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沖縄、スリランカ、世界のハイグレードな紅茶が並ぶ「Tea Shop Nymolle」

2022年7月25日

セイロンティーは南の島で作られる紅茶ですが、沖縄でも紅茶が生産されています。

沖縄をはじめ、スリランカ、インド、ネパール、ベトナムで生産された茶葉を販売する紅茶専門店が沖縄県那覇市牧志にあります。

本記事では、Tea Shop Nymolle(ティーショップニモレ)について紹介します。

Tea Shop Nymolleとは?

Tea Shop Nymolleは、ティーソムリエの福原真紀子さんが2013年にオープンしたお店です。

お店は、国際通り・ゆいレール・安里川が交差する蔡温橋(牧志駅のすぐ北)から、ゆいレールと安里川に沿って走る道を北に行くと左手にあります。

細いビルの左側にライトブルーに塗られた車1台が停められる駐車場があり、ビルの右側に店舗の入口があります。

植えられた木の先にライトグリーンの窓枠の窓が2つ見えます。

店内は奥に細長く、左右に茶葉が陳列され、奥にテーブルと椅子があります。

テーブル近くの窓からの景色。ゆいレールが見えます。

お洒落で落ち着いた可愛いお店を拝見して、センスのある方が羨ましいと思いました。
福原さんは建築の仕事をされていたとのこと。

福原さんが紅茶と出会ったのは、東京で忙しく建築の仕事をしていた時。
訪問したお客様のご自宅で、出していただいた紅茶がとても美味しかったそうです。

紅茶を飲んだ福原さんの様子を見て、お客様が茶葉を缶ごとプレゼントしてくださり、それから自分で紅茶を淹れるようになったそうです。

沖縄県うるま市出身の福原さんの旧姓は、沖縄で最も多い苗字である比嘉さん。
東京から沖縄に戻る頃には、紅茶への興味がさらに高まり、なんと兵庫県西宮市の紅茶教室「Suciela Tea(スシーラティー)」に飛行機で通学されたとのこと。

福原さんは英国ティープロフェッショナル認定機関 UK TEA ACADEMY ティーソムリエも取得されています。

お子さんのお迎えもあり、お店の営業時間は11:30-16:00。
仕事や子育ての合間に気軽に紅茶を楽しんでほしいという。

以前はスイーツも提供してカフェとしても営業されていたとのことですが、現在は茶葉を販売するティーショップとして営業されています。

ブレンドや香りづけをしないシングルエステートの茶葉を中心に扱い、ギフトにも合うフレーバーティーも一部扱っていらっしゃいます。

シングルエステートの茶葉は、沖縄の水に合うものを選ばれているそうです。

沖縄(特に中南部)はサンゴ礁由来の琉球石灰岩地層で、日本本土に比べると水の硬度は高いようです。

那覇市は、西原浄水場と北谷浄水場から送水され、北谷浄水場は琉球石灰岩層の影響を受けた河川や地下水から取水されるため硬度が高く、西原浄水場は山原の山間地域の河川から取水しているため硬度が低い、と那覇市上下水道局のウェブサイトに記載されています。

福原さんは3〜4年前に北谷浄水場をご見学されて、高度低減化施設が建設されてからは河川や北部のダムの水を浄水場でブレンドして100ml/Lを目安に硬度調節しているとお話を伺ったそうです。WHOのガイドラインを参照すると、「中程度の軟水(60〜100ml/L)」に相当します。

ロンドン(220ml/L)やパリ(280ml/L)は、非常な硬水(180ml/L以上)に該当します。
スリランカの紅茶産業の歴史には、スコットランド人も多く関わっていますが、エディンバラは35ml/Lで「軟水(0〜60ml/L)」に該当しています。

東京都131地点の水の硬度の平均値は60.9で、ぎりぎり「中程度の軟水」です。
東京都で硬度最低は奥多摩の25.8、硬度最高が調布96.9。

スリランカも中央高地とモンスーンによる多雨地域である南西部は水の硬度が低く、乾燥した平地が広がる地帯では硬度が高くなっているようです。

参考)
Tea Shop Nymolle公式サイト
Tea shop Nymolle(ティーショップ ニモレ)世界を動かす紅茶の魅力を伝えたい。茶葉の販売がメインのティーショップ。
那覇市上下水道局:水質Q&A
東京都水道局:水源・水質
英国老舗紅茶商RINGTONS:紅茶とお水はとても大切な関係
ukiukiせっけんライフ:世界の水の硬度
National Water Supply & Drainage Board

日本人所有のスリランカの茶園「Suciela Gardens Tea 」

店内には各地の紅茶が陳列されていますが、まずはスリランカ産の紅茶から。

福原さんが沖縄から西宮へ通っていた紅茶教室「スシーラティー」のオーナー吉田直子さんがサバラガムワに所有する茶園「Suciela Gardens Tea」の茶葉。

吉田さんは2007年に茶園を取得されて、約8年の歳月をかけて生産を開始されたそうですが、高級茶と言われる一芯二葉を超える一芯一葉で茶摘みをして、製茶されているようです。

そして、吉田さんの紅茶教室は、西宮市甲東園と世田谷区等々力にあります。

さぞかしお高い紅茶なのかと思いきや、30gで696円(税込)、60gで1,296円(税込)です。
安いわけではありませんが、かといって特別に高いわけではなく、一芯一葉だとすると良心的な価格です。

今回購入したのは、一芯一葉で摘まれた茶葉(OP1)を細かくしたBOPのスペシャルグレード(BOP-SP)。
OP1はストレートでもミルクにも合うようですが、こちらはBOPなのでミルクティー向き。

早速、家で淹れてみました。

茶葉

まずはストレートで。

一芯一葉だからか、BOPですが、淡い色合いです。

そして、次はミルクティーに。

ミルクの甘味とマッチして、やはりミルクティーで飲むのが美味しいです!

参考)
スシーラティー公式サイト

国頭村育ちのやんばる紅茶

2021年にやんばる国立公園の一部は世界遺産に登録されていますが、やんばる国立公園内で無農薬栽培されているのが「やんばる紅茶」。

国頭村奥の山で育つことから「奥山」と名前が付けたそうです。

ハワイのコナコーヒーが高いように、沖縄で手摘みされたプレミアムの紅茶で非常に高級です。

今回選んだのは「うりずん」。

4月20日に摘まれた茶葉。

うりずんとは、旧暦の2月〜3月、新暦の3月〜4月頃を指します。
沖縄の12~2月は冬で、3月に入ると各地で海開きが行われ、うりずんの平均気温は20℃前後と過ごしやすいと言われています。
そんなことを知ると、うりずんに沖縄を訪れたくなります。

ちなみに、うりずんの後半、シンハラ・タミル・ニュー・イヤーが祝われる頃に沖縄では清明祭(ジーミー)が祝われます。
もしかしたら、スリランカと沖縄の風習は関連しているのかもしれません。

さらに因みに、栄町市場にある老舗居酒屋「うりずん」は、ドゥル天の発祥とされるお店だそうです。

やんばる紅茶の住所は、今帰仁村の海沿いにある「海辺の宿 あまみく」になっています。

ウェブサイトで、青い海を目の前にしたティールームと客室の写真を目にすると、行ってみたくなること間違いなし。
ここで無農薬の手摘み紅茶を飲みながら、ゆったりと過ごしたくなります。

茶葉を購入して飲んでみました。

綺麗な茶葉です。

淹れてみると、香りが立ち、綺麗な黄金色の紅茶ができあがります。

とても美味しいです!!

福原さんから「湯温は少し落とした方が渋みが抑えられ、芯芽の甘味が感じられますので、お好みで湯温を調整してみてください。」と聞きました。

参考)
オリオンビール:沖縄の季節を表す言葉「うりずん」とはいつのこと?
オリオンビール:「清明祭(シーミー)」お墓の前でピクニック? 沖縄で大切にされている先祖供養の一大行事
コトバンク:清明祭
Fun okinawa:発祥は那覇市のうりずん|沖縄ぐるめ ルーツはどこ!?
たびらい:古酒と琉球料理 うりずん | 沖縄の本土復帰の年に創業した 新たな沖縄文化を創造する栄町の老舗店
ウィキペディア:ドゥル天
海辺の宿 あまみく

名護育ちの金川製茶の紅茶

こちらは、やんばる紅茶が取り扱っている、名護市伊佐川になる金川製茶(かにがわせいちゃ)の紅茶です。

金川製茶は不耕起栽培、自然農法で茶を育てています。

現代表の4代目・比嘉竜一さんは、茶園を緑茶から紅茶へ生産をシフトし、国産紅茶グランプリを3年連続で受賞しています。

やんばる紅茶の大城浩樹さんは、比嘉さんから紅茶栽培について教えていただいたそうです。

お二人の茶園は、国産紅茶グランプリで高い評価を得ます。

以下、2017年〜2019年の受賞の並びは流石としか言いようがありません。

2017年チャレンジ部門グランプリ:金川製茶
2017年市販茶部門銀賞:やんばる紅茶
2017年審査委員長賞:やんばる紅茶
2018年チャレンジ部門グランプリ:金川製茶
2018年チャレンジ部門準グランプリ:やんばる紅茶
2018年プロダクツ部門グランプリ:金川製茶
2019年プロダクツ部門グランプリ:金川製茶
2019年チャレンジ部門グランプリ:金川製茶
2019年チャレンジ部門準グランプリ:やんばる紅茶

さて、紅茶を淹れてみましょう。

100%土に還るトウモロコシ由来のエコフィルターなんだそうです。

「お湯を注いだとき、ヒモがカップの中に入らなよう長くしました。」と書いてありますが、これはすごく良いですよね?

さて、まずはストレートで。

水色は「うりずん」と「スシーラティー BOP-SP」の間ぐらいでしょうか。

ストレートでもミルクティーでもどちらでも美味しいです。

参考)
日本経済新聞:沖縄発2冠の紅茶 緑茶4代目が挑む(探検!九州・沖縄)肖像 金川製茶代表・比嘉竜一氏
琉球新報:金川製茶が日本一  国産紅茶GPチャレンジ部門 やんばる紅茶も3位
沖縄の太陽と大地に育まれた華やかで香り高いやんばる紅茶
国産紅茶グランプリ 2017 審査結果
国産紅茶グランプリ2018 審査結果
国産紅茶グランプリ2019
ちゅらとく:親子二人三脚で紅茶の無農薬栽培を手掛ける 金川製茶
CALEND OKINAWA:沖縄が誇る、一期一会の紅茶 【茶園編】 金川製茶 不耕起自然農の畑、一子相伝の技術が、“本物”の紅茶を作る

ベトナムの山岳地帯の野生紅茶「HATVALA」

店内で福原さんが淹れて下さったのは、少数民族が暮らすベトナム北部の山岳地帯の野生茶樹から摘まれた茶葉などを生産するベトナムの紅茶ブランド「HATVALA」のジャスミン茶の水出し。

常温の水で出すと、渋みが少なく甘みを感じやすくなるそうです。

お茶1グラムに対して200mlと、かなり多くの水(湯)を使うようです。

グラスは那覇市松尾にある miyagiya でご購入された奥原硝子製作所のものだそうです。

参考)
HATVALA公式サイト
HATVALA日本総輸入販売元unithé(ウニテ)
【移転】ベトナム産の高品質なお茶を飲む&買うならココ!「Hatvala」
ほっこり中国茶しませんか?:【世界の茶商】HATVALA(Vietnam)
miyagiya公式サイト
miyagiya onlineshop公式サイト
OKINAWA CLIP:日々を豊かに楽しく。暮らしの景色を変える上質クラフトが揃う「miyagiya-bluespot(ミヤギヤ ブルースポット)」

スリランカ人経営のイギリス本社のティーブランド「English Tea Shop」

スリランカ人が経営するイギリス本社で、世界55か国に展開している「English Tea Shop」は、紅茶とフレーバーに使われている素材(ペパーミント、スペアミント、生姜、モモ、レモンピール、バニラ、バラなど)も全てオーガニック。

パッケージは、微生物による自然分解が可能なコンポスト素材で作られています。

English Tea Shopは、2017年に「Lloyds Bank National Business Award サスティナビリティ部門」の金賞を受賞し、2020年には「Queen’s Award(英国女王賞) サスティナビリティ開発部門」受賞しています。

有力者たちを意味する「Movers & Shakers」は、以下の5種類の紅茶が入ったアソート。
-イングリッシュブレックファースト
-ミントブラックティー
-ジンジャーウィズピーチ
-ダージリンブラックティー
-バニラアールグレイ

福原さんのお店では、主にギフトに選ばれる商品とのこと。

English Tea Shopはプラスチックやポリエチレンなど再生不可能な資材を使わないようにしているため、そのままだと香りが飛んでしまうため、福原さんはあえてビニールに包んで陳列しているそうです。

参考)
English Tea Shop Japan公式サイト

まとめ

店内には他にも茶葉が陳列されています。

本記事で紹介したように、サスティナブルで高品質な茶葉を生産する各国の茶園・紅茶会社のものを扱われていますので、毎日の生活に彩りを添えてくれる紅茶を探しに、是非訪れてみてください。

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