【Global Japanコラム12】不純なる語学②
(今回はテスト出題例などはありません。いきなり本文となります。)
ヘンなにほんご
40ねんまえ、少年(しょうねん)Yは、国語(こくご)のClassで、「乱読(らんどく)のすすめ」というEssayをよみました。乱読(らんどく)は、精読(せいどく)の反対(はんたい)のWordです。そのEssayは、「本(ほん)のTypeはCareしないで、どんどん本(ほん)をよみましょう。」というStoryでした。でも少年(しょうねん)Yは、すこしちがうImageをもちました。それは「ひとつの本(ほん)だけではなく、3つか4つの本(ほん)を、ばらばらよむ」というImageです。それから40ねんご、少年(しょうねん)Yは、いまも4つくらいの本(ほん)をばらばらぐるぐるよんでいます。そのよみ方(かた)のよいPointは、FreshなMindをKeepできて、いつもわくわくすることです。
見事なまでの言文不一致
ヘンなにほんごはおしまい・・・少年Yはやがて大人になり、今は多様性の国で「乱弁」を提唱しています。先日、香港から新幹線(高鉄)で中国の広州に足を延ばしたのですが、香港で乗車するときは”廣州”(行き)、たった1時間25分後に着く駅では” 广州”(着)となり、我々のガイドブックにはあいかわらず“広州”と記載されています。世の中の漢字の字体は、繁体(台湾版あり、香港・マカオ版あり)、簡体(中国大陸ほぼ全土)、旧字(日本の戦前)、新字(日本の戦後)とそれぞれ別に存在しているのです。
話し言葉でいうと、香港人はまだまだ、中国共通の普通語とは全く異なる広東語を圧倒的に使用しており、広州人は同郷人同士であれば広東語、そうでなければ普通語で会話、というイメージです。一方で書き言葉の広東語はというと、じつは世界のどの広東語コミュニティでも学校などで教えられることはないので、学問的環境では用いられず、読み書きは中国共通の普通語で行われるという、見事なまでの言文不一致なのです(参照:東方書店『香港へ行こう』千島英一著)が、ただしそれも香港では”廣”のような繁体字、広州では”广”のような簡体字で綴られているので、おそらく両地域の人間がお互いの書き言葉を理解することは相当困難でしょうし、日本人にとっても筆談でどうにかなるレベルではありません。
クロスボーダー
かつての少年Yは、インドの州も越えました。タミルナドゥ州からアンドラプラデーシュ州に入ると、きわめて保守的なタミル語と類似語のマラヤラム語が通じる世界から、一気にテルグ語、類似語のカンナダ語そしてインド公用語のヒンディー語の世界に様変わりしてしまいました。中には越境の関係で、テルグ語とカンナダ語とタミル語は話せるが、公用語のヒンディ語はさっぱり、なんていうややこしい安宿の従業員もいました(そんなに長けているなら英語とかやったら?)。
いかかでしょう。これではいまさら1,2か国語習得したところで、生きていけそうな気がしません。ましてやビジネスでクロスボーダー・リーダーシップを発揮するとなると・・・。そこで、かつて乱読に着想を得た少年Yが提唱するのが「ヘンなにほんごと乱弁のススメ」なのです。
やさしい日本語
「やさしい日本語」という、災害時の在日外国人への情報保障を主な目的として、弘前大学の佐藤和之教授らが考案した言葉があります。そのルールは、例えば以下のようなものがあります。
- 受動態は極力避け、 主語を明確にする
- 外来語を使用しない
- オノマトペを使用しない
- 曖昧な表現、とくに二重否定などは避ける
- 漢字には極力直後の( )内にふりがなをつける
- 一文を短くしつつも、主語などは極力省略せずに繰り返す
- 数詞は用いず、1つ、2つ、3つなどを用いる
- 尊敬語や謙譲語を使う代わりに丁寧語を用いる。ただし、単語の前に”お”は極力付けない
これらのルールを守るだけでも、その日本語はだいぶ我々の馴染んでいるものからかけ離れていきますが、外国人にとっては、格段にとっつきやすい言語になるのです。そして、そのスーパー進化版こそが、あえて上記2の禁じ手 “外来語”と3の禁じ手”オノマトペ”を逆に多用していく、冒頭の「ヘンなにほんご」であり、クロスボーダー・リーダーたちが来たる「乱弁」時代を乗り切る武器になるのです。そう、これをまず習得しなければならないのはあなたです、というお話は次号に続きます(あなたの部下があっという間に100の日本語をしゃべりだす秘法とともに)。
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執筆者:吉盛 真一郎
慶応義塾大学経済学部卒。日本・香港・スリランカ・インドにて、日系企業の経理・財務・総務業務に約14年従事。スリランカでは、ODAプロジェクトにおける山奥での現場経験や、当時のCSR業務から派生したソーシャルビジネスの起業実績もあり、経営者としてスリランカ法人の管理業務の実績を数多く積んでいる。
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