珍しいが、ミニストリーオブクラブについてはいつも昼も夜も連日満席のため、予約が必須となっています。(現在、コロナ影響下で状況が異なります。)
この記事では、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」の2018年6月号にて掲載したインタビュー内容を、2020年6月段階に合わせて再編集した内容をお届けします。
Dharshan Munidasa (ダルシャン・ムニダーサ )氏プロフィール

スリランカ人の父と日本人の母の子として東京に生まれ育つ。
7歳でスリランカに移住。
アメリカの名門ジョンズ・ホプキンズ大学で学ぶ。
大学卒業後の1995年に和食レストラン「日本ばし」を開業。
2001年にカジュアル和食店カフェ日本ばしを開業。
2011年にクリケッターのスター選手二人と「ミニストリーオブクラブ」を開業。
2014年に有名ボリウッド女優とモダンスリランカ料理店「キャーマスートラ」を開業、世界遺産ゴールフォート内に和食店「ツナ&クラブ」を開業。
2018年にCafe Nihonbashiをコロンボからキャンディへ移転、ミニストリー・オブ・クラブの上海店を開業。
2019年にミニストリー・オブ・クラブのマニラ店、ムンバイ店、バンコク店、モルディブ店を開業。
2020年にモルディブに日本ばしブルー、ステーキハウスの「Carne Diem Maldives’ by Ignis Maximus」を開業。
レストランを開業した経緯

Q.料理に興味を持ったのはいつ頃からですか?
食べることが小さい頃から人一倍好きでした。
釣りも小さい時から好きで、釣った魚を料理して食べるのがとても楽しかったです。
今でも時間があれば、釣りをしたいですけど、なかなか時間が取れません。
料理を作るようになったのは大学生のときです。
アメリカで大学に通っていましたが、食事が全く口に合いませんでした。
アメリカでも美味しいものが食べたいと思い、塩をスリランカから送ってもらい、秋刀魚の塩焼き、味噌汁、漬物などを作って食べていました。
最初は母や祖母、叔母に電話して、作り方を教えてもらいながらでしたが、段々と自分で色々と試していきました。
ある日、友人たちが自宅に遊びにきて、食事を出したらとても喜んでくれました。
自分が好きなものを追求するのも面白いですが、美味しいものを提供して喜んでもらえるのは、とても楽しいことだと思いました。
Q.レストランを始めようと思ったのはきっかけは何でしょうか?

父は日本で科学技術者として働いていましたが、料理にとてもこだわりがある人でした。
スリランカで日本食レストランを始めたいと母に良く話していましたが、私が大学を卒業するタイミングで父は亡くなりました。
私は東京のIT会社に入社予定でしたが、父の葬式や手続きなどをしながら、父の想いを実現してみようと思い、東京で働くことはやめて、コロンボでレストランを開業することにしました。
最初は母と叔母に厨房に入ってもらい、家庭料理を出すお店でしたが、和食は家庭料理とプロが作る料理が大きく異なります。
使う食材も大きく違います。
良い食材を探し求めて、築地に通うようになり、日本ばしのレベルも上がっていきました。
スリランカの蟹に出会ったのも、食材を探していたときです。
私は日本のラーメン屋さんのチャーハンが大好きなんですが、何度やっても同じようなチャーハンは作れなかったんです。
それであれば、ラーメン屋さんにはできない、スリランカにある和食レストランだからこそできる、美味しいチャーハンを作ろうと考えてできたのが蟹チャーハンです。
レストランが成功した理由

Q.「日本ばし」や「ミニストリーオブクラブ」が成功した理由はなんだと思いますか。
スリランカで十分な広さを持った、しっかりとしたレストランを良い立地に作れたことが大きいと思います。
スリランカではなかなか思うようなレストランを作ることはできません。
そして、大切にしていることは、新鮮な食材を活かすことです。
日本の文化は自然を大切にし、和食は季節のものを使い、素材の良さを活かす料理です。
日本ではダンゴムシで遊んだり、カブトムシを家で育てたり、大人たちは花見を楽しんだり、そういう自然との関わりは日本独特のものだと思います。
そんな日本からスリランカに来てみたら、日本よりも動物や自然が身近にあり、驚きました。
インド洋は暖かいのでマグロに脂があまりのっていません。
それでも冷凍されていない新鮮な鮪を美味しく食べる料理の方法があります。
蟹も冷凍することなく、その日の朝に市場で仕入れたものをその日に使っています。
手に入らないオリーブオイルやワインは輸入したものですが、バターもスリランカ産です。
和食についても、醤油、味噌、米、鰹節は日本から輸入していますが、それ以外のものは現地のものを使っています。
Q.ミニストリーオブクラブはタイのバンコクに出店すると聞きましたが、今後の展開を教えてください。

今年はバンコク、マニラ、ムンバイ、ドバイにミニストリーオブクラブを出店する予定です。(実際に出店したのは上海、バンコク 、マニラ、ムンバイ、モルディブ)
それぞれの土地で良質な蟹を確保することを重視しています。
今の時代は現地で取れたものを出すことが大事です。
先日、ロンドンでミニストリーオブクラブのイベントを開催しましたが、その時はイギリスの蟹を使いました。
セレブリティとのつながり

Q.ミニストリーオブクラブは有名クリケット選手のマヘラさんとサンガッカラさん、「キャーマスートラ」はジャクリーンさんと、著名人と共同で経営されていますが、どういうお繋がりなのですか?
サンガッカラさんとマヘラさんは日本ばしによく来てくれるお客さんでお店で出会いました。
シンガポール料理として知られるチリクラブで使われている蟹の多くがスリランカ産です。シンガポールに輸出されるレベルの蟹をスリランカで食べられるお店を出すことに共感してもらい、お店を出すことにしました。
ジャクリーンさんはミニストリーオブクラブに来てくれて、そこで出会いました。
Q.ムニダーサさんはお店でお客様とお話されているのをよく見かけますが、お店には定期的にいるようにしているのですか?

日本のお店の料理人もお客様との会話を大事にされていますよね。
世界から色んな方が私のレストランに来て下さっていますので、お店でお客様とお話することを大切にしています。
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SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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