【閉店】コロンボのラーメン店のパイオニア! Ramen Misoya(ラーメン・ミソヤ)の味の秘密を徹底解剖
Ramen Misoyaは2022年に閉店しました。
スリランカでは日本食と言うと、寿司が人気ですが、世界的で人気沸騰中のラーメンは、スリランカではまだあまり浸透していません。
そんな中、2年前にコロンボ初のラーメン店として「Ramen Misoya(ラーメン・味噌屋)」がオープンしました。
Ramen Misoyaは元々日本人経営のラーメン店ですが、コロンボ店はスリランカ人が経営しています。
スリランカ人店長がコロンボでラーメンをどのように広めたのか、今回は「Ramen Misoya」の店長、サンジャイさんにインタビューしました。
目次
サンジャイさんのプロフィール
「Ramen Misoya」コロンボ店の店長。
現在25歳の若さでかつ、飲食業界未経験でフランチャイズとして店を経営する。
大学卒業後、家族経営のセラミック会社で働いた後、おじの紹介で「Ramen Misoya」コロンボ店の店長に転身。
2017年11月にオープン以来、顧客の獲得と日々のメニューの改良により、4月のテロで落ち込み気味だった売上を半年たらずで復活させた。
「Ramen Misoya」とは?
Ramen Misoyaは千葉幕張に本社を構える、北海道から九州まで日本国内107店舗を展開する「蔵出し味噌 麺場 田所商店」の海外店舗のブランド名(ブラジルはLamen Kazuと別のブランド名)。
海外にはアメリカ、カナダ、ブラジル、イタリア、台湾、タイ、ベトナム、スリランカと8ヶ国に16店舗を展開している。
コロンボ店は2017年の11月にオープンし、まもなく2周年を迎える。
スリランカのラーメン店のパイオニア的存在として、現地日本人だけでなくスリランカ人からも広く人気と支持を得ている。
【名前】Ramen Misoya
【住所】Philip Gunewardena Mawatha, Colombo 00700
【営業時間】11:30~15:00,18:00~22:30
【ホームページ】https://www.facebook.com/misoyacolombo/
Q1 そもそもどういう経緯でスリランカ人であるサンジャイさんがラーメン店を経営することになったのでしょうか?
元々、私たち一家は、日本と深いつながりがありました。
私の祖母が日本人なのです。
ですから、私も祖母の家族に会うために、幼いときから何度か日本を訪れたことがありました。
そんな中、私のおじが麺場 田所商店の田所社長と知り合い、スリランカにRamen Misoyaの支店を開くことになったようです。
そこで、おじの誘いで私がラーメン店を経営することになったのです。
23歳のときでした。
とはいえ、私は大学卒業後、祖父が日本からスリランカに帰国して設立したセラミック会社のマーケティング部門で働いていました。
大学では経営を学んでいたものの、ラーメンというとインスタントラーメンしか知らなかったので全く異なる分野に進むことになりましたね。
Q2 コロンボ初のラーメン店ということですが、どのようなことに苦労しましたか?
お店の運営全てにおいて当初は大変でしたね。
なにせ、先ほども言いましたようにラーメンというと、インスタントラーメンしか知りませんでしたから。
全くゼロからのスタートでした。
まずは、自分がラーメンの作り方を学び、従業員に作り方を教えることから始まりました。
また、当時スリランカで日本食と言うと、寿司くらいしか知られていませんでしたから、ラーメンという新たな料理を広めるのが大変でした。
知ってもらうことから始めようと、お店でイベントを開いたり、SNSを駆使して認知を高めました。
その効果もあってか、今では口コミでも広まるようになりました。
Q3 ラーメンの作り方はどのようにして学んだのですか?
ラーメンの作り方を全く知らなかったので、お店を任せられることが決まってから2016年に、麺場 田所商店の本店がある千葉で4ヶ月修行しました。
修行した技術をスリランカに持ち帰り、従業員に指導しましたが、彼らもラーメンを作ったことがないので教えるのも苦労しました。
少しずつではありますが、徐々にラーメン作りの技術を向上させていきました。
今でも年に1回は、シェフとともに私も日本の本店で研修を続けています。
Q4 ラーメンに使う材料はどのように調達しているのでしょうか?
ラーメン作りははじめてでしたが、味には妥協していません。
味噌ラーメンの核となる味噌や麺は、日本やRamen Misoyaが工場を持つベトナムから輸入しています。
スリランカは外国からの輸入品にかかる関税がかなり高く、コストがかからざるを得ないのですが、その点は譲れないところだと思っています。
他の野菜や肉などの材料は、質や安全性に問題がないか細心の注意を払いつつ、現地業者から仕入れています。
Q5 どのようなメニューが人気なのですか?
おかげさまで幅広いお客様に来店いただいていて、スリランカ人には辛いメニューが人気です。
お客様の7割はスリランカ人ですが、2割ほどが日本人、他にも中国人や欧米人にも多く来店いただいています。
スリランカ人は辛い食べ物が好きなので、定番メニューである北海道味噌ラーメンをベースとして唐辛子などで辛味をつけた辛ラーメンが人気です。
また、スリランカ人はラーメン単品だけではなく、欧米人のように前菜を頼んでから主食であるラーメンを頼みます。
ですので、最近メニューを改良したのですが、前菜では唐揚げや餃子などが人気です。
また、スリランカ人は熱い食べ物は食べられないので、時間をおいて冷ましてから食べます。
また食事中によくしゃべるので、余計に麺がのびてしまい味が落ちてしまいます。
そのため、その都度彼らにラーメンの食べ方を教えなければなりません。
日本人は、やはりラーメン単品で頼む方が多いです。
平日はビジネスマンで1人で来店される方が多いのですが、休日は家族で来られる方が多いですね。
Q6 これからどのようなお店にしていきたいですか?
これからももっとスリランカにラーメンを広めていきたいと思っています。
今やラーメンは世界中で人気の日本食ですが、スリランカではまだ浸透はしていません。
お店もこれから増やしていきたいですね。
ラーメンの魅力を知ってもらうようにと、スリランカ人用にメニューもつい最近改良したばかりです。
前は通常のラーメンのメニューしかありませんでしたが、先ほどの辛ラーメンや前菜の種類を増やしたりしました。
ラーメンだけでなく、他の日本食も知ってもらえるように、焼きそばや
お子様用のオムライスなどもメニューに加えました。
今後はさらにメニューを改良していくとともに、お酒のライセンスもとってお酒も提供したいと思っています。
また、スリランカは日本とは違ってベジタリアンやイスラム教の人々も多くいます。
日本では豚ベースのラーメンが主流ですが、野菜のみを使ったラーメンや豚ベースのラーメン、鶏ベースのメニューなど宗教や文化背景に配慮したメニューに改良しました。
豚を使っていないキッチンと豚を使っているキッチンの2つに分けて調理をしています。
これからもスリランカにラーメンを広めるべく、質の向上はもちろん、スリランカに合わせたメニューも改良していきたいと考えています。
Ramen Misoyaのココがおすすめ!
コロンボ初のラーメン店
Ramen Misoyaは、コロンボ初のラーメン店です。
コロンボ初のラーメン店として、軌道に乗るまで苦労した分、その味に間違いはありません。
当初は、従業員の人数の関係から夜のみの営業しかできず、満足に営業できない時期がありました。
しかし、少しずつではありますが、ラーメンの作り方を全く知らない従業員にラーメンの作り方を教えていくことで、現在に至る支持を得るようになりました。
現在もシェフは毎年日本まで渡航し、千葉幕張にある本店で研修しており、味のさらなる改良に努めています。
食材へのこだわり
味噌ラーメンの核となる味噌や麺は、日本やベトナムにあるRamen Misoyaの工場から輸入しています。
麺はスリランカで仕入れることも可能ですが、Ramen Misoya本来の味を守るため、Ramen Misoya直轄の工場から輸入しています。
スリランカは外国から食材を輸入すると関税が非常に高くなるのですが、食材へのこだわりがうかがえます。
野菜や肉などの他の食材は、質と安全性が確かな現地業者から仕入れています。
現地で調達できるものは現地で調達し、ラーメンの核となる食材はコストをかけてでも守っていることが分かります。
豊富なメニュー
味噌ラーメン専門店ですが、サンジャイさんが多国籍なお客様により楽しんでいただけるようにと、メニューが非常に充実しています。
定番メニューの北海道味噌ラーメンをはじめとして、伊勢味噌ラーメン、九州味噌ラーメン、広島味噌ラーメンなど、味噌ラーメンだけでもたくさんの種類があります。
他にも、辛口好みのスリランカ人に合わせた辛ラーメンや、焼きそばや唐揚げなど、日本の大衆料理もたくさん取り入れています。
味噌ラーメン店と言っても、様々な日本食が楽しめるのが魅力です。
【名前】Ramen Misoya
【住所】Philip Gunewardena Mawatha, Colombo 00700
【営業時間】11:30~15:00,18:00~22:30
【ホームページ】https://www.facebook.com/misoyacolombo/
最後に
今回は、Ramen Misoya Colomboの店長にインタビューしました。
オープン当初、スリランカではラーメンがあまり知られていなかったこともあり、パイオニアとしての苦労を乗り越えて、現在ではコロンボの人気レストランの1つとなっています。
味噌ラーメン店と言っても、様々な日本食が安価で楽しめるのも魅力です。
近年、スリランカでもラーメン店が少しずつ増えてきていますが、これからもスリランカのパイオニアであるRamen Misoyaは成長を続けていくでしょう。
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