姉妹都市のモラトゥワ市と吹田市

日本にはスリランカに姉妹都市がある市が3つあります。
京都府宇治市がヌワラエリヤ市と、大分県臼杵市がキャンディ市と、そして大阪府吹田市がモラトゥワ市と姉妹都市提携をしています。
本記事では、姉妹都市の関係にある吹田市とモラトゥワ市について紹介します。
目次
吹田市で最初の姉妹都市「モラトゥワ」
吹田市の姉妹都市は、日本国内に6つ、海外に2つあります。
その中でも一番最初に姉妹都市となったのがモラトゥワ市です。
1980年10月にスリランカ大阪名誉総領事館が吹田市江坂に開設され、名誉総領事から吹田市に対してモラトワ市との都市提携の申し出があったそうです。名誉総領事がモラトゥワ市出身の方だったのかもしれません。
1981年7月に吹田市長、吹田市議会議長によるスリランカ先遣視察が行われ、翌月8月に開催された「吹田まつり」にスリランカ民族舞踊団が特別参加。当時の写真が吹田まつりのウェブサイトに掲載されています。
1982年5月に市議会の議決を得て、1982年7月20日にモラトワ市代表団を吹田市に招いて、正式に調印されたそうです。
姉妹都市の交流としては、吹田市内の大学に通う学生がスリランカでホームステイをしたり、吹田市の代表団がモラトゥワ市を訪問するなど日本から渡航もあれば、吹田まつりなど吹田市のイベントごとにスリランカ伝統舞踊団がパフォーマンスするなどの取り組みが行われているようです。
現在のスリランカ名誉総領事館は吹田市ではなく、大阪市にあります。
ジェフリーバワ設計のセイロン館跡
1981年にスリランカ民族舞踊団が特別参加した吹田まつりは、大阪万博が開催された1970年に始まったお祭りですが、大阪万博ではジェフリーバワさん設計のセイロン館が建てられました。
万博公園内には、各国のパヴィリオン跡地に当時の写真と説明書きが置かれています。
私はセイロン館跡を見にいくために万博公園を訪れましたが、セイロン館跡は車専用の入口の道路のところにあり、関係者以外歩いていくのは禁止と書かれていて、すぐ近くまで行ったものの辿り着けませんでした。
公園の方に相談すれば見せてもらえそうですが、閉園時間が迫っていましたので、今回は諦めました。
建築という繋がり
ジェフリーバワさんが吹田市にセイロン館を建てたことに加えて、建築でつながるものがあります。
建築の名門モラトゥワ大学
モラトゥワ市にはスリランカにおける建築の名門校「モラトゥワ大学」があります。
ジェフリー・バワさんやウルリク・プレスナーさん(バワの最初の建築パートナー)が建築に関する教鞭をとったカトゥベッダ・テクニカル・カレッジが後にモラトゥワ大学に統合されて、モラトゥワ大学建築学部となっています。
カトゥベッダ・テクニカル・カレッジで学んだ一人が、バワのホテルに作品を残したイスメス・ラヒームさん(画家・建築家)です。イスメス・ラヒームさんが後年に建築設計事務所を設立した際のパートナーであるフェローズ・チョクシーさんもカトゥベッダ・テクニカル・カレッジで学んでいます。
バワの最後の建築パートナーであり、ジェフリーバワ財団の理事長であるチャンナ・ダスワッタさんは、モラトゥワ大学建築学部を卒業されています。
参考)
スリランカと吹田市の安藤忠雄建築
工業用タイヤ製造会社をスリランカで創業し、世界市場の約半数を占める企業に育て上げてミシュランに売却したベルギー人実業家ピエール・プリンジャーズさんが、ベルギー人画家である妻のサスキア・ピンテロンさんにミリッサに建つ安藤忠雄設計の住宅をプレゼントしています。
それは、サスキアさんが安藤忠雄さんの「光の教会」に感銘を受けて、安藤忠雄建築のファンだったからだそうです。
参考)
光の教会は吹田市(大阪万博記念公園の北)にあります。
訪問した2022年9月30日、教会の入口にはコロナ禍でしばらく教会の見学は受け付けていないと書かれていました。
光の教会といえば、十字架が有名ですので、外側から眺めて帰ってきました。
国立民族学博物館とスリランカ
万博公園内にある国立民族学博物館では、太平洋の国々から始まり、アメリカ大陸、アフリカ、ヨーロッパ、アジアと世界の民族や文化、歴史について学べます。
国立民族学博物館の名誉教授である杉本良男さんは南アジア研究・社会人類学を専門分野とされているため、スリランカに関する書籍を多数執筆されています。
以下、杉本さんが書かれたスリランカに関する本です。
杉本さんは「キリスト教文明と南アジア・ナショナリズム」を各個研究とされていますので、アナガリーカ・ダルマパーラさん、ジュニウス・ジャヤワルダナさんなど美談として扱われる人たちの功罪についても書かれていますので、スリランカの近現代史を知る上でとても参考になります。
国立民族学博物館のメインとなる地域展示と通文化展示は、オセアニアを出発して東回りに世界を一周し、最後に日本にたどり着く構成になっています。
オセアニアではココナッツ削りやココナッツの素材から作られる船などが展示されています。太平洋地域の人々とスリランカの共通点としては、万能植物であるココナッツを多用していることでしょう。海でつながっていたことが想像できて面白いです。
また、8〜15世紀のインド洋交易の主要航路が展示されていて、ゴール、コロンボ、マンダイがインド西海岸、アラビア半島南岸、アフリカ東海岸、ベンガル湾、スマトラ島などと繋がっていたことも分かります。
インドネシアから世界各地に伝わったバティック(更紗とプリント布)の伝播経路もあります。
南アジアの言語分布の図には、スリランカ、インド本土と諸島、モルディブ、パキスタン、ネパール、バングラディシュの語族の分布が示されていて、非常に興味深かったです。
大阪大学の学生が弊社でインターンしていた時は、国立民族博物館でスリランカの仮面の展示を見たそうですが、私が訪れた時は南アジア展示にスリランカに関する展示はありませんでした。
スリランカの展示がなくても、スリランカの歴史や文化に影響与えたものが何を勉強できるとても良い施設だと思いました。
参考)
国立民族学博物館:スタッフの紹介 杉本良男(スギモト ヨシオ)
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「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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