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スリランカの知られざる北部都市ジャフナへの行き方とおすすめ観光地をご紹介

2019年10月14日

スリランカの人気観光地としては、世界遺産のキャンディやゴール、シーギリヤロックなどの南西部の都市が有名です。
しかし、スリランカ北部ジャフナには、一風違ったスリランカの側面を見ることができます。
あまり旅行者に知られていないジャフナですが、タミル人が多く住む地域で、ジャフナカレーなどの食文化や宗教も他地域とは異なる特徴を持ちます。
そこで今回は、スリランカをもっと知りたいという方に向けて、スリランカの知られざる北部都市ジャフナへの行き方とおすすめ観光地についてご紹介します。

ジャフナとは

ジャフナは、最大都市コロンボから北へ350キロ、ジャフナ半島の先に位置する都市です。

ジャフナ(Jaffna)は英語名で、タミル語名はヤールパーナム、シンハラ語名はヤーパナヤです。

ジャフナという英語名は、ジャワ島・スマトラ島・マレー半島を治めていたシュリーウィジャヤ王国から独立したタンブラリンガ国がジャフナ半島を統治していた時代に、「ジャワ・パッタナム」と呼ばれました。

パッタナムは、タミル語で港町を意味し、インドのケララ州にもある地名です。

ジャワ・パッタナムが英語名ジャフナの語源です。

タミル語名の「ヤール」は、古代タミルの竪琴「ヤール」のことだとされています。
ヤール演奏者に王がその土地を与えたという逸話から、ヤール・パッタナム(ヤールの港)となり、これがタミル語名のヤールパーナムの語源だとされています。

ジャフナはジャフナ王国があったことから、スリランカのタミル文化の中心地として栄え、イギリス植民地政府は少数派のタミル人を優遇したことから、コロンボに次ぐ第二の都市として栄えました。

タミル人はジャフナタミル、バッティカロアタミル、ニゴンボタミル、エステートタミル(農園で働くインドタミル)と分けられますが、その中でも、文化と伝統があることを誇りに持っているのがジャフナタミルの人たちです。

ジャフナはラグーンに囲まれており、近くには植民地時代の遺跡や手つかずの自然が残された離島もあります。

ジャフナへの行き方

ジャフナへは、バスで行く方法と電車で行く方法の2通りの方法があります。

バスで行く方法

ローカルバスがコロンボから通っていますが、エアコンがなく、かつ半日以上かかるのでおすすめできません。
コロンボからジャフナへは、高速バスが夜行、昼行で通っていて所要時間は路線状況にもよりますが、7時間程度で約1200ルピー(約720円)。
こちらのバスは、日本の長距離バスと同じように、エアコン完備、ゆったりと座れるシートで快適ですので、こちらをおすすめします。
バスの予約はこちらのウェブサイト上から可能です。

電車で行く方法

コロンボから電車も通っています。
所要時間は、インターシティですと約6時間、普通列車ですと約8~9時間ほどかかります。
毎日7本程度でていますが、それぞれ所要時間が異なりますので、こちらの時刻表から確認しておきましょう。

インターシティには1等席がありエアコン完備で快適に乗れます。
ただし、1等席は予約が必要でウェブサイトではできません。
前日までに、直接駅の窓口で購入する必要があります。
普通便には、2等席と3等席があり、料金はそれぞれ540ルピー(約320円)、335ルピー(約200円)です。

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ジャフナ市街地

ジャフナは、ジャフナ市街地・カンカサントゥレイ・ポイントペドロ・離島エリアの4つに分けられます。

ジャフナの市街地には、有名なヒンドゥー教寺院や植民地時代の遺跡など歴史が感じられる観光地が多いです。

ナルア・カンダスワミ寺院

ナルア・カンダスワミ寺院は、市街地から3キロほど離れていますが、ヒンドゥー教寺院として国内でも最大級の規模を誇ります。
タミル人の多くが信仰するヒンドゥー教を感じるために、絶対に訪れておきたいスポットです。

毎年7~8月には25日間に及ぶ大規模なお祭りが開催されます。
山車が街中を練り歩き、最終日には最大の盛り上がりを見せます。
お祭り期間中は、国内から多くのヒンドゥー教徒が訪れます。

寺院内に入る際は、裸足で男性は上半身裸でなくてはなりません。
仏教寺院では肌をなるべく見せてはいけませんが、ヒンドゥー教では反対になるのが興味深いところですね。
寺院内は写真撮影禁止となっており、ルールを尊重して鑑賞しましょう。

また、寺院の近くには、「Rio Ice Cream」という有名なアイスクリーム屋さんがあり、寺院を観光した後にここを訪れて一休み、というのが一連のルートになっているようです。

〇ナルア・カンダスワミ寺院
【名前】ナルア・カンダスワミ寺院(Nallur Kandaswamy Kovil)
【住所】Jaffna
【入場料】無料

〇Rio Ice Cream
【名前】Rio Ice Cream
【住所】448A, AB20, Jaffna 40000
【営業時間】9:00~22:00

ジャフナフォート

ジャフナ市街地から海側へ行くと、巨大なフォートが見えます。
スリランカには植民地下につくられた多くのフォートがありますが、ジャフナフォートはその中でも最大で建築の頑強性も高く評価されています。
上から見ると星型になっており、要塞としての強固さがうかがえます。

1618年にポルトガルによって、建造されたフォートは1680年のオランダ統治下で現在の星形に改築されました。
しかし、内戦中フォート内の教会や病院などはLTTEという武装組織によって爆撃され、その跡が今もそのまま残っています。
教会は見る影もなく岩になっていましたが、内戦時の爆撃の規模を実感できるスポットです。

【名前】ジャフナフォート(Jaffna Fort)
【住所】Jaffna
【入場料】無料

カンケーサントゥレイ

ジャフナの北にあるカンカサントゥレイには、ヒンドゥー教寺院や聖地があります。

キーリマライの泉

キーリマライの泉は、インド洋の海のすぐ側に位置するほぼ淡水の泉です。
今では、地域の少年たちの遊び場となっていますが、ここはあらゆる病が治るとされています。

ここには7世紀、南インドの王朝チョーラ朝のジャマダギリ姫がある儀式を軽んじたために、顔が馬のように変形してしまったという逸話が残ります。
悲しみに暮れた姫がこの泉に顔をつけると、元通りになったそうです。
そのため、キーリマライの泉は神聖な地とされ、無限の治癒力を持つとされているのです。

泉近くには、ヒンドゥー教の神をまつる小さな祠があり、地域の人々が集まり祈りをささげています。
近くの広場には、地域住民が陽を避けて休んでいる様子が見られます。

泉近くには、大きな塔が特徴的なヒンドゥー教寺院もあります。
歩いて行ける距離にありますので訪れてみると良いでしょう。

〇キーリマライの泉
【名前】キーリマライの泉(Keerimalai Water Spring)
【住所】B75, Kankasanturai
【アクセス】ジャフナ市街地バスターミナルから788番か768番のバスで約40分、50ルピー(約30円)
【入場料】無料

〇泉近くの寺院
【名前】Keerimalai Naguleswaram Kovil
【住所】Kankesanturai
【入場料】無料

ポイントペドロ

ポイントペドロは、スリランカ最北端にある地です。
最北には碑もありますので、時間がある場合は記念に訪れてみると良いでしょう。

実は、ジャフナ半島ではジャフナについで大きな街です。
灯台もありますので合わせて訪れてみると良いでしょう。

【名前】ポイント・ペドロ(Point Pedro)
【住所】Point Pedro
【アクセス】750番か751番のバスで約1時間半、75ルピー(約45円)

ジャフナ離島エリア

ジャフナには多くの離島がありますが、その中で観光地として人気なのは、ナイナーティブ島とデルフト島の2つ。
ナイナティブ島は、ヒンドゥー教と仏教の2つの重要な寺院がある島で、デルフト島は植民地時代の遺跡や手つかずの自然が見られる島です。
離島へのアクセスは、ジャフナのバスターミナルから776番のバスで1時間ほどで着くポートへ行き、そこから各島への船が出ています。

ナイナーティーブ島

ジャフナ半島のポートから20分程度の位置にある島です。
ここは、ヒンドゥー教と仏教の2つの重要な寺院があります。

ヒンドゥー教寺院であるナーガ・プーシャニ・アンバルは、船着き場から大きな塔と象を模した入り口が見えます。
ここは、シヴァの妻アンバルをまつる寺院です。
島はもともと商人が立ち寄る港として機能しており、ある商人がアンバルから祝福を受けたという逸話が残っています。

そこから1キロ程度歩くと、仏教寺院であるナーガディーパ・ヴィハーラが見えます。
ここは、スリランカに伝わる仏陀が3度訪れた地の1つで、重要な寺です。
仏陀は、この地で宝石の玉座をめぐる王族の争いを調停したといわれています。

【名前】ナイナティブ島(Nainativu Island)
【住所】Nagadeepa Rajamaha Viharaya, Main St
【アクセス】776番のバスでポートへ(所要時間1時間、80ルピー)→6:30~17:30の間30分間隔で島までのボートあり(所要時間約30分、40ルピー)

デルフト島

デルフト島は、ナイナーティーブ島へ行く同じポートから船が出ています。
ポートからはさらに1時間かかる、ジャフナからは少し遠い島です。

ここには、植民地下の遺跡や手つかずの自然が見られます。
オランダ統治下にサンゴを使ってつくられた小さなフォートや裁判所や病院跡、ジャフナ半島まで飛ばしていた伝書鳩の飼育箱も見られます。

また、アラブ商人が植えたバオバブの木や野生化したポニーの群れなどが見られます。
島は石灰岩でできており、土地は白く、乾燥しています。
一面に広がる荒野も見られます。

【名前】デルフト島(Delft Island)
【住所】Maveli Periyathurai Rd, Delft Island
【アクセス】ポートから船で1時間、80ルピー。船は、8:00、9:00、11:30、14:30、16:30の時間で発着している。

最後に

今回は、スリランカの北部都市ジャフナへの行き方とおすすめ観光地についてご紹介しました。
観光地としての知名度が低く、あまり知られていないジャフナですが、ヒンドゥー文化や植民地下の遺跡、魅力いっぱいの離島など多くの観光地があります。
スリランカをさらに知りたいという方にはおすすめの観光地です。

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