バワ建築「ブティック87」〜広大な庭園とイタリア彫刻が美しい1日2組限定のブティックホテル〜
アマンリゾートに影響を与えた建築家とジェフリーバワについて説明されることがあります。
隈研吾さん、山口由美さんの共著『熱帯建築家』ジェフリー・バワの冒険(新潮社)には、以下のような記載があります。
「アマンリゾートの創業者エイドリアン・ゼッカに、お気に入りのバワ作品は何かと聞いたら、ナンバー87だと即答された。」
現在はオーナーが変わり、ブティック87(Boutique 87)という名前になっています。
オーナーはアートコレクターで自宅の設計をバワに依頼したロハン・ジャヤコティ氏。
運営はバワに自宅の設計を依頼したジャコブセン氏が経営するホテルマネジメント会社のマンナール・ハウス・コンセプト(Manor House Consepts)が担当しています。
※2021年5月現在、マンナー・ハウス・コンセプトの公式ページからブティック87が消えており、グーグルマップにも本物件については登録が消えています。マンナー・ハウス・コンセプトがマネジメントから引いた可能性があります。
87とはこの物件の住所「No.87, Galle Road」から付けられています。

目次
18エーカーにおよぶ広大な庭
バワが週末を過ごしていた別荘「ルヌガンガ」のような広大な庭があり、バワはここをルヌガンガを構成する一つとして構想したとも言われています。
ルヌガンガから車で10分の場所にあります。
バワの別荘「ルヌガンガ」やバワのオフィス「ナンバー11」と同様に、有料の見学ツアーがあるのもこのホテルの特徴です。
宿泊せずにガーデンツアーにのみ参加することもできます。
一人2,000ルピー(約1,140円:2020年3月現在)。
ブティック87の向かいの道を行き止まりまで行くと、パラダイス・ロード・ザ・ヴィラ・ベントタ(Paradise Road The Villa Bentota)、クラブ・ヴィラ(Club Villa)があります。

バワが設計を手掛けた背景
バワは1970年代後半にモホッティ・ワラウワ(Mohotti Walauwa)というベントタにある邸宅を買い取ることを友人たちに勧めていました。
※この邸宅は後にバワが購入し、現在はパラダイスロードザヴィラ(Paradise Road the Villa)として運営されています。
※ワラウワとは邸宅の意味で、ホモッティは人名です。
バワがホモッティ・ワラウワの購入をイタリア人の彫刻家のリディア・ペトロニア(Lydia Petronia)に勧めます。
リディアはバワの古い友人で、1963年に2週間セイロンに滞在しにきた際に、バワが完成間近だったベイラ湖の南にある女子校「Bishop’s Collge」のメイン階段の下に、当時の主教の彫刻制作を依頼しています。
リディアはスリランカ人のダラス・グナセカラと結婚し、海の近くにアトリエを併設した自宅を所有することを望んでいました。
そこでバワは、ホモッティ・ワラウワの購入ををリディアにお勧めしたのです。
リディアはホモッティ・ワラウワではなく、ゴールロードを挟んで向かい合う、1720年(オランド統治時代)に建てらたショップハウスを買い取ります。
バワは東側の家を180度回転させて、庭を向かうように立て直します。
これが現在はホテルの事務所として、また、オーナーのロハン・ジャヤコディの部屋があります。
西側(海側)にあった家を、東側の家と直角になるように移築し、リディアのアトリエとして使われます。
これが現在の宿泊棟です。
そして、入口付近にパヴィリオンを建てます。
これが現在の広いダイニングテーブルが置かれている建物です。
リディアの死後、建物は荒廃してしまいますが、バワに自宅の設計をしている現オーナーのロハンジャヤコディが1996年に買い取ります。
そして、ロハンがプールを追加しています。
たった2部屋の客室
この物件は3つの建物から構成されています。
客室となっているのはリディアのアトリエとして使われていた奥の建物。

1階の右手と左手にそれぞれ1室ずつ部屋があります。
チェックインはこの建物の入口にあるスペースで済ませます。

食事をここで頂くこともできます。
客室に挟まれた建物の真ん中は、共有スペースで、建物の裏手と正面をつなぐ通路でもあります。
さらに、二階に続く階段が配置されています。
建物の裏側に続く通路

建物の裏手には彫刻が佇み、まるで遺跡のようです。

2階に続く階段はとても細いうえに、手すりの背が高く、滑り台のようです。

2階は大きな屋根の先から差し込む光が、庭のグリーンを際立たせている落ち着いた空間になっています。

記事の最初の写真もここの2階のものです。
プール
プールは客室の隣にある階段を登った先にあります。
階段にはバワ建築でよく見かける葉っぱをかたどったレリーフがあります。
プールは木々に囲まれていて、プールというよりも池に見えます。
他のバワホテルのように、見た瞬間に
「素敵!!」
と思ってしまうプールとは異なり、土や木が入っていそうで、あまりそそられませんでした 笑
ただ、実際にプールに入ってみると、自然が近くに感じられて、とても気持ちが良いプールでした。
静かに入ることができて、このプールはオススメです。


ゴールロード沿いのヴィラ
もう一つのヴィラはゴールロード沿いに建っています。
当初はゴールロード沿いに入口があったそうです。
バワはそれを180度回転させてヴィラの入口が庭に面するように変えています。
現在は事務室やキッチン、そしてオーナーの部屋として使われています。

ガーデンツアー
宿泊客は自由に庭を見て回ることができる。
まず、目に入るのは大きな池です。
食事はヴィラでも食べられますが、私は夕食も朝食も池に面した席でいただきました。
こちらは朝食の様子。 
夕食は池に浮かぶ島に生えた木がライトアップされ、いくつものキャンドルに火が灯され、ムーディーな雰囲気の中、食事をいただくことができます。

宿泊棟の周囲には彫刻がいくつか飾られています。

彫刻の脇の道を歩いていくと、奥まで続く庭に続いていきます。
最初の見えてくるのが横に枝が伸びた木と壺です。

その先は右手に行くと、食事をした席から見える小さなな島に渡れるようになっています。
木々に囲まれた道を進んでいきます。

すると、いきなり教会が見えてきます。

これはバワが設計した教会だそうです。
ここはバワが弟子たちを木の周りに座らせて、教えていただ場所とのことです。

その近くには、バワが紅茶やコーヒーを飲んでいたという席があります。

敷地の奥から池を眺めた光景。敷地がかなり広いことが分かるかと思います。

ぐるっと庭を戻ってくると、宿泊棟のヴィラが見えてきます。

ヴィラの正面の庭にも印象的な置物が設置されています。

バワ建築は日本建築や日本庭園に似ていると言われますが、Boutique 87の庭を歩いていると、
「あ、ここにも道があった!」
と生い茂る緑の中に小径を見つける楽しみがあり、まさに日本庭園のようです。
ゴールロード側にもいくつか小径、スペースがあります。

敷地の境界線として、敷地の各所に柱が建てられています。

ホテルとガーデンツアーを動画でご紹介
こちらの動画ではホテルの各施設やガーデンツアーについて動画でご紹介しております。
参考
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SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
スリランカ日本人会理事 兼 広報部長
WAOJEコロンボ初代支部長・理事
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
歴史・地理・建築が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年8月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長・理事に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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