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日本政府の支援でポロンナルワに先端技術導入の公衆トイレ施設を建設

2023年12月02日

今般、スリランカ国中北部州ポロンナルワ県にて、日本政府支援により日本の先端技術が導入された公衆トイレ施設が建設され、2023年10月16日にはその譲渡式が行われました。

当日、日本側からは、水越英明スリランカ駐箚日本国特命全権大使、山田哲也JICAスリランカ事務所長が、スリランカ側からは、スリランカ国政府 中央文化基金(Central Cultural Fund, CCF)の代表Professor Gamini Ranasinghe Director General、Roshan Ranasinghe大臣(Minister of Sports and Youth Affairs および Minister of Irrigation)をはじめとした本事業への関係者が出席されました。

本事業は、永和国土環境株式会社、株式会社八杉商店、株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバルという日本の企業が、国際協力機構(JICA)「中小企業海外展開支援事業~普及・実証事業~」のスキームを利用して、自己処理型水洗式汚水処理システム「アクアメイク」を同地に導入したものです。

スリランカでは、河川等に未処理排水が放流され、衛生状態の悪化や水源河川の水質汚染が喫緊の課題であり、2025年までにオフサイト(下水道施設)とオンサイト(腐敗槽)の衛生施設へのアクセス率100%を目指しています。

そこで、CCFが管理する世界遺産ポロンナルワのガル・ヴィハーラ(涅槃像)地域において、不十分な下水処理により発生する水質汚染の解決に寄与するため、本事業では、永和国土環境のアクアメイク1基(トイレ施設(普及のための展示室)含む)の導入を通じ、処理水質の改善効果、運営・維持管理体制の構築、政府関係機関・民間事業者等に対する普及活動を実施しました。

導入したアクアメイクは、カキ殻を利用した自己処理型環境保全性能を有しており、アクアメイクから排出される汚水を高度処理(カキ殻等を利用し、無色無臭、大腸菌発生ゼロ、汚水を90%以上浄化)し、放流せずに処理水をトイレに循環再利用するため、水の補充が必要なく衛生的な水洗式トイレを提供できます。これにより、公共水域の富栄養化を抑制し、環境負荷を低減し、環境に影響を与えないことが可能となります。

本実証事業を通じ、スリリランカ国中北部州ポロンナルワ県の処理水質の改善およびCCFの汚水処理システムの運営維持管理能力の向上が期待されます。

今後、世界遺産ポロンナルワのガル・ヴィハーラ(涅槃像)地域に行かれる際はその入口部分の公衆トイレにもぜひ立ち寄っていただき、このようなところにも日本の技術が使われているということをぜひ感じ取っていただければと思います。

施設外観

 

自己処理型水洗式汚水処理システム「アクアメイク」説明ボード

 

スリランカ式祈祷 左から2番目水越特命全権大使 右から2番目JICA山田所長

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