隈研吾さん改装のバワホテル「クラブヴィラ(Club Villa)」
いくつかあるジェフリーバワ設計ホテルの中で、唯一日本企業が所有・運営するのが、本記事で紹介する「クラブヴィラ」です。
ばんせいグループが所有し、隈研吾さんがリノベーションを行ったブティックホテルです。
目次
クラブヴィラとは?
セレンディブホテル(現 アヴァニベントタリゾート)の総支配人のS. M. A. ハミードがバワに設計を依頼したブティックホテルがクラブヴィラです。
バワはモホティ・ワラーウィ(現 パラダイスロードザヴィラ)を気に入り、友人たちに購入を勧めます。
S. M. A. ハミードは自身が所有してブティックホテルを運営することを計画していたため、バワの誘いを検討するも、最終的にはモホティ・ワラーウィの南側の土地を購入して、バワにヴィラの設計を依頼します。
そして、S. M. A. ハミードが名付けたのが「クラブヴィラ(Club Villa)」でした。
モホティ・ワラーウィはバワが買い取りますが、運営をハミードに任せ、モホティ・ワラーウィも合わせて「クラブヴィラ」として運営されます。
その後、2007年にパラダイス・ロードがモホティ・ワラーウィだった部分を「パラダイス・ロード・ザ・ヴィラ・ベントタ」としてオープンする際に、敷地の中央が塀で区切られ、ハミードがバワに建築を依頼した南側は引き続きクラブヴィラの名称となります。
2016年に、ばんせいグループの「Bansei Royal Resorts」がクラブヴィラをオーナーとなります。
2019年に、隈研吾さんによってリノベーションが行われています。
リノベーションについては、以下の記事を参照ください。
母屋(エントランス、ラウンジ、レストラン、スパ)
最初に建てられた母屋について紹介します。
エントランス
ゲートの先にあるエントランス。
エントランスには池があります。
その先に見えるのはラウンジです。
ラウンジ側から見たエントランス。
左手がゲートにつながる扉。
隈研吾さんによるソファーはまだ置いていない改装前の様子。
ラウンジ
エントランスに入ると見えるのが、このラウンジ。
夕方に日が落ちてきて、陽が斜めに差し込んでいる様子。
奥の白い壁に描かれている絵はラキ・セナナヤケさんによるもの。
右手の扉を出ると、中庭に繋がります。
レストラン
レストランはラウンジの左側から延びる廊下(母屋一階の客室を繋ぐ廊下)を抜けた先にあります。
『バワと研吾 -クラブ・ヴィラ-』には、バワがシェフのラザニアを好んだということが記述されています。
宿泊された方はラザニアをお試しになってみてください。
料理に使われているお皿は、隈研吾さんがデザインし、スリランカにあるノリタケの工場で作られた「Shiro」というオリジナルのものであることが、上記の本で紹介されています。
レストランに2階の客室につながる階段があります。
建設当初は客室は1階のみで、後になって2階が増築されています。
スパ
レストランの奥にパーゴラがあり、その左手にスパがあります。
セカンドヴィラ
右手はロビーラウンジにつながる小さなゲート。
正面の建物が母屋に続いて建てられた2階建てのセカンドヴィラ。
建物の左手側にプールがあります。
手前の椅子はバワによる設計で、車輪がついていて動かせるようになっています。
背もたれの部分が湾曲している形からインスパイアを得て、隈研吾さんはバワ生誕100周年記念の作品「Kithul Ami」を制作されたそうです。
スイートヴィラ
スイートルームがある最後に追加されたヴィラ。
ジェフリーバワは晩年は足が悪かったため、こちらの1階のスイートルームを利用していたと、『錫蘭島スリランカ Vol.1 セレンディピティに出会う』にクラブヴィラのシェフの話が引用されています。
このシェフはジェフリーバワの兄ベヴィスバワの家で料理人として働いた後にクラブヴィラの料理人なったこと、クラブヴィラの歴史について話したことがほんに取り上げられています。
母屋の南端(パーゴラがある)から、スイートヴィラを繋ぐ部分にあるスペース。
ルヌガンガにあるドナルドフレンド設計の植木鉢に似ています。
スイートルーム
2階のスイートルームのベット。
ベランダからは広い中庭とプールを見渡せます。
バワ建築でよく見る窓のドアは、オランダの建築で見られるものだと、ゴールのPedlar’s Innのオーナーから話を聞いたことがあります。
バスルームのアメニティ。
クラブヴィラのロゴは、オランダ東インド会社のロゴに似ています。
一階のベットルーム。
一階のベランダ。
ベランダから中庭を見た眺め。
クラブヴィラを予約する
クラブヴィラはBooking.comから予約可能です。
Booking.comのクラブヴィラのページはこちらです。
参照)
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「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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