イエメン料理「マンディ」が美味しいHadramout Restaurant
ビリヤニなどのイスラム料理や、アラブ料理はチキンが美味しいですが、コロンボでアラビアンで美味しいチキンを食べるにはマラダーナ(コロンボ10)を始め、コロンボの二桁台の地区がお勧めです。
その中でも、Googleマップで口コミ数が1000件を超えているハドラモウト・レストラン(Hadramout Restaurant)に行ってきました。
ハドラモウトとは?

店名のハドラモウトとは、イエメン東部、オマーン西部およびサウジアラビア南部の一部を構成する地域で、主に現在のイエメンのハドラモウト県に当たる地域です。
ハドラモウトにはかつて、南アラビア産の乳香の交易で栄えたハドラモウト王国がありました。
ハドラモウト王国の首都シバームは、世界遺産「シバームの旧城壁都市」として登録されています。
ハドラモウトの地は、地中海・レバント・エジプト・北東アフリカ・アラビア・インドを結んだ香料の道 (Incense trade route)で栄え、その経済的な発展に目をつけたユダヤ人が移住し、イメモン・ユダヤのコミュニティーができたのも、ハドラモウトでした。
ハドラモウトの人をハドラミーと呼び、ハドラミーは環インド洋にネットワークを形成しました。
シンガポールにはアラブストリートとアラブ人コミュニティーがありますが、その多くがハドラミーです。
シンガポールのハドラミーは、インドネシアで富を形成したハドラミーが移民しており、インドネシアやマレーシアにもハドラミーのコミュニティーがあります。
その他、インドのグジャラート、ケララ、タミル・ナードゥ、ハイデラバード、ラクシャディープ諸島、スリランカ、東アフリカにもハドラミーは移民しています。
イスラム教スンニ派の四大法学派の一つ「シャーフィイー学派」は、ハドラモウトで大きな勢力を持っていたことから、東アフリカ、イエメン、インドの海岸部、モルディブ、スリランカ、マレーシア、シンガポール、インドネシアのムスリムの多くがシャーフィイー学派に属していると言われています。
参考)
ウィキペディア:ハドラモウト
ウィキペディア:ハドラミー
新井和広「ハドラミー・ネットワーク」,2000
ウィキペディア:シャーフィイー学派
ウィキペディア:シバーム
Wikipedia:Hadhramaut
Wikipedia:Hadhrami people
Wikipedia:Arba Singaporeans
Wikipedia:Yemenite Jews
Wikipedia:Incense trade route
マラダーナにあるハドラモウト・レストラン
さて、本題のコロンボにあるハドラモウト・レストランに話を戻します。
お店があるのはマラダーナ。
オデールや国立病院があるDe Soysa CircleとMaradana Roadを結ぶ、Ven Baddegama Wimalawansa Mawathaの東側にあります。
お店の表ではチキンを焼いていました。

実に美味しそうです。
テイクアウトのお客さんやUber Eatsなどの配達の人が多く出入りしていて、お店への期待が高まります。
店内の様子
お店は1階席と2階席があります。
1階はテーブル席で、2階は靴を脱いで床に座るスタイルです。

1階席の様子

2階席の様子
靴を脱ぐ2階は、階段を登った入口に靴を置きます。

マンディ、カブサ、ケバブなどがあるメニュー

アラブ料理のカブサ、イエメン料理のマンディが気になります。
ただ、このお店での違いは、ソースが着くとマンディ、ソースなしだとカブサという違いでしかないようです。
カブサもマンディもご飯の上にチキンが乗っていて、ビリヤニのような料理なのでしょう。
フルチキンは4人分、ハーフチキンが2人分、クォーターチキンが1人分だそうです。

裏面にはカバブ、カレーなどがあります。
チェッティナードゥという料理があるのが目をひきます。海上交易の民チェッティナードゥとハドラミーは食文化の交流もあったのかも知れません。
参考)
その土地の食:マンディ
いちまる厨房 世界の地方料理:Kabsa カブサ
マンディ(カブサライス)を実食!

マンディのクォーターチキン1,150ルピー(425円)。
まず、チキンが美味いです!
トルコのケバブや、インドのカバブなど、中東やイスラームな地域のチキンはやはり美味しいですが、チキンはこの人たちのものだと思えます。
お米もぷきぷきしていて、美味しいです。ちょっとベタついたカブサやビリヤニをスリランカで食べたことがありますが、このお店のお米は美味しいです。
そして、何よりも最高なのが、マンディにしたことでついてきたソースです。
これが美味しいので、このソースをお米にかけて食べるとこれまた最高です!
ビリヤニにライタやコルタ、カレーが添えられていて、かけて食べると一層美味しいのと同じ感じです。
ということで、あまり日本ではイエメン料理を食べられませんので、コロンボで是非お試しください!
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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