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バワ生誕100周年で公開された「ナンバー05(イナ・ダ・シルワ邸)」とは?

2021年5月31日

ジェフリーバワ生誕100周年記念事業の一環として、2019年9月に公開されたナンバー05(イナ・ダ・シルワ邸)について紹介します。

バワは多くの邸宅を建設していますが、その中でも初期の重要な作品としてデイヴィット・ロブソン氏が著作で取り上げ、『Geoffery Bawa The Complete Works』の表紙の写真に使っているのもイナ・ダ・シルワ邸です。

イナ・ダ・シルワ邸とは?

バティックアーティスト「イナ・ダ・シルワ(Ena de Silva)」と、夫のオスムンド・ダ・シルワがジェフリーバワに依頼して、1960〜1962年に建設が行われた邸宅です。

イナ・ダ・シルワは住宅の建設にあたり、4人の建築家と会って検討していたそうですが、その後に友人のベヴィス・バワから、弟のジェフリー・バワを紹介されます。

イナ・ダ・シルワは、ロールス・ロイスを乗り回すジェフリー・バワの最初の印象があまり良くなかったそうですが、話をしてみると意気投合し、ジェフリー・バワに設計・建築を依頼します。

ダ・シルワ夫妻が購入したコロンボの土地に建てられました。

場所は、Dardans Hospitalの東側の土地で、住所は「No.5, Alfred place」でした。
この住所から移築後の名称「ナンバー05」はとられたのでしょう。

1962年に自宅が完成した後、イナ・ダ・シルワは家の前の路上で制作したバティックの販売を開始します。

1979年に夫オスムンドが亡くなり、イナはセーシェルやヴァージン諸島での仕事に取り組むことにし、留守中のイナ・ダ・シルワ邸はジェフリーバワが新国会議事堂のプロジェクト用のオフィスとして借りています。

2009年、イナ・ダ・シルワが土地の売却を希望したところ、保存の声が高まり、都市開発局(Urban Development Authority)が保存を決定。

ジェフリーバワ財団、建築家のAmila De MelとC. Anjalendran、National Trust Sri Lankaのメンバーで建築や遺跡の保存の専門家であるNilan Coorayが協力して、6年の歳月と3000万ルピーの費用が要して、ルヌガンガに移築されました。

ジェフリーバワ生誕100周年記念の一環としてリニューアルオープンしたシナモン・ベントタ・ビーチと同様に、タイルや石に番号を振って、遺跡の移築・修復のように丁寧な作業が行われました。

2015年9月29日、イナ・ダ・シルワは移築の完了前に92歳で亡くなっています。

2019年9月21日、ナンバー05として一般に公開され、3つの部屋が宿泊できる客室となっています。

建物の特徴

ジェフリー・バワは1957年に帰国して、エドワード・レイグ・アンド・ベッグ建築設計事務所のパートナーとなり、建築家としてのキャリアをスタートさせていますが、その活動最初期に当たる作品です。

その土地の文化・伝統を現代的に解釈したバワのスタイルがよく現れた建築だとされています。

ダ・シルワ夫妻がAlfred placeに土地を購入した1959年は、コロンボの土地が値上がりして、土地が小さく区分けされた頃だそうです。
それまでの住宅様式で建設するには土地は限られ、また道路から内部が見えてしまいプライベートがないという問題点がありました。

イナ・ダ・シルワは、キャンディの伝統様式である中庭がありながらも、夫のオフィス、自身のバティック工房、アーティストの息子のためのスタジオ、仏間、ゲスト用の客室などを備えた現代的な機能を有する住宅を要望しました。

また、セイロン政府による輸入規制があり、使える建材に限りがあり、家具の輸入もコスト的に難しい状況にありました。

そこでバワは、地元の職人に依頼して地元の素材から建材や家具を作り、シンハラだけでなくポルトガルやオランダ様式も含めたスリランカ伝統の建築様式を取り入れた住宅を建築します。

まさにバワらしいコンセプトと言えます。

大きなシンハラ建築・キャンディ様式の中庭「メダ・ミドゥラ(meda midura)」があるのが特徴的です。

ジェフリーバワのコロンボの自宅「ナンバー11」やシナモン・ベントタ・ビーチなどでも見られる、イナ・ダ・シルワの太陽を描いたバティック。

一階は中庭の周囲にイナ・ダ・シルワ作のバティックなどの作品が展示されたラウンジなどの共有スペースとなっています。

バティックの作品が多く展示されています。

客室は階段を上った2階にあります。

スケジュールの関係で、客室などの取材を行えませんでしたので、詳細は改めて訪れて、こちらの記事に追記して参ります。

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参照)

ジェフリーバワ財団公式ページ:Number 05
ALJAZEERA Sri Lanka: Ena de Silva’s moving house
Wasantha Builders Ena De Silva House