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全線開通100周年のスリランカ紅茶鉄道とは?

2024年10月19日

紅茶鉄道として知られるスリランカ鉄道のメインラインは、2024年に運行開始160周年、全線開通100周年を迎えました。

2024年はビューポイント10か所に停車する観光列車ドゥンヒンダオデッセイ、オープンエアの特別車両のあるカリプソ観光列車の運行が開始されるとともに、午後の紅茶のCM、テレビ番組「世界の車窓から」の放映でも話題を集めました。10月にはインド・スリランカ合作映画の撮影もメインラインのナインアーチズブリッジにて行われました。

ますます注目が集まる絶景が楽しめる紅茶鉄道について紹介します。

スリランカ紅茶鉄道(メインライン)とは?

スリランカ紅茶鉄道とは、紅茶産地が広がるスリランカの中央高地を縫うようにして走るスリランカ鉄道メインラインの愛称です。

スリランカ鉄道には10路線ありますが、一番最初に開通・運行を開始したのがメインラインであり、スリランカ初の鉄道です。

鉄道を建設したのはイギリス領セイロンを統治していたイギリス政庁で、当初はキャンディ周辺の山岳地で栽培したコーヒーをコロンボ港に運び出すために建設されました。

1864年にコロンボフォート~アンベプッサ間が開通し、1864年12月27日に最初の列車が運行され、1865年10月2日に正式に開通しています。

その後、段階的に延伸が行われ、1867年にキャンディ、1874年にナワラピティヤ、1885年にナーヌオヤ、1894年にバンダラウェラ、1924年にバドゥッラまで開通しています。延伸が進んだ頃には栽培作物はコーヒーから茶に転換されています。

2024年はちょうど、運行開始160周年、全線開通100周年の年に当たります。

全長290キロメートルに、46のトンネル、105の駅があり、5州6県(西部州コロンボ県、西部州コロンボ県ガンパハ県、北西部州クルネーガラ県、サバラガムワ州ケガーッラ県、中部州キャンディ県、ウーワ州バドゥッラ県)を走ります。

主要駅の標高は以下の通り。
・コロンボフォート駅5メートル弱
・キャンディ駅512メートル
・ナーヌオヤ(ヌワラエリヤ)1613メートル
・最高地点1898メートル
・バンダラウェラ駅1225メートル
・エッラ駅1041メートル
・バドゥッラ駅652メートル

以下に主な駅の標高を示したグラフを掲載します。ランブッカナから標高が上がりはじめ、バラナからカドゥガンワに向けて一気に登り、キャンディまで至る一回目の山は標高約500メートル。2回目の登りはナワラピティヤから始まり、最高地点1898メートルに向かって登っていきます。その後、バドゥッラに向かって下がっていきます。

各区間の特徴、主要駅、ビューポイント

コロンボ~アンベプッサ(コロンボ県の街並み)

最大都市コロンボを出発して、最初の開通区間であるアンベプッサまで西部州コロンボ県を走る区間。
コロンボフォート駅の標高4.87m
アンベプッサ駅の標高55.48m

コロンボフォート駅
進行方向左にフローティングマーケット
進行方向右にロータスタワー
マラダーナ駅(ケラニ渓谷線と接続)
ケラニ渓谷線が右に分岐
デマタゴダ駅
デマタゴダ運河を渡る
キタンパフワ運河を右に平行して走る
ケラニ川を渡る
ケラニヤ駅
ワナワサラ駅
カトゥナーヤカコ高速道路(E03)を左に平行して走る
フヌピティヤ駅
エデラムッラ駅
コロンボ外環高速道路(E02)をくぐる
ホラペ駅
ラガマ・ジャンクション駅(プッタラム線と接続)
プッタラム線が左に分岐
ワルポラ駅
バトゥワッタ駅
ブルガハゴダ駅
ガネムッラ駅
中央高速道路(E04)と交差
運河を渡る
ヤゴダ駅
アッタナガル川を渡る
旧ヘナラトゥゴダ駅
ガンパハ駅(通勤列車の終着駅)
ダラルワ駅
アッタナガル川を渡る
ベッムラ駅
中央高速道路(E04)と交差
デーアル川を渡る
マガレゴダ駅
ヘーンデニヤ・パッティヤゴダ駅
ベヤンゴダ駅
運河の横を走る
ワドゥラワ駅
ケーナワラ駅
パッレウェラ駅
ガネゴダ駅
中央高速道路(E04)と交差
ウィジャヤ・ラジャダナハ駅
ミリガマ駅
ウィルワッタ駅
第1トンネル(ウィルワッタトンネル)
ボタレ駅
クダ川を渡る
アンベプッサ駅

アンベプッサ~ランブッカナ(北西部州の平原)

西部州と北西部州の州境であるマハ川を渡って、北西部州の平原を走る区間。
ランブッカナ駅の標高88.42m

アンベプッサ駅
マハ川を渡る(ヤッタルゴダ橋、西部州と北西部州境)
ヤッタルゴダ駅
ブッジョムワ駅
マハ川(北西部州とサバラガムワ州の州境)を右に平行して走る
ワラクンブラ駅
ポルガハウェラ・ジャンクション駅(北部線と接続)
パンナリヤ駅
マハ川(北西部州とサバラガムワ州の州境)を右に平行して走る
ティスマルポラ駅
コロッサ駅
ヤタガマ駅
ランブッカナ川を渡る
ランブッカナ(ピンナワラ象の孤児院)

ランブッカナ~ペラデニヤ(断崖絶壁とバイブルロックの景勝区間)

ランブッカナから中央高地に入り、断崖を走るバラナ~カドゥガンワはバイブルロックが見える景勝区間。
メーヤン滝が流れ、鉄道敷設の難工事だったメーヤンガッラトンネル、キャンディ王国が建設したバラナ要塞、国道1号線の難工事だったカドゥガンナワなど守りが堅いと言われたキャンディを囲っていた山脈を通過します。

バラナ駅の標高428.35m
カドゥガンナワ駅の標高515.24m

ランブッカナ(ピンナワラ象の孤児院)
第2トンネル
第3トンネル
第4トンネル
カディガムワトンネル(道が鉄道の下を通る)
カディガムワ駅
ヤティワルデニヤ駅
第5トンネル
ガンゴダ駅
第5トンネルA(メーヤンガッラトンネル)
メーヤン滝
イハラ・コッテ駅
マケヘルワラ駅
第6トンネル
第7トンネル
セントラルヒルビューポイント(バイブルロックが見える)
サバラガムワ州・中部州の州境を越える
第8トンネル
バラナ駅(シンハラ語の見る”バラナワー”に由来するキャンディ王国の見張り台「バラナ要塞」)
第9トンネル
ウェラルゴッラ駅
第10トンネル(モラガッラトンネル:2番目に長いトンネル)
カドゥガンナワロック(ライオンズマウスロック)ビューポイント

第11トンネル
国道1号線を右に並走
右にキャプテン・ドーソン・タワー(国道1号線の建設を指揮して建設中に亡くなったドーソン大佐を偲ぶタワー)
カドゥガンナワ(鉄道博物館を併設)
ナーヌ川と国道1号線を右に並走
コタバゴッラ駅
ウラポラ駅
ピリマタラワ駅
バランマネ駅
ハイウェイ博物館が左
キリバスクンブラ駅
ペラデニヤ・ジャンクション駅(マータレー線と接続)

ペラデニヤ~キャンディ(マータレー線、キャンディの街並み)

キャンディ駅に停車する列車はメインラインを離れて、マータレー線を走る区間。
一部の列車はキャンディに向かわず、バドゥッラ方面に直通します。

ペラデニヤ・ジャンクション駅(マータレー線と接続)
マハウェリ河を渡る
サラサビ・ウヤナ駅
ラジャワッタ駅
ウィリアム・ゴパッラワ・マーワタと運河を右に並走
ランデルズヒル駅
スドゥフムポラ・トレイン・ハルト駅

キャンディ駅(世界遺産「聖地キャンディ」)

キャンディ~ナワラピティヤ(マハウェリ河沿い、ガンポラの街並み)

古都キャンディ、古都ガンポラとマハウェリ河沿いを標高500メートル程度の町を走る。

キャンディ駅(世界遺産「聖地キャンディ」)
スドゥフムポラ・トレイン・ハルト駅
ランデルズヒル駅
ウィリアム・ゴパッラワ・マーワタと運河を左に並走
ラジャワッタ駅
サラサビ・ウヤナ駅
マハウェリ河を渡る
ペラデニヤ・ジャンクション駅(メインラインと接続)
ペラデニヤ大学が左に
国道5号線を右に、マハウェリ河を左に並走
コシンナ駅
ゲリオヤ駅
ポルガハ・アンガ駅
ウェリガッラ駅
ボタレピティヤ駅
カハタピティヤ駅
ガンポラ駅(アンブルワーワタワー)
ラトゥマルカドゥワ湖運河を渡る
ミドル・チャンネル運河を左に並走
ワッラハゴダ駅
テンビリガラ駅
ワラカピティヤ駅
ウラパネ駅
ラジャ運河を渡る
ウラパネ橋が左に
ワラカワ駅
ナワラピティヤ駅

ナワラピティヤ~ハェトン(ビューポイントと紅茶栽培地の始まり)

川幅が狭くなったマハウェリ河沿いを走りながら登っていく区間。オデッセイ列車のビューポイントが2つあり、紅茶畑が見え始まる。
ハェトン駅の標高1262.5m

ナワラピティヤ駅
マハウェリ河を渡る(セラム橋)
ハイテンフォード・プラットフォーム駅
ガルポッタナチュラルプールが右に
イングルオヤ駅
ペンローズ・プラットフォーム駅
第12トンネル
★ホーステイル滝のビューポイント
マハウェリ河を渡る
第13トンネル
ガルボダ駅
デキンダ駅
ウェワルタラワ駅
ワタワラ駅
イハラ・ワタワラ駅
ロゼッラSカーブ
ロゼッラ駅
ロゼッラCカーブ
★スリーパーダのビューポイント
ハェトン駅

紅茶鉄道の観光列車エッラ・オデッセイとドゥンヒンダ・オデッセイ

ハェトン~ナーヌオヤ(紅茶畑の絶景区間)

キリン午後の紅茶の撮影が主に行われた区間。
ナーヌオヤ駅の標高1613.1m

ハェトン駅
第14トンネル(シンハ・マライ・トンネル、最長のトンネル)
60フィート鉄道橋
コタガラ駅
コタガラトンネル(国道7号線をまたぐ)
★セイントクレア滝のビューポイント
コットマレー川を左に、国道7号線を右に走る
第15トンネル
タラワケレ駅(キリン午後の紅茶CM撮影で目黒蓮の乗車シーンの駅)
アッパーコットマレーダムが左に
第16トンネル
ソーダボトルカーブ
ワタゴダ駅
グレイト・ウェスタン駅
ラデッラ駅
第17トンネル
ナーヌ川の支流を渡る
ナーヌ川のもう一つの支流を渡る
ナーヌ川の本流を渡る
ナーヌ・オヤ駅(旧ウダプッセラーワ線と接続:ヌワラエリヤ郊外)

※旧ウダプッセラーワ線はナーヌ・オヤ駅、ブラックプール駅、ヌワラエリヤ駅、カンデッポラ駅、ブルックサイド駅、ラガラ駅を走っていた。

ナーヌオヤ~バンダラウェラ(最高地点を通過)

標高の最高地点を通り、ビューポイントが多い区間。
パッティポラ駅の標高1897.56m
鉄道最高地点の標高1898.1 m
ハプタレー駅の標高1479.57m
バンダラウェラ駅の標高1225.5m

ナーヌ・オヤ駅(ヌワラエリヤ郊外)
ペラクンプラ駅
★アルギン滝のビューポイント
カル・パラマ鉄道橋
アンベウェラダムが右に
アンベウェラ駅
ハイランドのミルク工場が右に
パッティポラ駅(ホートンプレインズ国立公園)
★スリランカ鉄道最高地点
★第18トンネル(パッティポラトンネル、中部州とウバ州の州境、3番目に長いトンネル、スリランカで一番高いところにある鉄道トンネル)
第19トンネル
第20トンネル
カル・パラマ鉄道橋
第21トンネル
オヒヤ駅(ホートンプレインズ国立公園)
第22トンネル
第23トンネル
第24トンネル
第25トンネル
第26トンネル
第27トンネル
第28トンネル
第29トンネル
第30トンネル
第31トンネル
第32トンネル
第33トンネル
第34トンネル
第35トンネル
イダルガシンナ駅
第36トンネル
ハプタレー駅(リプトンシーツ)
国道16号線を右に並走
第37トンネル
ディヤタラワ駅
第38トンネル
オボダ滝鉄橋
第39トンネル
バンダラウェラ駅(カリプソ観光列車の折り返し駅)

バンダラウェラ~バドゥッラ(ナインアーチズブリッジ、デモダラループ)

オープンエアのカリプソ観光列車が走る区間。ナインアーチズブリッジ、デモダラループがある。
エッラ駅の標高1041.46m
デモダラ駅の標高912.5m
バドゥッラ駅の標高652.43m

バンダラウェラ駅(カリプソ観光列車の折り返し駅)
第40トンネル
キニガマ駅
キニガマ滝
ヒールオヤ(冷たい小川の意味)駅
エッラロックの登山道入口
キタエッラ駅
エッラ駅
スリーアーチズブリッジ
第40トンネル
★★★ナインアーチズブリッジ
第41トンネル
デモダラ駅(カリプソ観光列車午前便終点駅、午後便出発駅)
★デモダラループ
★第42トンネル(デモダラトンネル)
★デモダラ鉄橋(バドゥル川を渡る)
バドゥル川を左に並走
ウドゥワラ駅
ウドゥワラ鉄道教
ハリ・エッラ駅
第43トンネル
バドゥッラ駅(終着駅)

紅茶鉄道のオープンエアの観光列車「カリプソ特別列車」

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