ピンナワラ象の孤児園への行き方と楽しみ方
象の水浴びの様子や象への餌やりができる有名な観光スポット「ピンナワラ 象の孤児園」をご紹介します。
スリランカでは、キャンディで有名なペラヘラ祭り(パレード)で象が登場したり、おみやげ屋さんには象がモチーフになった雑貨が多く、かつての国旗には象が使われいたほどに、象はスリランカの人たちにとって、身近な存在であり、神聖な動物です。
そんな象の孤児を保護している施設が世界遺産がある町「キャンディ」の郊外、コロンボ方面に40kmほど(車で約1時間半)の距離にあり、キャンディ観光のオススメの立ち寄りポイントです。
今回は「ピンナワラの象の孤児園」について行き方とその魅力、楽しみ方を見ていきます。
ピンナワラ象の孤児園とは?

そもそも、「象の孤児園」とは一体どういう意味なのでしょうか。
実は、スリランカには昔から4万頭以上の象がいたと言われていますが、イギリスの植民地になって以降は象の数が減り、1970年には2000頭にまで減ってしまいました。
その後、スリランカ政府は1975年にこの「象の孤児園」の設立し、ジャングルで親とはぐれたり、死別した子象を守る目的で象を保護していきました。
当初は4~5頭しかいなかった象の孤児園には、現在100頭近くの象がおり、実際に多くの象を見られるのです。
1日2回(午前、午後)のタイムスケジュール

上の写真は、ピンナワラ象の孤児園の1日のスケジュール。
一番の目玉である「象たちの川への移動」は午前10時と午後2時の2回行われます。(2025年4月のシンハラタミルニューイヤーでは午後の回はお休みで、午前の回のみ運営していました。)
トイレ休憩、チケット購入などを考えると、午前の回の見学には午前9時~9時半頃に、午後の回の見学には午後1時~1時半までに到着しているのが望ましいです。(象の餌やりのアクティビティは13:45までです。)
訪問時の流れ
駐車
車で訪れる人が多いと思いますが、まず専用駐車場に車を駐車。駐車場にもトレイはありますが、チケット売り場のトイレの方が綺麗です。
トイレ休憩
コロナ前はゲートAにチケット売り場がありましたが、現在はゲートBにチケット売り場が移動しています。
ゲートBからまっすぐ行くとトイレがあります。
チケット購入

トイレの手前を右に行くとチケットブースがあります。
外国人のチケット代は大人15ドル、子ども7.5ドルです。(VISA、マスターカードなどのクレジットカードの利用が可能です。)
追加の有料アクティビティが以下の3つあります。(以前あったミルクやりはなくなりました。)
・象さんへのフルーツ餌やり:500ルピー(税込みで590ルピー)
・象さんの水浴び:750ルピー
・象さんと歩く:1,000ルピー
※有料アクティビティは外国人もローカルも同じ金額です。支払いはアクティビティの場所で現金で支払います。
すぐ近くにあるピンナワラ動物園との共通券も購入することができ、外国人の大人は20ドル、子どもは10ドルです。
展望台

チケットを購入し、象の川への移動まで時間があれば、園内で象の様子を楽しみます。
小高い丘にオブザベーションデックがあり、そこから草を食べる象さんが見られます。
フルーツの餌やり(営業時間は9:15~13:45)

フルーツの餌やりの小屋があり、小屋に登ってフルーツバスケット590ルピー(税込)を買って象さんにフィーディングすることができます。

「象たちの川への移動」を見るためにお土産ストリートに移動
朝10時からは、象が檻から水浴びをする川へ一斉に移動する大移動が見れます。
象の水浴びは孤児園内ではなく、近くの川「Maha Oya」で行われるため、そこまで移動します。
お土産ショップが並ぶ「To Elephant Bathing Position」を歩く
ゲートBから出て、バス通りの「Kegalle Rambukkana Road」を南に向かって歩き、道を渡ると、お土産ショップが並ぶ「To Elephant Bathing Position」という小道があります。

お土産ショップでは、象さんうんちペーパー(象のフンで作られた紙)や紅茶、スパイス、マグネット、服、ジュエリーなど定番のお土産が販売されています。
道には象のフンがところどころ落ちていることもあるので、踏まないように注意しましょう!
この通りをまっすぐと進んでいくと、象の水浴び場となっている大きな川が広がっています。

川辺についたら、柵の近くで象が登場するのを待ちましょう。
商店街を歩いてくる象の登場シーンを見たい場合は階段を下りずに、商店街の奥にいると良いでしょう。
大迫力の象の大移動!

午前10時になると、象たちが道を渡って、お土産ショップの前の小道を進んでくる様子が見られます。
上の写真は川の手前の坂で撮影したものです。
突然目の前を20~30頭の象が通っていきます。
こんなに多くの象が目の前を歩く機会を見ることは普段ないですよね。
のしのしと歩く象の迫力を間近で感じられます。
川で水浴び

水を浴びたり、川辺でのんびりしたりしている象たちを見ることができます。

象を見ていると「餌をあげないか?」とフルーツを渡してくる人がいます。
実際にフルーツを象にあげられますが、無料ではありません。
後でお金を請求されるので注意しましょう!
ピンナワラ象の孤児園への行き方
ピンナワラ象の孤児園は、北西部州の州都クルネーガラから南に30キロ弱、中部州の州都キャンディから40キロ強、バンダーラナーヤカ国際空港から80キロ弱、空港最寄りのビーチリゾート地ニゴンボから80キロ弱、西部州の州都コロンボから100キロ弱のところにあります。
スリランカの周遊旅行はカーチャーターで回るのが一般的であり、ピンナワラには直通のバスや鉄道はありませんので、車で行くのが最も便利です。
乗り換えが必要ですが、コロンボやキャンディから鉄道やバスで行くこともできます。
ピンナワラの北側をコロンボとキャンディを結ぶ鉄道が走っていて、ピンナワラの南側をコロンボとキャンディを結ぶ国道1号線が走っています。
鉄道で行く場合は、ピンナワラの北側のRambukkana(ランブッカナ)駅で下車して、国道1号線沿いの町Kegalle(ケガッラ)行きのバスに乗って、ピンナワラで降ります。
バスで行く場合は、ケガッラで降りて、ランブッカナ行きのバスに乗り換えて、ピンナワラで降ります。
鉄道の時刻表から考えると、午前中のプログラムを見る場合は、コロンボから行く場合も、キャンディから行く場合も、バスの方が便利です。午後のプログラムであれば、鉄道でもバスでも良いでしょう。
ただし、鉄道の時刻表は変わることがありますので、最新のものをご自身でご確認下さい。
車で行く方法
主な観光観光地からの車での所要時間は以下の通りです。
キャンディから:1時間半~2時間
空港やニゴンボ:2時間~2時間半
ダンブッラから:2時間~2時間半
シーギリヤから:2時間半~3時間
コロンボから:2時間半~3時間
道路が混んでいることもあるため、時間には余裕を持って、早めに出発することをお勧めします。
キャンディから鉄道やバスで行く
キャンディ8:00発、ランブッカナ9:14着の鉄道で行くと、10時からの象の川への移動が見られます。午前の餌やりの時間に間に合うように行くには、キャンディからはバスで行く方が良いでしょう。
午後のプログラムには合わせるには、キャンディ10:40発、ランブッカナ12:12着の列車であれば、餌やりの時間中に到着できるようでしょう。
バスで行く場合は、キャンディからコロンボ行きのバスに乗り、行先はケガッラと伝えるといいでしょう。
ケガッラまで行って、ランブッカナ行のバスに乗り換えることができますが、ケガッラとランブッカナを繋ぐ道との交差点「Karandupana Juction(カランドゥパナ・ジャンクション)」にもバス停があるので、ケガッラまで行かずに、カランドゥパナ・ジャンクションでバスを降りて、ランブッカナ行きのバスに乗り代えていくのもいいでしょう。
乗務員にあらかじめ、ピンナワラに行きたいと伝えておくと、降りるバス停や乗り換えるバス停も親切に教えてくれるので安心です。
コロンボから鉄道やバスで行く
列車で行く際には、コロンボ・フォート駅7:00発、ランブッカナ駅9:30着の列車で行くと、午前中のプログラムの川への移動にぎりぎり間に合うかどうかです。
列車が遅れると川までの象の行進が見られないかもしれません。
午後のプログラムは、コロンボ・フォート駅10:10発、ランブッカナ駅12:37着の列車であれば、午後のプログラムに間に合います。
バスで行く場合は、キャンディ行きのバスに乗り、ケガッラのバス停で降ります。
ケガッラからは、近くのバス停にあるランブッカナ行きのバスに乗り換えます。乗り換えるバス停は、降りたバス停の近くにありますので、心配ありません。
カランドゥパナ・ジャンクションはケガッラを過ぎたキャンディ側にあるので、コロンボからバスで向かう場合は、ケガッラで乗り換える方がスムーズでしょう。
こちらも乗務員にあらかじめ、ピンナワラに行きたいと伝えておくと良いでしょう。
ピンナワラを組み込んだ代表的な周遊プラン
1泊2日:空港周辺・ニゴンボ・コロンボ→ピンナワラ→シーギリヤ・ダンブッラ・ジープサファリ→空港・コロンボ
朝に空港周辺やコロンボ、ニゴンボなどから出発して、ピンナワラを見て、シーギリヤ周辺に泊まる1泊2日の旅。
2泊3日:空港周辺・ニゴンボ・コロンボ→ピンナワラ→キャンディ→マータレー→シーギリヤ・ダンブッラ・ジープサファリ→空港・コロンボ
朝に空港周辺やコロンボ、ニゴンボなどから出発してピンナワラ、世界遺産のあるキャンディに立ち寄るプラン。
キャンディとシーギリヤ周辺に1泊ずつする、あるいはシーギリヤ周辺に2泊する旅程が考えられます。
キャンディ~シーギリヤ間の観光スポット(ノリタケアウトレット、アルウィハーレ寺院、スパイスガーデン、ナーランゲディゲ遺跡、世界遺産ダンブッラ石窟寺院など)に立ち寄ることもできます。
シーギリヤからはジープサファリが楽しめる国立公園まで20~40分、世界遺産ポロンナルワまで1時間、世界遺産アヌラーダプラまで1時間半の距離なので、3泊あるいは4泊にして世界遺産巡りをするのもいいでしょう。
2泊3日~3泊4日:空港周辺・ニゴンボ・コロンボ→ピンナワラ→キャンディ→スリーパーダ・ヌワラエリヤ・エッラ→(ゴール)→空港・コロンボ
空港周辺やコロンボ、ニゴンボなどから出発してピンナワラに立ち寄ってキャンディに宿泊し、翌日に紅茶鉄道ことメインラインにキャンディ駅から乗車して、紅茶畑や滝などの景勝地を車窓から楽しむプラン。
世界遺産スリランカの中央高地に登録されている聖山スリーパーダ(アダムスピーク)、イギリス人たちが開拓したヌワラエリヤ、中央高地の代表的な観光地エッラなどに向かうコースです。
帰りは南部高速道路を使って南海岸を走るため、3泊4日にした場合には世界遺産ゴールフォート、ジェフリーバワ建築が集中するベントタ、サーフィンが楽しめるミリッサ・ウェリガマ・ヒッカドゥワなどの町に立ち寄るのもいいでしょう。
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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