日本と関係の深いマハボディ・ソサエティー
アナガリーカ・ダルマパーラが設立したマハボディ・ソサエティーのスリランカ支部がコロンボのマーリガカンダの丘の上にあります。
本記事では、マハボディ・ソサエティーについて紹介します。
マハボディ・ソサエティーとは?
マハボディ・ソサエティーは、イギリス人のエドウィン・アーノルドと、スリランカ人のアナガリーカ・ダルマパーラが、ブッダガヤの大菩提寺を仏教徒の元に戻すことを目的に設立した団体です。
1885年に新聞記者だったエドウィン・アーノルドがブッタガヤを訪れ、荒廃してヒンドゥー教徒の管理化にある状況について記事を発表します。
エドウィン・アーノルドはスリランカで仏教徒となり、ウェリガマ・スリ・スマンガラの指導の下、活動を行います。
エドウィン・アーノルドの活動に影響を受けて、1891年にアナガリーカ・ダルマパーラが、エドウィン・アーノルドとマハボディ・ソサエティーをコロンボに設立します。
翌年1892年にマハボディ・ソサエティーの本部はコルカタに移されています。
マハボディ・ソサエティーは、1949年にブッダガヤの大菩提寺を仏教徒の手に取り戻すための重要な前進をします。寺院の管理がヒンドゥー教徒のマハントからビハール州政府に移ります。

日本政府による支援
マハボディ・ソサエティーの建物には、日本政府による支援があったことが刻まれています。

設立者であるエドウィン・アーノルドとアナガリーカ・ダルマパーラはそれぞれ日本に訪れています。
エドウィン・アーノルドは日本人の黒川たまと結婚し、ブッタガヤでアナガリーカ・ダルマパーラとともに日本人が活動をともにしていますが、関係が色々とあるようです。
日本式幼稚園「マハボディ・ショーカンジ」

敷地の奥には、日本式幼稚園があります。
マハボディ・ソサエティーのトップであるバナガラ・ウパティッサ僧侶を支援された吉田多輝子(よしだ・たきこ)さんは、スリランカに日本式幼稚園を開園する取り組みをされたことで知られ、スリランカの切手になったこともある方です。

2022年12月に訪れたときは、子どもたちが外でダンスを踊っていました。

デイケアセンターもあります。

サクラ、ヒマワリと教室に日本語の名前がつけられていました。

吉田さんの名を冠する保育園、インターナショナルスクール、英語スクール、スイミングスクールがコロンボ郊外のゴナワラにもあります。
世界の著名人と交流するウパティッサ僧侶
マハボディ・ソサエティーの本部には、世界の著名人とバナガラ・ウパティッサ僧侶との写真が並べられています。

インドのモディ首相。

フランシスコローマ教皇。

ジャヤワルダナ大統領。

日本からの来客のようです。

ブッダの二大弟子の遺物
マハボディ・ソサエティの敷地内には、ブッダの二大弟子である舎利弗と目連の遺物が祀られたAgrashrawaka Viharayaがあります。

向かって左が舎利弗、右が目連の像。
それぞれの聖遺物を入れる黄金のカスケットの制作費用は380万ルピーずつだそうです。

二人の遺物が公開されるのはウェサックの時のみだそうです。
舎利弗と目連の聖遺物はイギリスがヴィクトリア&アルバート博物館の展示物としてロンドンに持ち帰りますが、後にインド、スリランカ、ミャンマーの3カ国に分けて返したそうです。
スリランカに返されたものが、こちらのマハボディソサエティーに保管されています。
私はウェサック2日目の5月6日の午後に伺いしましたが、食事をご馳走になって、遺物を拝観させていただき、写真撮影も可能とのことでしたので、今回、本記事に紹介させていただきました。

とても美味しい食事で、辛いのが苦手な人でも美味しく食べられる味でした。
今年は5月5日~6日の二日間、遺物が公開され、食事を振舞っているそうです。

本堂のキャノピーは、1800万ルピーの費用で作られたそうです。
これに加えて、本堂の周囲の壁、扉の装飾に2500万ルピーかかるそうで、まだお金を集めている段階で、これから着手していくそうです。

館内にはアナガリーカ・ダルマパーラの胸像がありました。

キャンディで見るような絵柄です。

ガンポラのエンベッカ寺院の柱と似ています。

参考)
Wikipedia:Maha Bodhi Society
Wikipedia:Sri Lanka Maha Bodhi Centre, Chennai
ウィキペディア:エドウィン・アーノルド
Presidential Secretariat:Birth Commemoration of Anagarika Dharmapala held under patronage of President
LANKAPRADEEPA:Mahabodhi Agrasrawaka Maha Viharaya
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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