【現地から詳細解説】ホテルと教会が狙われたスリランカ連続爆発テロまとめ

スリランカのホテル・教会で連続爆破テロ

4月21日午前9時頃、

スリランカの中心都市コロンボの3つの5つ星ホテル、

コロンボ市内の教会、

国際空港に近いニゴンボにある教会、

東海岸第二の都市バッティカロアにある教会

でほぼ同時に爆発が発生。

午後にはコロンボ郊外でも同様の爆破が2カ所起こり、

22日には爆発の起こったコロンボの教会近くで爆発があり、

合計9カ所で爆発が発生しました。

事件が起こった4月21日は、キリスト教徒にとって重要な日であるイースター。

最初の爆発が発生した時刻の教会には、

多くの人が祈りを捧げに訪れていました。

現時点では合わせて253人以上の死者と500人以上の負傷者が出ています。

この爆発はテロと見られており、調査が進められています。

(記事内の情報は2019年4月28日時点での情報です。

情報が追加され次第更新しています。)

21日朝に爆発が起こった場所6ヶ所

教会

今回、被害が大きかったのが教会での被害であり、最初に爆発があったのも教会でした。

セイントアンソニーズ教会(St. Anthony’s Shrine / Colombo 13)

聖パドヴァのアントニオを祀るカトリック教会。
教会やヒンドゥー寺院が多いコロンボ13(Kotahena コタヘナ)に位置し、地元のカトリック教徒が多く集まる教会。
英国の旅行ガイドブック「ロンリープラネット」などにも紹介されており、博物館も併設された観光客も訪れる場所。
アルジャジーラによれば、8:45の礼拝の時間に爆発があったといいます。

シオン教会(Zion Church / Batticaloa)

東海岸第二の都市バッティカロアのラグーン内に浮かぶ島に建つ福音派の教会(1974年に建立)。

今回の事件では現在28名の死者、51名の負傷者が出ていると

スリランカのニュースサイトNews 1stに記載されています。

セイントセバスチャンズ教会

(St. Sebastian’s Church – Katuwapitiya /Negombo)

スリランカの玄関口「バンダラナイケ国際空港」から程近いビーチリゾート地であるニゴンボにある教会。

St. Sebastian’s Churchという名前の教会はニゴンボ内に2つあり、

一つはビーチ側にありますが、今回爆発があったのは空港に近い内陸側のKatuwapitiyaにあるSt. Sebastian’s Church。

ホテル

教会に続き、爆発があったのがコロンボの中心地にある3つの五つ星ホテルです。

3つとも朝食のビュッフェでにぎわう時間帯にレストランが爆破されました。

シャングリラ・コロンボ(Shangri-la Colombo)

香港に本拠地を置くケリー・グループが経営する
ホテルチェーン「シャングリラ」の101番目のホテルとして、
2017年11月に開業したコロンボで最も新しい5つ星ホテル。
コロンボの中心地に位置し、観光客や出張者、在住者も利用するホテル。
シャングリラはこの状況が落ち着くまで休業することを発表しています。

シナモングランドホテル(Cinnamon Grand Hotel)

スリランカのコングロマリット「John Keells Holdings PLC」傘下のCinnamon Hotels & Resortsが経営する5つ星ホテル。

元はインド系のOberoiホテルでした。

コロンボの中心地に位置し、観光客や出張者、在住者も利用するホテル。

ザ・キングスバリー・コロンボ(The Kingsbury Colombo)

スリランカのコングロマリット「Hayleys」傘下の5つ星ホテル。
当初はセイロン・インターコンチネンタル・ホテルとして開業するが
2013年に現在の名前でリニューアルオープンしています。
コロンボの中心地に位置し、観光客や出張者、在住者も利用するホテル。
21日の事件以来休業していましたが、
爆発があったレストラン以外は24日から再開しました。

21日午後に郊外で爆発が起こった場所2カ所

7番目の爆発:コロンボ郊外デヒワラ(Dehiwala)

コロンボの南隣りの町デヒワラにある

デヒワラ動物園近くのホテル「The Tropical Inn Hotel」で発生。

8番目の爆発:デマタゴダの住宅街(Dematagoda、housing complex)

Dematagoda(コロンボ9)のMahavila Udyana Roadにある住宅団地で発生。

ロシアの英語メディアRT(ロシア・トゥデイ)によると

この8回目の爆発は犯人のアジトとみられる建物への突入時に発生したもの。

それによって警官3人が亡くなったと報道されています。

22日に教会近くで行われた爆弾処理について

AFP=時事によると、セイント・アンソニーズ教会(St. Anthony’s Shrine)から約50メートル離れた場所で発生。

警察が路上に駐車してあった車から発見された新しい爆弾を処理していた最中だった。

警察が人を避難させていたため、怪我人はいなかった。

24日映画館近くで不審なバイクを制御爆破

24日の朝、コロンボ6・ウェッラワッタの映画館「Savoy 3D Cinema」で

一晩中停車されていた不審なバイクの制御爆破が警察により行われました。

バイクの座席の中に爆発物があることが疑われて

座席を開けるため爆破されました。

実際に爆発物が入っていたのか詳細は不明。

26日に東部州で起こった銃撃戦

26日夜、東部州のKalmunai、Sainthamaruthエリアで爆発と銃撃戦が発生、

3人の女性と6人の子供を含む15人が死亡したと報道されています。

この事件は警察がテロ事件容疑者の隠れ家に突入した際発生したもの。

警察が突入を試みた際に3人の男が家の中で自爆したとみられ、

家から発砲があり銃撃戦も発生しました。

この爆発と銃撃戦で死亡・けがをした人のなかには

テロ事件の容疑者や実行犯の妻や子供、親戚が含まれていたとのこと。

警察官には死亡者はいませんでした。

Samanthuraiで行われた捜査では、

ゼリグナイトというニトログリセリンが含まれる爆発物150本以上、

IS(イスラム国)の制服、

爆発の致死率と威力を高めるため使用される鉄球も見つかっています。

事件が起こったSainthamaruthは、

爆発テロが起こったシオン教会のある東海岸第二の都市Batticaloaの南に位置しています。

スリランカの新聞社Daily Mirror、カタールのテレビ局Aljazeera より

【地図】テロ発生場所の位置関係

スリランカ現地のグーグルマップでは

下の写真のように爆発が起こった場所にマークが表示されていました。

 

日本人も含めた被害状況

死者数は253名にのぼり、負傷者は500名以上と報道されています。

爆破の被害にあった五つ星ホテルは外国人観光客も

よく利用するホテルであり外国人の死者も報告されています。

22日のNHKの報道によると

政府関係者が、在住者の日本人1名がシャングリラホテルでの爆発により亡くなられたことを確認しました。

また河野外相のTwitterによると日本人の負傷者は4名確認されているとのことです。

23日のイギリス新聞社DailyMirrorの報道では

38名の外国人が亡くなったとされています。

爆弾の発見について

AFP=時事によると、コロンボの民営バスターミナルである「Bastian Mawatha」で22日、87個の爆弾が見つかった。

87個のうち、12個は地面に散乱し、75個は付近のごみ廃棄場で発見された。

なぜ爆発?犯行グループの目的

犯行グループは、ISの影響を受けているイスラム系グループと言われています。

23日のスリランカ英語新聞Daily Mirrorの報道によると、

最初の尋問から

スリランカでの爆破テロは

先月15日に起こったニュージーランドのモスク(イスラム礼拝所)での銃乱射事件に対する報復だったことが判明。

この事件では、2ヶ所のモスクで銃乱射が発生し、50人が死亡しました。

犯人逮捕について

インドのテレビ局News18によると、21日に容疑者13人(イスラム教徒)が拘束されています。

また、共同通信によると、22日に新たに11人が拘束され、合計24人が拘束されたことになります。

24日には60人の容疑者が逮捕されたことをロイター通信が報道しました。

28日現在では80人近くのの容疑者が逮捕されているとのこと。

多くのメディアで、この事件に関与している可能性が高いとされているのが

NTJというスリランカ国内のイスラム教組織。

仏像の破壊活動を行うなどの過激派組織と言われています。

インド当局はテロ発生以前からその危険性をスリランカ政府に警告していました。

スリランカ警察は過激派NTJがスリランカ国内での自爆攻撃を計画しているとの報告を受け、10日前に警察幹部に警戒を促していました。

しかし、テロを防ぐ対策は十分に整えられていなかったということになります。

IS・イスラム国の関与

23日、この事件に関してイスラム国が犯行声明を発表。

「一昨日スリランカで有志連合国の国民とキリスト教徒を標的とした攻撃を実行したのはイスラム国戦闘員たちである」

これでイスラム国のスリランカ爆発テロへの関与の可能性はかなり高まりました。

爆発は自爆テロ

アメリカ合衆国の大手通信社AP通信の報道によると

スリランカ政府の法医学分析官が、連続爆破テロのうち7件は自爆テロだったと証言しているとのこと。

インドのNDTVによると、

シナモングランドホテルで自爆した犯人は

朝食のビュッフェの列に並び、自分の番が来て皿を取ったのちに、

背中の爆弾で自爆したとのこと。

夜間外出禁止令及び非常事態宣言

現在、スリランカ全土に夜間外出禁止令が出されており、

21日から22日にかけての18:00ー6:00は外出禁止。

22日から23日にかけての20:00〜4:00は外出禁止。

28日現在も22:00~4:00の外出禁止が続いています。

23日0時より出された非常事態宣言も継続中です。

スリランカの英語新聞社Daily Mirrorによると、

5月5日まではすべての大学、学校が休校。

また23日は国を挙げて追悼を行う日としてNational day of mourningと指定されました。

ネット規制について

現在、facebook、Instagram、What’s app、You tubeなどスリランカで主に使われている

SNSへのアクセスは制限されています。

スリランカで接続するにはVPNを使う必要があります。

VPNとは

Virtual Private Network(バーチャル プライベート ネットワーク)のこと。

パブリックであるインターネットにまたがって、プライベートネットワークを拡張する技術、およびそのネットワークを指します。

このVPNアプリをインストールし起動すれば問題なくネットが使えます。

筆者はVPN catというアプリを使用していますが、

特に問題なく使用できています。

また、LINEやTwitterにはアクセス制限がかけられていません。

昨年のスリランカでの暴動

2018年3月6日にスリランカ第二の都市キャンディ(Kandy)と

東海岸の都市アンパーラ(Ampara)でモスクを襲撃するなどの暴動がありました。

この事件の際も非常事態宣言が出され、キャンディなどでは夜間外出禁止令が出されました。

また、Facebook、Instagram、What’s app, Twitter, ViberなどのSNSへのアクセスが制限されていました。

関連記事)

インドがスリランカへの渡航勧告を引き下げ

中国に続き、ドイツ、スウェーデン、スイスがスリランカへの渡航勧告を引き下げ

 

中国がスリランカへの渡航の注意喚起を引き下げ

 

【テロから1ヶ月】スリランカ連続爆破テロの現場の様子

スリランカ連続爆破テロ追悼イベント「Evening of Remembrance」

 

スリランカ観光推進局による会見

 

【ニュース】外務省発表のスリランカ治安情報、危険レベル2に引き上げ

スリランカ・コロンボ現在の治安状況、お店の開店、交通機関についてはコチラ

スリランカの民族・宗教構成の解説はコチラ

14 件のコメント

  • 詳しい情報ありがとうございます。23日からスリランカに観光で8日間行く予定です。
    行くかどうか悩んでるいます。
    LINEは使えるのですね。イスラム過激派によるテロとだけ、犯人の情報がありました。
    二度と大きな爆破や被害がでないといいのですが。

    • コメントいただきまして、ありがとうございます。
      私どもの周辺は静かですが、事件後、外出を一切しておりませんので、
      実際の様子はわかっておらず、ニュースを見て状況を確認しているところです。
      被害に遭われた方々のご冥福をお祈りするとともに、
      事態が沈静化することを願いします。

  • GWにスリランカに旅行で行く予定です。まさかこのタイミングで・・という感じです。
    空港到着後、キャンディに当日中に向かう予定でした。
    空港周辺の夜間交通や混乱・閉鎖の可能性もあるのでしょうか。
    情報が少なく困惑しています。

    • 現状、空港の閉鎖などはありません。事件当日と翌日はコロンボは静まり返っていましたが、昨日4月23日によりコロンボの街は賑やかさを取り戻し、飲食店の多くはオープンしていました。本日から学校もスタートしますので、徐々に元に戻りつつありそうに思います。事件から連日夜は外出禁止令が出ていますが、航空券とパスポートを見せられば空港からの移動及び空港への移動はできるようになっています。

  • 詳しい情報感謝します。
    主人がスリランカ人で再来週から一緒にスリランカへ帰ります。
    ネット規制されているのですね、、解除予定はあるのでしょうか?LINEは繋がるとのことで、安心しました、、
    また情報更新していただければ大変ありがたいです。
    一日も早く事態が落ち着く様、祈っております。

    • VPNを使えば、facebookやInstagram、What’s app、Youtubeなども使えますので、スマホに入れておくと良いかと思います。

    • 昨日はスーパーは空いていましたが、ショッピングモールは閉まっていました。
      飲食店は多くが営業していますが、ムスリム経営のところは閉まっているところが多かったです。
      感覚として7割程度が営業しているような印象を受けました。

  • はじめまして。
    2年前、初めてのスリランカ旅の際に、JETROの方からSPICEUPさんの情報誌をご紹介いただきました。
    掲載されていた「AMBA ESTATE」がとても素敵で、毎年行っています。
    今週、3度目の訪問予定でした。

    毎日、スリランカ情報を収集していたところ、こちらのブログに辿り着きました。
    日本から、何かできることがあれば、ぜひご連絡いただけますと幸いです。

    • 弊誌をご覧下さいまして、ありがとうございます。AMBA ESTATEは良いところですよね。
      私は取材して依頼訪れておりませんでしたので、また是非行ってみたいと思います。
      ご支援のお気持ち、誠にありがとうございます。
      まだ何が必要なのかはわかりきっていませんが、もし、何かありましたらご相談させていただくかもしれません。
      コメント下さいまして、ありがとうございます。

  • 混乱の最中に失礼いたします。
    日本企業の駐在員はどのような状況でしょうか。
    ご存知の範囲で教えてください。
    これから赴任予定の知り合いがいて心配しています。

    • 駐在員の方々とはあまり連絡を取っておりませんでして、状況がわかりません。
      スリランカ日本商工会で各社さんの状況については、ヒアリングが行われていますので、
      商工会や JETROに問い合わせていただくと、状況が分かるかもしれません。

  • はじめまして。30日からキャンディに行く予定なのですが、空港からはタクシーなどは出てそうでしょうか??
    フォート駅まで行って鉄道で行く予定なのですが電車やバスなども動いてそうでしょうか??

    • 空港からタクシーは出ています。
      電車はコロンボ〜マータラ間の海沿いについては、動いている様子を確認しております。
      おそらく、コロンボ〜キャンディ間も動いていると思います。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です