スリランカで撮影された映画『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』
ゴールフェイスホテルのミュージアムには、著名人の宿泊者としてスティーブン・スピルバーグ、ハリソン・フォードの写真が展示されています。
また、ホテル内のバー「トラベラーズバー」では、インディアナ・ジョーンズのカクテルがあります。
これは、インディ・ジョーンズの2作目『魔宮の伝説』がスリランカで撮影され、実際に二人がゴールフェイスホテルに泊まったからのようです。
映画の設定では舞台はインドになっていますが、偏見のある差別的内容であるとインド政府が撮影を拒否したため、撮影地はスリランカ(ハンターナ、ピンナワラ、ビクトリアダム)で行われました。
そのため、村人役はシンハラ語を話し、ハリソン・フォードも食事を出された時に「ストゥーティ」「ボホーマ・ストゥーティ」と言っています。
本記事では、インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説について紹介します。
目次
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説とは?
1884年に公開されたインディ・ジョーンズの2作目。
アカデミー賞で、視覚効果賞を受賞し、
トロッコのシーンが、ディズニーのアトラクションになっています。
主演女優のケイト・キャプショーと、監督のスティーブン・スピルバーグはこの映画がきっかけで結婚したそうです。
映画の舞台は、上海で始まり、ヒマラヤに墜落した後、川でインドの村に辿り着き、マハーラージャの宮殿に向かう内容になっています。
ターバンを巻いている人々が出てきますので、パンジャーブやシムラーあたりの設定なのでしょう。
マハーラージャの名前もザリム・シンとシク教徒を思われる名前です。
パンジャーブは、ペルシャ語でパンジュ(5つの)アーブ(水)を語源として、インダス川、ジェルム川、シェナブ川、サトレジ川、ラーヴィー川の5つの川に由来します。
川で到着していますので、パンジャーブ州の村なのかもしれません。
あるいはヒマラヤに近いシムラーは、1865年にイギリス領インド帝国の夏の首都として定められた町です。
シムラーの由来は、カーリー神の化身の一つであるシヤーマーラー・デーヴィーとされています。
映画ではカーリー神に生贄を捧げる宗教集団が出てきますので、シムラーの村という設定かもしれません。
ゲテモノ尽くしの宮廷料理
マハーラージャの宮殿で歓迎の食事会のシーンがありますが、次々とゲテモノ料理が出てきて、ヒロインのウィリーが絶叫を繰り返します。
邪教教団の異常さを表現するなりいいとして、インドのマハーラージャの宮殿での食事をそのように描写していますので、インド政府が撮影を拒否したのも当然と思えます。
強盗殺人の秘密結社タギー
かつてインドにあったとされる強盗殺人の秘密結社タギー。
旅人を捉えてヒンドゥー教の戦いの女神カーリーへの生贄として殺人をし、金品を奪っていたと言われています。
イギリスがインドに権益を広げていた1839年、イギリスでタギーを扱った小説『タギーの告白(Confessions of a Thug)』がベストセラーになっています。
1840年には、ベーラムというタギーの男が931人の殺害に関与したとして処罰されています。
1853年に、イギリスの軍人ウィリアム・ヘンリー・スリーマンがタギーを討伐したとされています。
そのタギーが復活して、宮殿を本拠地にしているというのが本作の設定です。
村からシヴァ神の象徴であるリンガに似たサンカラストーンが奪われ、子どもたちが連れ去られたと村人から話を聞きます。
ハンターナの茶園
雪山に墜落して、川で発見された後に、案内されたMayapore村は、キャンディの南にあるハンターナの茶園で撮影されたそうです。
周囲に山と茶の木が見えます。
子供たちとサンカラストーンを村に持ち帰るエンディングでは、女性が茶畑で茶摘みをしているシーンが映ります。
シンハラ語の会話
村に到着して、バナナの葉っぱによそわれた食事を手で食べるシーンがあります。
この時、インディ・ジョーンズは食事をもらった際に「ストゥーティ」といい、
デリーまでガイドを用意してくれることに「ボホーマ・ストゥーティ」と言っています。
また、村人からサンカラストーンが奪われた時の話を聞いて、ウィリーに訳して伝えていますが、この時も村人がシンハラ語で話しています。
ピンナワラ象の孤児院
インディ・ジョーンズたちが村から宮殿に向かうシーンで、ピンナワラ象の孤児院が出てきます。
ビクトリアダム
ロープ橋のシーンは、キャンディ郊外のビクトリアダムで撮影されたものだそうです。
スリランカ側の責任者チャンドラン・ルトナム
この作品のスリランカ側の責任者は、映画『The Road from Elephant Pass』の監督・脚本で知られるチャンドラン・ルトナム(Chandran Rutnam)です。
上海の描写
上海のナイトクラブで、清の初代皇帝ヌルハチの遺灰を取引するシーン、そして、逃亡するシーンが冒頭に出てきます。
これらはマカオで撮影されたそうです。
清王朝の初代皇帝ヌルハチの遺灰を取引していますが、これは中国政府的にはどうなのか?とも思いましたが、これは満州族のことなので、漢民族な中国的にはOKなのかもしれません。
PG-13制定のきっかけに
ウィキペディアには、「作品中での暴力シーンや残虐な場面が多く、本作品がアメリカにおけるPG-13制定へときっかけとなった」と記載されています。
ディズニーのアトラクションになったトロッコシーン
トロッコのシーンがディズニーのアトラクションになっています。
参照)
Movie-Locations.com:Indiana Jones And The Temple Of Doom | 1984
ウィキペディア:インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
FANDOM:インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
ウィキペディア:パンジャーブ
ウィキペディア:シムラー (インド)
ウィキペディア:タギー
ウィキペディア:ベーラム (タギー)
Wikipedia:William Henry Sleeman
ウィキペディア:ラシード・ウッディーン・スィナーン
【ゆっくり解説】3分でわかるタギー
ウィキペディア:映画のレイティングシステム
Wikipedia:Chandran Rutnam
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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