コロンボ港の西コンテナターミナルをインドのアダニとスリランカのジョンキールズが85%を取得か?
3月19日、スリランカ港湾局の会長「ゲン・ラトナヤケ」氏が、インドのアダニグループとスリランカ側のパートナー企業であるジョンキルーズグループがコロンボ港の西コンテナターミナル(WCT)の85%を保有する方向だと発言したことが報道されました。
ゲン・ラトナヤケ氏は、日本が参加する可能性があるとも付け加えていますが、WCTについては日本はまだ何も決定を行っていないようです。
今年1月〜2月に紆余曲折があった東コンテナターミナル(ECT)の開発の方針が決定した際に、スリランカ政府がWCTの開発について言及し、WCTについても3月中旬から報道が続いていますので、ECTとWCTの開発に関するニュースの経緯を以下にまとめました。
ECT、WCTの開発に関する経緯
2019年5月、前政権時にECTの開発・運営会社にスリランカが51%、インド・日本が49%を出資することで覚書を交わす。
2020年、3カ国によるECT開発の撤回を求めるストライキを港湾の労働組合が行い、開発の着手が遅れる。
2021年1月13日、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領がインド・日本・スリランカでのECTの開発の再開を発表。
1月下旬、スリランカが51%、インド(アダニグループ)が49%の比率でECTを開発すると発表される。
2月1日、閣議決定で、スリランカ港湾局による全額出資でECTを運営することを決定。
WCTの開発について、インド・日本と協議していくことを言及。
3月15日、アダニグループが51%を保有すると発表し、スリランカ側のパートナー企業・ジョンキールズの会長のコメントも記載されています。
3月16日、内閣のスポークスマン「カヘリヤ・ランブクウェラ」氏が、アダニグループがWCTの51%を保有することは最終決定していない、
スリランカ政府は、他の選択肢も模索していると述べた報道されています。
3月19日、スリランカ港湾局の会長「ゲン・ラトナヤケ」氏が、アダニグループとそのパートナーであるジョンキルーズグループがWCTの85%を保有する方向だと発言したと報道されています。
ECT、WCTの開発に至るまでのコロンボ港のコンテナターミナル開発の経緯については、以下の記事をご覧ください。
参照)
NIKKEI Asia(2021年1月25日)India strikes hard bargain in Sri Lanka for stake in Colombo port
日本経済新聞(2021年2月1日)日印参加のスリランカ港湾開発、年内着工へ 大使会見 中国寄りの見方「正しくない」
日本経済新聞(2021年2月3日)スリランカ、日印協力の港湾開発 一方的に計画変更
The Sunday morning(2021年2月3日)Indian High Commissioner meets Prez, PM after ECT deal falls through
Adani Ports and Logistics(2021年3月15日)Adani Ports Bolsters Its Global Footprint With Colombo Port’s West Container Terminal
economynext(2021年3月16日)Adani deal for West Container Terminal not finalized – Keheliya
NNA ASIA(2021年3月17日)アダニ、コロンボ港のターミナル開発受注
Maritime gateway「Adanis and partners to hold 85% in Colombo Port’s WCT」
Wikipedia「Adani Ports & SEZ」
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
# 関連キーワード
新着記事
-
スリランカの食文化に見る多様性とヴィーガン事情
スリランカに滞在して約2か月半、この国の食文化の多様性に驚かされています。その背景には、仏教、ヒンズー教、イスラム教といった多様な宗教が影響していると感じます。宗教ごとに異なる食の規律が存在し、それが食の選択肢を豊かにし…
2024年11月23日 -
“スリランカにおける現代ファッションを徹底調査”
年間を通して高温多湿の南国、自然豊かで「インド洋の真珠」とも呼ばれるスリランカ。日本とは全く異なる気候に住むスリランカの人々が普段どのような服を着ているのか、どのような服を好むのか知っていますか? 欧米諸国の人々のファッ…
2024年11月14日 -
世界遺産ゴール・フォートの中にある“好立地”ホテル「The Fort ...
私は今回、世界遺産ゴール・フォートの旧市街の中にあるホテル「The Fort House」に宿泊してきました。 ゴールには数多くの宿泊施設がありますが、世界遺産である旧市街の中にあり、散策しやすい場所にある「The Fo…
2024年11月13日