男子大学生、スリランカでアーユルヴェーダ受けてみた。 /『Green Chaya Spa』
先日キャンディのアーユルヴェーダ薬局を訪れた筆者。(前回の記事はこちら⇒「100年以上の歴史をもつ、スリランカの老舗アーユルヴェーダ薬局『Bowatte』」)
そこで同伴したアーユルヴェーダセラピストの日本人女性の方のすすめもあり、その翌日朝アーユルヴェーダを受けることに。
そして訪れたのは、アーユルヴェーダ施設『グリーン・チャヤ・スパ(Green Chaya Spa)』。125年以上の歴史があるキャンディの隠れ処的な場所です。辺りには自然が広がっており、標高も高いため、頬に触れる風が大変心地いいです。
今回はそんなメルヘンな雰囲気漂うアーユルヴェーダスパでの体験記録を、スリランカ歴5ヶ月の男子大学生がお届けします。
基本情報
アクセス
キャンディ中心地からトゥクトゥクで15分の場所にある。標高は比較的高く、のどかな自然に囲まれており、ロケーションは抜群。
住所:No 15 Hantana Housing Scheme Rd, Kandy 20000
営業時間
9時半から22時半まで
予約方法
メールまたはWhatApp(海外のコミュニケーションツール)で、予約を入れます。名前や年齢、性別などの個人情報を送ります。またあちらがスパへの移動手段としてトゥクトゥクを手配してくれるので、滞在先のホテル名とお迎えの時間もあわせて記入すれば完了です!
・メール:info@greenchayaspa.com
・電話番号:0771165404(94771165404)
体験レポ
まず受付へ
中へ入ると初老と思しき男性が優しく出迎えてくれました。このような場所に出向くのは初めてだったので、少し不安もありましたが、その男性のおかげでリラックスした心持ちに。
そしてベンチに座り、そこでメニューの説明を受けます。全身のボディマッサージはもちろん、顔や肩、足など部位別のマッサージメニューも豊富にそろっています。
僕が選んだのは、オーソドックスな全身のフルボディマッサージ。施術時間は1時間20分で、料金は7200ルピー。日本円で3500円ほど。日本で受けるとなれば1万円は超えるので、やはりリーズナブルな価格設定ですね。
次はアーユルヴェーダ体質診断
受付も終わり紅茶を飲んで一息ついた後、受付の男性が外へと案内してくれました。そこにいたのは白衣を着た一人の女性。彼女はアーユルヴェーダドクターです。
小屋に入り、着席すると問診が始まりました。まず聴診をしてもらい異常がないかを確認。これはどこの国でも同じらしいです。
そして次にアーユルヴェーダ体質診断。
アーユルヴェーダでは、心と体の基本的な性質を表す3つの体質があるとされます。これをサンスクリット語で「ドーシャ」といい、それぞれ「ヴァータ(風)」、「ピッタ(火)」、「カパ(水)」と呼びます。
誰の中にも、これら3つのドーシャが存在しますが、その割合は人によってさまざま。そしてこのドーシャのバランスをどうとっていくかが、このアーユルヴェーダ療法の核心というわけです。
そしてどのドーシャが優勢かは、いくつかの質問に答えることで判断することができます。僕もドクターから投げかけられた質問に答えて診断してもらいました。
そして僕の体質は「ヴァータ(風)」が強い体質だといわれました。このタイプは、”風”のように変わりやすいタイプだと表現されます。
このタイプの特徴として挙げられるのが、「熱しやすく冷めやすい、変化を好み気分が予測できない」、「お腹にガスが溜まりやすく、便秘しやすい」、「胃腸の調子は変わりやすく、体重が増えにくい」、「ストレスに対して心配や不安を感じ、自分を責める傾向にある」などです。
このドーシャは遺伝的傾向が強く、日本人に最も多いといわれるのがこのタイプだそう。確かにどれも自分に当てはまるものばかりでした。
そしてドクターには、野菜や常温の水をよく摂取するようにアドバイスされました。逆に炭水化物多めのフルーツ(Carbs Fruits)はあまり摂らないほうがいいということも言われました。このようにアーユルヴェーダ療法では、一人一人の体質に基づいた適切な食事、生活習慣をすることが大切になります。
ネットやSNSには健康に関する情報が溢れかえっており、まるでこれが正解であるかのように断言するものも少なくありません。
でも本当に大切なことは、自分の心身の性質を知り、それに基づいた行動をしていくこと。万人にとって正しい健康法はなく、それぞれにとって適切な方法を取り入れるというポリシーをもつアーユルヴェーダは、情報社会を生きる僕たちにとって必要なものなのかもと思ったりしました。
いざ施術スタート
今回の施術を担当してくれるのは、若い男性セラピスト。
普通のスパとは違い、アーユルヴェーダでは同性のセラピストが施術をすることが基本です。
部屋にはベッドと、体に巻く用の大きめの布が用意されています。
椅子に座ると、肩にオイルを垂らされマッサージが始まりました。その後はベッドに横たわり、足・背中を中心に施術が進みます。
うっすら流れる音楽と、窓から差し込む光、そして聞こえてくる風の音が、リラックスを助長してくれます。
気付けば1時間のマッサージが終了。最後の20分は屋外に設置されている個室のハーブサウナで体を温めました。室内の温度は高くなく、一度ドアを開けるとかなり温度が下がります。それでも炊かれたハーブの香りのおかげもあってか、かなり安らぐことができました。
施術終了
サウナを出ると、マッサージを受けた部屋に戻り、服に着替えて終了です。
サウナで多少蒸発しているとはいえ、マッサージで塗ったオイルが中々癖のあるにおいを放ち続けていました(来ていた服は無事くさくなりました)。
着替えが終われば、最初の受付のスペースに戻り少し休息をとって、料金をお支払いします。
帰りも向こうが手配してくれるトゥクトゥクで、キャンディ市街地まで戻れるので安心でした。
おわりに
今回は自分にとって初めてのアーユルヴェーダ体験。これまでスパにも行ったことがなかったので、非常に新鮮でした。
ただあまり大声では言えませんが、個人的には日本で温泉に入った方が、値段も安いしリラックスできるのでは、と感じたり感じなかったり。
とはいえ日本でこのような経験をすることはできないし、「思い出」に対して対価を払っていると考えることができれば、ここはリーズナブルでおもてなしも良いので、訪れてみてもいいのではないでしょうか。
その日はキャンディからコロンボまで車で帰る予定でしたが、サウナで頭がのぼせたのと、生来の車酔いが相まってか気分が悪くなりもう一泊することになったので、スパの後は長めに休息をとった方がいいかもしれません。
2001年熊本県生まれ。北海道大学法学部の4年生。2023年10月から2024年3月までインターン生として活動。
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