戦場に架ける橋

先日テレビで、映画「戦場に架ける橋」が放送されていました。60年近くも前に作られたもので、タイトルや音楽は有名なので知っているものの、内容に関しては初めてじっくりと観ることができました。タイとビルマ(現在はミャンマー)の国境を流れるクワイ河に、橋を架けようとする日本軍と捕虜のイギリス軍、橋の建設を阻止するアメリカ軍の駆け引きを描いているのですが、敵役の日本軍を見ているのは複雑ですね。
話の中心は、紛れもなく「橋」ですが、建設現場とその周辺のシーン、特にクライマックスである橋の爆破シーンは迫力と共に、自然の美しさに見入ってしまうはずです。というのも、シンガポールからインドまで繋がる鉄道橋梁工事が舞台設定ですが、実際の橋と爆破の撮影は、実はスリランカで行われたんですよ。だから、僕達はどうしても景色やエキストラに目が行ってしまって、あぁ、展開についていかれない。
コロンボからヌワラエリヤに行く途中、例によってガイドのアリさんがジャガリを見つけたというので、車を停めました。出来立てだというジャガリはまだ温かく、混ぜ物のない最上品で、アリさんは大喜びで買い占めました。店を出た僕達に前歯のないおじさんが話しかけてきて、「ムービースター」を連呼して自らを指し示しています。なんだかよく分からないし、なんか怪しげなおじさんに完全に腰が引けた私たちに、上機嫌のアリさんが「この方、昔映画に出た人だと言っています。」と。
普段よりもテンションが高いアリさんは、おじさんに連れられてどんどんと突き進んでいきます。道は次第に獣道のようになり、行き止まると川岸の岩場に到着しました。
黒くて巨大な岩には丸くて大きな穴が開いていて、雨水らしい水がたまっています。おもむろにおじさんが古い雑誌を取り出して差し出しました。そこはまさに「戦場に架ける橋」の架けられた場所であり、雑誌に出ている可愛らしい子供が数十年前のおじさんで、エキストラとして映画にも出演したという話。ほら、ココに写っている子供を見ろ、これがワシじゃ。なんて言っているのでしょうけれど、今のおじさんからは面影すら感じられないってば。映画を観てもおじさんが気になってしまって、あぁ、更に展開についていかれない。
最後まで映画を観ても、おじさんも子供も発見できませんでした。それでもきっと今でも、あの雑誌を片手に観光客に自慢しているのでしょうね。おじさんにまた会うことができたら教えてあげたい。あなたは「ムービースター」じゃあなくて「ムービーデテタ?」ですと。
住所:神奈川県 横浜市中区北仲通4-46
電話:045-663-7625
営業時間:月~金11:00~19:00 土日祝11:00~18:00(不定休)
# 関連キーワード
新着記事
-
エッラの可愛い雑貨屋さん5選!旅の思い出にお気に入りを見つけよう
エッラ(Ella)は、スリランカの山岳地帯にある人気の観光地。かつては小さな村でしたが、絶景や紅茶畑、ナイン・アーチ・ブリッジなどの映えスポットが注目され、今ではおしゃれなカフェやレストランが立ち並ぶリゾート地 になりま…
2025年3月26日 -
スリランカで眼科受診!Vasan Eye Careの体験レポート
目次1 スリランカで眼科に行くことになった理由2 Vasan Eye Care での診察の流れ2.1 受付・予約2.2 診察料の支払い2.3 診察の流れ2.4 診察結果と処方された薬3…
2025年3月26日 -
デザイナーの想いが詰まったAll Made in Sri Lankaの...
今回は、私が一目ぼれした雑貨屋、Pendiをご紹介します。 いざ入店! Lakpahanaの門をくぐって右手に曲がると、透明なお店のガラスからおしゃれなインテリアが見えます。 一階にはランプ、ソファ、テーブ…
2025年3月26日