ニゴンボを代表する仏教寺院「アングルカラムッラ寺院」
ニゴンボビーチを歩いていると、ニゴンボツアーに行かないか?と声を掛けられることがありますが、その中の目的の一つに挙げられることが多いのが本記事で紹介する仏教寺院「アングルカラムッラ寺院(Angurukaramulla Raja Maha Viharaya)」です。
アングルカラムッラ寺院とは?
アングルカラムッラ寺院(別名:ボーディ・ラージャ・ラーマヤ:Bodhirajaramaya)は、ニゴンボ市アングルカラムッラにある仏教院です。
アングルカラムッラは、国道3号線(A3)に沿った南北に細長い形をしていますが、アングルカラムッラ寺院は国道3号線と並行して走る道「テンプルロード」にあります。
スリランカの各町には仏教寺院、ヒンドゥー寺院、モスク、教会がありますが、2011年の国勢調査によれば、ニゴンボの人口の65%がキリスト教徒、14%がイスラム教徒で、仏教徒は11%と少数派です。
キリスト教会が多い町ニゴンボにおいて、この仏教寺院が知られているのは、スリランカ仏教復興活動家として知られる寺院設立者のワリシンハ・チャンドラの存在が大きいでしょう。
また、高さ6メートルの仏像、300年以上前の図書館跡、龍の頭の入口というユニークさも併せ持っています。
仏教復興運動家のワリシンハ・チャンドラ
アングルカラムッラ寺院に関係するのが、仏教復興運動家・著作家のワリシンハ・チャンドラです。
ワリシンハ・チャンドラは、アヌラーダプラを仏教聖地として有名にした人物として知られています。
アングルカラムッラ寺院の向かいにある「ハリスチャンドラカレッジ」は、ワリシンハ・チャンドラの名から取られた学校です。
また、ワリシンハ・チャンドラの自宅は、彼の83回忌である1996年9月13日に、スリランカ政府の文化省が所有し、文化センターとして運営されています。
ワリシンハ・チャンドラは、アナガリーカ・ダルマパーラが設立した大菩提会(Maha Bodhi Society)で秘書官(セクレタリー)として活躍しています。
『聖地アヌラーダプラの説明』『ドゥトゥゲムヌ王の偉大な物語』『ルンビニ』『マハーボディ』『ジャヤ・スリ・マハ・ボディの意義』『デーヴァナンピヤティッサ王の生涯』など、13冊の本を執筆し、出版しています。また、雑誌『マハボディ』の編集者も務めています。
ルワンウェリ・ダゴバ改善協会を創設者でもあり、アヌラーダプラとミヒンタレーの古代仏教寺院の修復にも取り組んでいます。
ワリシンハ・チャンドラによるこれらの活動によって、アヌラーダプラとミヒンタレーが仏教聖地として知られるようになったと言われています。
禁酒活動にも熱心で、スリランカ禁酒協会の多くの会合で演説を行っています。
1913年9月13日、癌のため36歳で亡くなっています。
6メートルの仏像

寺院の敷地に入ると、左手に仏像、仏塔、時計塔が並んでいるのが見えます。
亀のいる池があり、その奥に6メートルの仏像があります。
仏像の下に龍が口を開けていて、そこから中に入ることができます。
龍は邪気を払うとされているそうです。
入場料は1000ルピー
この中に入るには拝観料が必要です。
ドネーションの一覧を見せられて、1000ルピーを支払うよう言われました。
お金を払うと寺院の堂内の絵を説明したパンフレットを渡してくれます。
堂内ではブッタの一生と、スリランカの歴史書マハーワンに関する絵画と彫刻が見られますが、パンフレットには絵と彫刻の説明が書かれています。パンフレットは英語、中国語、日本語などで書かれています。日本語はあまり正確な文章ではないですが、意味は分かります。

ブッタは、マーヤーの右脇から生まれ出て、7歩あゆみ、右手を上に、左手を下に向けて「天上天下唯我独尊」と言ったといわれますが、それを描いた絵。

ブッタが悟りを開く禅定に入るのを、魔神マーラが美しい女性3人を送り込み、邪魔をしようとした際の絵。

続いてマーラは、怪物たちを送り込みますが、ブッタに近づくことができます。その時を描いた絵。

菩提樹の下で瞑想し、スジャータからミルク粥のお布施を受けた時の絵。

スリランカの歴代の王を描いた絵も並んでいます。

仏塔
台座の上に2頭のブロンズライオン像があります。
ストゥーパの内部にも、絵画や彫刻が施されています。

2019年12月に行った時は内部を見学できましたが、2022年12月に訪れた際はリペア中で中には入れませんでした。
300年前の図書館跡
苔と石彫で覆われた300年以上前の図書館跡が敷地内にあるそうで、見落としてしまいました。
以下の写真は仏像の向かいにある建物ですが、なかなか立派です。

参考)
Amazing Lanka:Bodhirajarama Maha Viharaya (Angurukaramulla Temple) – මීගමුව බෝධිරාජාරාමය
YAMU:ANGURUKARAMULLA TEMPLE (NEGOMBO)
Love Sri Lanak:ANGURUKARAMULLA TEMPLE
Truly Sri Lanka:Angurukaramulla Temple
Department of Cultural Affairs:Brahmachari Walisingha Harischandra Museum
wikipedia:Walisinghe Harischandra
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
# 関連キーワード
新着記事
-
スリランカのサイクロン影響と最新状況|観光・鉄道【12月4日・随時更新...
スリランカを襲ったサイクロンにより発生した洪水・地滑りで、犠牲になられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、御遺族に対し謹んでお悔やみを申し上げます。被害に遭われた方々の早期の御快復をお祈りし、心よりお見舞い申し上げます。 …
2025年12月01日 -
スパイスアップスリランカ【デジタル版】|vol.19 アルガムベイ特集
目次1 スリランカ唯一の日本語情報誌『スパイスアップ・スリランカ』デジタル版を公開!2 2025年10月発行 vol.19「アジア屈指のサーフスポット 東海岸アルガムベイ」特集号2.1 vol.19目次3 vol.19デ…
2025年11月20日 -
ウナワトゥナのブティックホテル「Sergeant House」|ゴール...
スリランカ南海岸・ウナワトゥナのブティックホテル「Sergeant House(サージェント ハウス)」は、19世紀の邸宅を改装したプライベートな隠れ家。風の通るテラス、緑に包まれたプール、そしてわずか5室の上質な客室が…
2025年11月03日
