南アジア一高いロータスタワーに登ってみた
2019年9月16日にオープニングセレモニーが開催されるも開業しなかったロータスタワーは、3年後の2022年9月15日にようやく開業しました。
2022年12月にロータスタワーに登った様子をお届けします。
目次
高さ南アジア1位は本当か?
南アジア1位の高さと聞いて、ムンバイの方が高いタワーがあるのでは?と思う人も多いと思います。
ロータスタワーの高さは350mですが、インドで最も高いビルは320mのPalais Royaleです。
ムンバイにはロータスタワーの2倍上の高さである126階建て707.5mと計画されたインドタワー構想がありますが、2011年に建設が中断されています。
タミル・ナードゥ州にあるインド海軍のタワー「INS Kattabomman」は、ウィキペディアの「List of tallest structures in India」には、ロータスタワーを超える417mとあります。
英語版のウィキペディアのロータスタワーのページには南アジア2位の高さと記載されていますが、日本語版にはロータスタワーが南アジア1位となっています。公開されていて、入場できる建物としては南アジア1位と言えます。ロータスタワーのウェブサイトには自立式のタワーでは南アジア1位と書いてあります。
ちなみに、インドの高いビルの1位〜13位がムンバイ、14位がコルカタ、15位〜45位もムンバイ、46位がグルガオンとインドの高層ビルはムンバイに集中しています。
ロータスタワーの高さ350mは、ラスベガスのストラスフィアーと同じ高さで、マリーナベイサンズ200m、エッフェル塔300m、マハナコンタワー314m、東京タワー333mより高く、ペトロナスツインタワー452m、上海タワー468m、台北101の508mよりは低いです。
スリランカ国内の高い建物の順位は以下の通りです。(2位を100m以上離しています。)
1位:ロータスタワー 350m
2位:Altairのまっすぐのビル 240m
3位:グランドハイアット 229m
4位:Altairの斜めのビル 209m
5位:One Galle Faceのレジデンシャルタワー 194m
6位:コッテのClearpoint 185m
7位:コロンボシティーセンター 183m
8位:Pearl Grand Towers 178m
9位:ムッラティーブのKokvail Tower 174m
10位:Havelock City 166m
11位:One Galle Faceのオフィスタワー 165m
12位:Cinnamon Life Colombo 153m
13位:ワールドトレードセンター 152m
外国人の入場料は20ドル
2022年12月18日16 時、ロータスタワーにやってきました。日中・夕方・夜間の景色を楽しむには17時に来るのがいいと思いながらも、ロータスタワーから近いマラダーナのホテルにチェックインし、仕事がひと段落したので早速登ることにしました。
チケット売り場の大きな電光掲示板には、大晦日のライブを伴うニューイヤーイブディナーの宣伝が映し出されていました。
映し出される画像がどんどん変わっていきますが、ミュージシャンやパフォーマーの写真が映し出されるのを少し待ちましたが、撮影し損ねてからなかなか出てこないので、チケット購入に進みました。
スリランカ人のチケットは500ルピーなのに対して、外国人は15倍の7,500ルピーもします!知ってはいましたが、前後に並ぶスリランカ人の中で、唯一の外国人として一人で並んで買っている自分が物好きな人に思えてきます。
USD20は2月7日のレートでは2,640円ほどです。
東京スカイツリーの前売り券は天望デッキが1,800円、天望回廊と天望デッキのセット券が2,700円。
東京タワーはメインデッキの入場料が1,200円、トップデッキツアーは事前予約で2,800円。
台北101の展望台の入場料が600台湾ドル(2,640円)。
これらはほぼ同じ値段ですので、そう考えると特別高いわけではないように思えます。
バンコクのマハナコンタワーの展望台は880バーツ(約3,467円)、上海タワーの展望台は180元(約3,510円)とロータスタワーの外国人料金よりもさらに高いです。
ラージャパクシャ兄弟の名前が刻まれた石碑
ロータスタワーは、マヒンダ・ラージャパクシャが大統領の時の2012年に着工しています。
経済開発大臣を務めたバジル・ラージャパクシャ、防衛省と都市開発局の秘書官だったゴタバヤ・ラージャパクシャの名前が刻まれています。
TRCSLの会長の名前もありますが、TRCSLとは「Telecommnications Regulatory Commission of Sri Lanka)の略称で、石碑の一番下にも刻まれています。
ロータスタワーは放送通信と観光のために建設されたことになっています。
スリランカの国花はブルーロータスですが、マヒンダ・ラージャパクシャが党首を務めたSLPP(スリランカ人民戦線)のシンボルは以下の画像の通りに蓮の花です。
ちなみに、ロータスタワーはシンハラ語ではනෙලුම් කුලුන(Nelum Kuluna)と言います。
නෙලුම්(ネルン)が蓮、කුලුන(クルナ)が柱という意味です。
スリランカ最速のエレベーターで展望台へ
タワーのベース部分に入ると改札口にあるマシーンのようなチケット確認機械がありますが、15倍のお金を払っているからなのか、外国人だからなのか、中国人に見えるからなのか、僕に対してはスタッフが一人ついてエレベーターまで案内してくれました。
そのままスタッフさんもエレベーターに入り、エレベーターガールならぬエレベーターボーイをしてくれました。
展望台があるのが29階です。
エレベーターはフジテック製。フジテックはロータスタワーに6台のエレベーターと8台のエスカレーターを納入しています。
6台のエレベーターのうちの3台は分速420mの高速機種で、スリランカ国内で最も速いエレベータです。
屋外を360度ぐるっと回れる展望台
南国スリランカは暖かいこともあって、展望台はガラス張りの屋内ではなく、屋外を歩いて回って景色を楽しむことができます。
入口と出口が決まっていますが、入口と出口があるのはコロンボフォート駅の上空です。
↓右側を見ると、マラダーナ駅が見えます。
↓左側の遠くを見ると、コロンボフォート駅やベイラ湖の先にコロンボ港が見えます。
展望台は左回り(反時計回り)に回るようになっていますので、進んでいきます。
↑ベイラ湖の先に、建設が進むポートシティーが見えます。
↑もう少し進むとゴールフェイスやコッルピティヤが見えてきます。
↑スレイブアイランドの手前と奥にベイラ湖が見え、かつてはベイラ湖に囲まれていたことが想像できます。ベイラ湖はポルトガル植民地時代にコロンボフォートの防衛のためにポルトガルによって造られた人造湖です。奴隷をベイラ湖に囲まれた場所に住まわせたことからスレイブアイランドの名が地名として残っています。
↑St. Joseph’s Collegeの校舎やグランドが見えます。ベイラ湖の先は高級住宅地のシナモンガーデンズ(コロンボ7)です。
展望台からの動画
開業予定の回転レストラン
展望台を見終わったら、エレベーターまで案内してくれたスタッフさんが待っていて、「降りますか?」と聞かれました。
展望台の下の階に回転レストランと記載されているので、それが見たい!と言ったら階段で案内してくれました。
この薄暗い階段を降りていきます。
回転レストランは昔の建物にあった過去のもののイメージがありますが、それは日本では1980年代に多く作られたからのようです。
デリーのコンノートプレイスにある回転レストラン「Parikrama The Revolving Restaurant」は1991年開業で、2022年10月に訪れた時は昔懐かしい雰囲気がありました。
とはいえ、スリランカでは回転レストランがありませんので、ここでは新しいアトラクションと言えます。
新しいものなら辿り着くまではワクワクするような導線にすればいいのに、まだオープンしていないとはいえ、この階段はないんじゃないかな〜と思います 笑
レストランに到着!まだ開業前なので、テーブルと椅子がまばらに置いてあるだけです。ゆったりしているスリランカの人たちがたくさんいました。
完成から3年経ってようやく開業して、まだレストランがないんかい!と思います。
そもそも2018年完成予定だったのが2019年に完成しているので、すでに4年遅れです。とは言え、スリランカの新しい商業施設は1年以上遅れてオープンするものの一部しか開業しておらず、2〜3年経って段々とお店が開業するのが常ですので、予想通りではあります。
日本は開業日に全部のお店が揃ってオープンしますが、スリランカやインドでは3階や4階から開業!なんてことはよくあります。
ぐるっと一周して、エレベーターに戻ると、案内のスタッフさんが待っていて、下におりました。
Dialogの新サービス体験コーナー
タワーのベース部分に降りるとまず、携帯電話通信の市場シェア1位のDialogのコーナーがあります。
↑ドライビングマシーンのコーナー。
↑人の動きに合わせて動くロボットのコーナー。
↓Galaxyのコーナー
Mobitelのコーナー
Dialogの隣の部屋には携帯電話通信の市場シェア第2位のMobitelのコーナーがありましたが、一人もお客さんがおらず、ガランとしていました。
空港のSIMカードブースでもDialogにばかり人が並んでいますが、ここでも人気の差が歴然。
Mobitelの先はソファーが置かれた広いスペースがあり、その先のエスカレーターで地上階に降りて終わりとなります。
エスカレーターまでスタッフさんがついてきて、そこで見送られました。外国人が少ないから僕一人につきっきりの対応なのでしょうが、一人で見て回る方が気楽でいいのですが(笑)
このエスカレーターもフジテック製。
湖畔の屋台
エスカレーターを降りて、出口を出ると湖畔にテーブルと椅子が並んでいるのが見えます。
屋台も並んでいます。
リニアパーク
湖畔には歩道(リニアパーク)があります。リニアパークとは、川沿いや道路沿いなどに作られる線形の公園です。ニューヨークのハイライン、札幌の大通公園、名古屋の久屋大通公園などもリニアパークに分類されるようです。
リニアパークはロータスタワーが建つ大きい方のベイラ湖をぐるっと半周作られています(一部工事中)が、ロータスタワーの南側の歩道は扉が閉められていて、それ以上行けません。
北側の歩道はずっと続いていますので、しばらく歩いて行くことができます。
湖の反対側のビル群が見えます。
ベンチなどもあります。
ブランコもあります。南側の歩道にはフェリー乗り場以外、何も設置されていせんが、北側の歩道は点字ブロックもあります。
ちなみに、点字ブロックは1965年に岡山県の発明家である三宅 精一さんが考案した日本発祥のもの。世界で初めて設置されたのは岡山県の岡山盲学校の近くだそうです。
スリランカで最長の点字ブロックはここ、リニアパークかもしれません。(調べていません。)
湖畔には鳥たちの様子が見られます。
リニアパークから見るロータスタワーの景色も良いです!夜も綺麗かもしれません。
タワー正面に戻る
タワー正面に戻ってきたら、ちょうどライトアップが始まる18時でした。
屋台街のアルトゥカデーで食事をした後に、歩いて戻ってる際にロータスタワーは見ましたが、ライトアップされた夜の方が綺麗です。
↓マラダーナの歩道橋から
関連記事
参考)
Lotus Tower
Wikipedia:Lotus Tower
List of tallest structures in Sri Lanka
List of tallest buildings in India
Indian Navy:INS Kattabomman
南アジアで最も高い建造物「ロータスタワー」にスリランカ国内最高速のエレベータを納入
ウィキペディア:回転レストラン
Wikipedia:Linear park
パラサポWEB:日本の点字ブロックに外国人が驚いた!その理由とは!?
ウィキペディア:視覚障害者誘導用ブロック
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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