ミニストリーオブクラブが7年連続でアジアベストレストラン50に選出!
3月25日、アジアベストレストラン50が発表され、7年連続でミニストリーオブクラブ(Ministry of Crab)が選出されました。
本記事では、アジアベストレストラン50とミニストリーオブクラブについてご紹介します。
目次
アジアベストレストラン50とは?
2002年に、イギリスのメディア会社「ウィリアム・リード・ビジネス・メディア」が、ネスレが所有するイタリアのミネラルウォーターブランドの「サンプレグリノ」と「アクアパンナ」のスポンサードの元に始めたのが世界ベストレストラン50。
その世界ベストレストラン50で、地域を限定して2013年から始まったのが、アジアベストレストラン50とラテンアメリカベストレストラン50です。
ウィリアム・リード・ビジネス・メディアとは?
1861年にウィリアム・リードが出版社を創業し、1982年に創刊した飲食料の小売業の雑誌「The Grocer」を祖業とする飲食業界に関する雑誌やウェブメディアを運営するイギリスの会社です。
ミシュランの起源とされるBarbier, Daubrée et Cieが設立されたのが1863年、ミシュランガイドが発行されたのが1900年です。
サンプレグリノとは?
イタリアのサン・プレグリノ・テルマで採水されているミネラルウォーターブランドで、製造会社名もサンプレグリノ。
1997年からネスレ傘下になっています。
現在販売されている瓶で販売を始めたのが、ラベルに記載されている1899年です。
アクアパンナとは?
イタリアのトスカーナのアペニン山脈で採水されているミネラルウォーターブランド。
1880年に最初にボトリングされたとされ、現在はサンプレグリノ社が製造を行っています。
ブランド名は、トスカーナの丘にあるヴィラ「パンナ」に由来します。
アジアベストレストラン50の投票方法
評議委員会の構成
投票を行う評議委員会(アカデミー)は、以下の6つの地域に分けられています。
インド亜大陸
東南アジア南部
東南アジア北部
香港、台湾、マカオ
中国、韓国
日本
各地域に評議委員長(アカデミー長)が選出され、その評議委員長が自分の地域から自身を含む53人の評議員を選出し、全体で318人で構成されます。
評議員は各地域のフードライター、料理評論家、シェフ、レストラン経営者、美食家などで、毎年全体の25%は新しいメンバーに入れ替わります。
評議員の男女比率は50:50とされ、6名のアカデミー長も女性が3名・男性が3名という構成になっています。
日本地域のアカデミー長は中村孝則さんです。
■中村孝則さんとは?
ファッション、カルチャー、旅、ホテル、ガストロノミー、ワイン、シガーなどラグジュアリーライフをテーマに執筆活動を行うコラムニスト。
2007年、シャンパーニュ騎士団のシュバリエ(騎士)を受勲。
シャンパーニュ騎士団は1656年にルイ14世の宮廷グルメとして知られる貴族たちによって設立されたシャンパンの愛好団体。2010年、スペインよりカヴァ騎士の称号を受勲。
ノルウェー王国大使館より、ヘッルスタイルノルウェーに任命。2013年から、世界ベストレストラン50、アジアベストレストラン50の日本評議委員長。
投票方法
投票ルールは以下の通りです。
・各評議員の持ち票は10。(2021年は新型コロナウイルスの影響で海外渡航が制限されていたことから7票)
・持ち票のうち4票は自国外のレストランに投票しないといけない。(2021年は4票ではなく2票に変更)
・投票先のレストランに18カ月以内に食事をしていないといけない。
・自身のお店や資金的に関与するお店には投票できない。
・指名の対象はあくまでレストランであって、レストランオーナーでもシェフでもない。
・投票者は1位~10位(今年は1~7位)と順位をつけて投票を行う。
投票・審査プロセスの厳正さと公正さを確保することを目的に、コンサルティング会社のデロイトを公式判定パートナーとしています。
投票の対象国
以下の国々が対象になっています。
バングラディシュ、ブータン、ブルネイ、カンボジア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マカオ、マレーシア、モルディブ、ミクロネシア、ミャンマー、ナウル、ネパール、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、台湾、タイ、東ティモール、ベトナム
今年は51〜100位も選出
レストラン業界は新型コロナウイルスの影響を大きく受けているため、例年よりも多くのレストランにスポットライトを当てるため、51位〜100位のレストランも選出、発表されています。
国外への渡航が制限された中での選出となり、各地域の評議員が自地域の特徴的なレストランを取り上げる機会になったようです。
ミニストリーオブクラブとは?
著名な3人の共同オーナー
以下の3名によって2011年にスタートしたマッドクラブを中心としたシーフードレストラン。
-ダルシャン・ムニダーサさん:スリランカと日本のハーフ、日本料理店「日本ばし」にオーナー
-マヘラ・ジャヤワルダナさん:元スリランカクリケット代表のキャプテン
-クマール・サンガッカラさん:元スリランカクリケット代表のキャプテン
スリランカから選出されたのは、ミニストリーオブクラブのみで、スリランカでのベストレストランにも該当します。
受賞に当たり、共同オーナー3名のコメントが発表されています。
ダルシャンさん
「光栄なことに7年連続でアジアベストレストランに選ばれました。2019年の連続爆破テロ事件、新型コロナウイルスのパンデミックと厳しい状況が続く中で運営体制は大きく変わりました。今回の受賞は私たちのレストランがしたというよりも、スリランカが受賞したと思っています。」
マヘラさん
「今回の受賞は、レストランのチームと、それを支える事務のメンバーたちの献身的で忍耐強い取り組みがあってこそのものです。チームが一丸となって、ミニストリーオブクラブでのユニークな体験を届けてくれています。」
クマールさん
「私たちがミニストリーオブクラブを始めた時のアイディアは、スリランカ産の最も品質の良い食材を最も新鮮な状態で提供するというものでした。アジアベストレストラン50にまたしても選んでいただけたことは非常に光栄なことで、スリランカが世界に通用するということを示していると思います。」
過去の入選歴
ミニストリーオブクラブの入選歴は以下の通りです。
※参考として、ダルシャン・ムニダーサさんがオーナーである、日本ばしの入選歴についても記載しています。
2021年:ミニストリーオブクラブが29位
2020年:ミニストリーオブクラブが30位
2019年:ミニストリーオブクラブが35位
2018年:ミニストリーオブクラブが25位、日本ばしが45位
2017年:ミニストリーオブクラブが29位、日本ばしが49位
2016年:ミニストリーオブクラブが25位、日本ばしが47位
2015年:ミニストリーオブクラブが43位、日本ばしが31位
2014年: 日本ばしが44位
2013年: 日本ばしが38位
日本から選ばれたお店
日本からは以下のお店が選ばれています。
3位「傳」:東京都渋谷区神宮前
7位「Florilege」東京都渋谷区神宮前
8位「La Cime」大阪府大阪市中央区
9位「NARISAWA」東京都港区南青山
12位「茶禅華」東京都港区南麻布
19位「L’Effevescence」東京都港区西麻布
27位「Ode」東京都渋谷区広尾
35位「日本料理 龍吟」東京都千代田区有楽町
2020年は初めて日本で開催される予定でしたが、新型コロナウイルスのため中継に変更され、2021年も日本地域の受賞者のみの授賞式が横浜で開催されました。
授業式の直近の会場は以下の通りです。
2017年:バンコクのWホテル
2018年:マカオのウィンプレス
2019年:マカオのウィンプレス
2020年:佐賀県の武雄市文化会館(新型コロナウイルスのため中止)
2021年:ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜(新型コロナウイルスのため日本地域の受賞者のみの授賞式)
>関連記事
参照)
2021年度「アジアのベストレストラン50」ベスト100までのリストを発表!
2021年「アジアのベストレストラン50」全リスト発表!|日本最高位は【傳】の3位、日本からは18店舗がBEST100にランクイン
William Reed公式ページ
Wikipedia「William Reed Business Media」
Wikipedia「The World’s 50 Best Restaurants」
サンペレグリノ日本語公式ページ
ウィキペディア「サンペレグリノ」
Wikipedia「S.Pellegrino」
ACQUA PANNAk公式ページ
ウィキペディア「アクアパンナ」
Office DANDY Nakamura
ウィキペディア「中村孝則」
シャンパーニュ騎士団 日本支部
シャンパーニュ騎士団とは? 北野武監督が史上3人目の仏最高位
日本初! カバ振興協会サン・サドゥルニによる騎士号授与式!!
ウィキペディア「カバ」
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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