【日本語学校巡り第1弾】Shinju Japanese Language Centre
こんにちは。ゆうなです!この所連載がストップしてしまっていてすみません。服屋巡りの記事は勝手に終了して(今まとめ記事を書いている途中です)、これからはスリランカにある日本語学校に取材した記事を書いていきたいと思います。まず、なぜ私が日本語学校に興味を持ったかと言うと、私自身海外で生活したいな〜という漠然とした夢があり、その手段のひとつとして日本語教師、というお仕事があったからです。そして、私自身が塾の講師をしていたり、夏休みに中学生に宿題を教えるボランティアに参加したり、と”教える”という仕事にやりがいを感じられること、自分自身が人と直接関わってコミュニケーションをとるのが好きであることから教師というお仕事に興味を持ちました。そんなことから、現在大学4年生である私は10月から始まる後期の授業が週に2コマ(ゼミと必修のホームルームのような授業)しかなくて時間にかなり余裕があることもあり、10月から半年間週に3日の日本語教師養成講座420時間コースを受講することにしました。このコースを受講することに決めたのはスリランカに来る前の話です。また、日本語教師というお仕事が来年2024年の4月から国家資格になることから、今のうちに受講しておくのがいいかな、と思ったというのもあります。
スリランカの日本語学校で働きたい!という日本人や、スリランカの日本語学校と提携したい!という日本の企業の方や、観光でスリランカに行く予定だけど子どもが好きでせっかくなら現地の子どもたちと交流したい!というような方に届けばいいいな、と思います。
本日は日本語学校巡り第1弾として、Spice Up Houseから車で1時間ほどの場所にある、Shinju Japanese Language Centre (Shinju JLC) 真珠日本語学校を紹介します。
真珠日本語学校のオーナーであり、ご本人も先生として教えていらっしゃるカンチャナさんにお話をお伺いしました。
真珠日本語学校とは
学校設立の経緯
写真の右から2番目が私ですが、右から3番目がオーナーのカンチャナさんです。今は日本語ペラペラのカンチャナさんですが、高校生の時は語学の選択科目としてフランス語の方が興味あったようです。ですが、お母さんに日本語の勉強を勧められたことや、スリランカ人の日本語の優秀な先生が家の近くにいたことから日本語というものに興味を持ち始めます。1990年代は日本語をもっと勉強したかったけれども、日本人になかなか会えなかったようです。しかし、カンチャナさんが高校生の時、日本からJICAのボランティアで夫婦がスリランカにやってきたそうです。その方たちと交流を深めたことや、その夫婦が日本に帰ってからも毎日電話をして日本語を勉強したことによって、カンチャナさんは高校の授業で1番の成績を取ったようです。しかも、卒業式の時に生徒代表として発表もしたみたいです。そして日本語の試験であるN2に合格し、現在の旦那さんであるスリランカ人の彼と一緒に日本に行くチャンスを与えられます。その後、日本からスリランカに帰って来てからN1の試験に合格したようです。
2000年からスリランカで日本語を教え始めましたが、最初はお家で小さな塾のような形で4年間授業をしていたようです。その後2005年から2年間、JICAのボランティア夫婦の人の紹介もあり、再度日本に行く機会を与えられたそうです。日本ではご主人はお仕事していたそうですが、カンチャナさんは様々な体験をしたり、日本の資料を集めたり、日本語を教える勉強をしたりしていたようです。お寺や静岡にあるフクロウの公園、東京タワーに名古屋城、日光に行ったり、お花見やひな祭り体験をしたり。お正月のグッズを100円ショップで集めたり、富士山にも行ったものの、雨が降って途中までしか行けなかったようです。(笑)
現在の生徒数、生徒の年齢
現在は合計で100人くらいの生徒が在籍されているようです。高校生のクラスが3つで60人くらい、他には中学生のクラスが1つ、小学生のクラス、能力試験のためのクラスがN3.N4.N5のクラスとあるようです。やはり高校の選択科目で日本語を選択するする人が多いとの事です。そのため高校でいい成績を取りたい!または親がいい成績を子どもに取らせたい!という気持ちでこの学校に通わせるというパターンのようです。補習塾のような感じなので、生徒はみんな中高生との事です。日本に行って日本の大学で勉強したり、日本で仕事をしたいという気持ちの高校生が多いとおっしゃっていました。私は土曜日のお昼すぎにお伺いしましたが、その時のクラスはみんな女の子でした。
先生の人数、日本人の先生の有無
現在はカンチャナさんご本人と、カンチャナさんの教え子であるスリランカ人女性2人が授業されているようです。日本人の先生はいないということで、ぜひ日本人の先生を雇いたい!との事でした。
真珠日本語学校はいつ設立されたのか?
現在の真珠日本語学校という名前で始めたのは2007年からのようです。
教室の設備
元々は下の教室だけでしたが、人数が増えたこともあり途中で上の階も借りて現在教室は2つあるようです。上の階のフロアの教室の横は、オフィスになっています。私が訪れた日にも、新しく入学希望者の生徒と保護者の方がいらしてました。
卒業生の進路実績
もうすぐ名古屋にある日本語学校に行く予定の生徒がいるみたいです。これまでにも何人か日本に送っているようで、提携している日本語学校が名古屋、東京、千葉、岐阜、などにあるようです。基本的には日本語学校に行ってから専門学校や大学に進学し、卒業後日本で働いている卒業生の中にはトヨタや日産で働いている子がいる、とのことでした。ほとんどの生徒が長期的に日本に行きたい、という思いを持っているようで、カンチャナさん自身もビザなどのお手伝いをしたり、既に日本に送った卒業生と今でも連絡を取り続けているようです。そしてもっとたくさんの生徒たちを日本に送りたいと思っているようです。
授業のスケジュール
水曜日だけ教室自体がお休みのようです。クラスによって違うみたいですが、だいたい1クラス2時間で、高校生は試験が近づいたら1日8時間 も勉強するみたいです。
授業内容
日本語を喋る、ということはあまりせず、基本的に読み書きがメインのようです。先生自身は日本語を喋るようにしているようで、そこで日本語を聞く力をつけているようです。日本の英語教育と同じような形態ですね。
シンハラ語から日本語にして、簡単な単語から順番に教えているようです。ちなみに授業をのぞかせていただきましたが、みんな日本語で挨拶と名前と年齢の簡単な自己紹介ができていて、授業がしっかり実施されているのが伝わってきました。また、日本人の先生が欲しい理由として、最初はシンハラ語から日本語を教えるという教え方でもいいけれど、レベルが上がったらやはり直説法で日本語から日本語で教える方がいいとカンチャナさんが思っているからでした。
他の日本語学校とは違う真珠日本語学校の特徴
家族みたいに仲の良い距離感がこの学校の特徴です。高校で友だちがいないような生徒でも、真珠に来たら新しい友だちができたり、1年くらい真珠に通っている生徒はカンチャナさんのことをお母さんやお姉ちゃんのようになんでも積極的に話すようになったり、家では話せない悩みや何か問題があっても相談したりする生徒がたくさんいるみたいです。
また、真珠では文化祭、発表会(コンサート)などのイベントを定期的に開催しているようで、普段話さない子も協力的に一緒に集まって、ダンスをしたり歌を歌ったりしているようです。そのようなイベントを開催する理由としては、とにかくみんなで仲良くなって真珠をアットホームな空間にすることによって、真珠に行きたいと思えるようになって、日本語の勉強も楽しくなるし、何か嫌なことがあっても気持ち的に楽になるのではないかと、カンチャナさんは考えられているようです。素敵ですね。
また、日本に留学した生徒のことも2年間は面倒を見ているようです。ホームシックになった時に、カンチャナさんに相談する卒業生は多いみたいです。最近では寮にゴキブリが発生する問題があったようで、その留学生のことを心配されていました。
生徒の集め方
宣伝はあまりせず、友だちや実際に日本に行った留学生からの紹介で入ってくる生徒がほとんどのようです。
日本語を教える上で気をつけていること
そもそも教えることが好きだというカンチャナさん。日本語を教える時に注意している事として、文法のノートを綺麗に書くように指導しているとのことでした。文字が汚かったり、ノートの書き方が汚いとそもそもノートを開く気にならない、だから字を丁寧に書いて、ノートを綺麗にとる事が大切だとお話していました。また、視覚で覚えやすいように、ノートに絵を書いたり写真を貼ったりして、とにかく見やすくてわかりやすいノート作りを徹底しているようです。他には、ひらがな・カタカナの書き順にも注意しているとの事でした。とにかく復習することが重要との事です。
これから真珠日本語学校をどうしていきたいか?
現在は借りた建物で授業を行っていますが、将来的には自分の建物で地上のフロアを受付にして、その上に教室を作りたいとおっしゃっていました。また、内装を日本風の部屋にしたいとの事で、床の間を作りたいと話していました。
学生に質問
今回は6年間日本語を勉強しているという、2人の高校3年生の生徒に直接お話を聞くことができました。藤井風の曲が好きだと話す18歳のメッマ ビシューさんと、19歳のデワンギさんが協力してくれました。ありがとうございます!
日本語に興味を興味を持った理由
日本に行きたいから、日本で勉強したいから、観光したいから、との事です。
なぜ真珠日本語学校に決めたのか?
デワンギさんは家から近くてこの学校を選んだようです。
卒業したらやりたいこと
メッマさんは通訳者になりたい、デワンギさんは日本でツアーガイドをしたいとの事です。
日本に行ったらやりたいこと
デワンギさんは小さい時一度家族で日本に行ったことがあるようで、その時は東京のレストランに行ったと話していました。
メッマさんは日本語を勉強したい、富士山や東京タワー、北海道 の雪祭りにも行きたいとの事です。
最近のスリランカでの流行り。休日の過ごし方
休みの日は映画を観に行ったり、友だちとご飯に行くみたいです。他にはクリケットの試合を観に行くと話していました。今は特にバービーの映画が流行っているみたいですね。先月はコロンボでk-popフェスティバルが開催されていたようで、BLACKPINKやBTSも人気みたいですよ。
真珠日本語学校の良い所
2人とも先生が親切で優しいところが良いと話していました。
私の質問に頑張って日本語で答えてくれたお2人は、ほとんどの質問を理解してスムーズに答えてくれて、かなり日本語が上手でびっくりしました!
実際に授業中の生徒たちに折り紙を教えてくれないか、というお話で、鶴の折り方を教えさせていただきました!
その後は、また別の生徒たちに好きな食べ物は何ですか?、好きな色は何色ですか?という質問をさせていただきました。スリランカの女子高生はみんな共通してチョコが好きなようです。(笑)
また、スリランカの伝統的なダンスと有名な歌も披露してくれました。
やはり、スリランカ人。最初はとてもシャイでなかなか喋ってくれませんでしたが、徐々に打ち解けて、最後はみんな笑顔で「さようなら!」としっかり挨拶してくれました。元気いっぱいの学生たちから私も元気をもらうことができました。コロンボの中心地からは少し離れた場所にありますが、とにかくカンチャナさんの人柄が素敵で日本人ウェルカム精神なので、観光客の方でも現地の中高生と触れ合いたい方にはとてもおすすめの学校だと思います。
追記
9月25日に真珠日本語学校で文化祭イベントが開催されていました!そこに、最近来た日本の大学生のインターン生の桃子ちゃんと、奈良県の公立高校教師をされている坊先生と一緒にお伺いさせて頂きました。なんと私たちのことを盛大にお出迎えまでしてくれました。一人一人にお花のプレゼントまで!ありがとうございます。入り口には七夕の短冊も展示されていましたよ。
文化祭ではたくさんの種類の日本のグッズが展示されていて、日本人の私から見ても、カンチャナ先生は本当に日本の文化が好きで、色んなところに実際に足を運んで集められたんだろうな、と思うと時間もかかったでしょうし、その努力とそれだけ日本のことを伝えたいというお気持ちが素敵だなと思いました。私の実家にもこんなにたくさん揃っていません(笑)
生徒たちはそれらを見て回り、私たちが来てからはまずは習字を教えさせていただいて、その後は着付けをしたり、日本語の単語を使って絵しりとりゲームをしたりしました。絵しりとりでは日本語の勉強歴が長い生徒たちがかなりボキャブラリーを持っていて、率先して早いペースでたくさんの絵を描いてくれていましたよ。生徒たちは夢中になってゲームを楽しんでくれていましたし、ユニークなアイデアがあって見ていて面白かったです。
習字では、坊先生が”愛”という文字を書いていましたが、まだ漢字は習っていなくて少し難しいという生徒たちには”日本”という漢字を書いてもらいました。書き順やバランスが難しかったようですが、みんな上手に書けていましたよ。
着付けは私はもうスリランカに来て以来インドでもくふ楽さんのイベントで何十人も着せてきたのですが、カンチャナ先生は浴衣を持っているのに正しい着方は分からないということで教えさせて頂きました。自ら着付けをするというのは少し難しかったようですが、実際に着付けた生徒たちはとても喜んでくれていましたよ。
真珠日本語学校ではこのように定期的にイベントも開催しているようです。
大窪邑奈
関西在住の大学4年生。2021年9月から2022年6月末まで約10ヶ月間ハワイにて語学留学を経験。2023年2月から1ヶ月間東欧ジョージアでノマドワークについて学ぶ。2023年8月から2ヶ月間、大学最後の夏休みを利用してスリランカにてWebライターのインターンシップを経験。お酒と運動と刺激が大好き、日焼けと虫と甘いものが苦手。
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