シンハラ語3-10 粉・粉物料理の名前

本記事では、粉・粉物料理について学びます。
クドゥ(Powder)とピティ(flour)
日本語ではパウダーもフラワーも「粉」ですが、
シンハラ語は英語のように穀物の粉はピティ(英語:flour)
その他の粉はクドゥ(英語:powder)と言います。
つまり、各種スパイスパウダーはスパイス名+クドゥで表します。
チリパウダーは「ミリスクドゥ」
シナモンパウダーは「クルンドゥクドゥ」
胡椒パウダーは「ガンミリスクドゥ」
ピティは米・小麦・豆・とうもろこし等、各穀物に加えて、粉物料理の元として販売されているものもあります。
米粉は「ハールピティ」「ハルピティ」「サハルピティ」
小麦粉は「ティリングピティ」
全粒粉は「アーターピティ」
シコクビエ粉は「クラッカンピティ」
ひよこ豆粉は「カダラピティ」
緑豆粉は「ムンピティ」
ケツルアズキ粉は「ウンドゥピティ」
とうもろこし粉は「イリングピティ」
セモリナ粉は「ルランピティ」
トーセの元は「トーセピティ」
インディアーッパの元は「インディアーッパピティ」
参考)
Wikipedia:Atta flour
ウィキペディア:ケツルアズキ
ウィキペディア:リョクトウ
米粉料理
米粉にココナッツミルクを混ぜて作る料理がいくつかあります。
お椀型の「アーッパ」
ストリングホッパーは「インディアーッパ」
ストリングホッパーで作るコットゥは「コットゥインディアーッパ」
筒状の「ピットゥ」
参考)
Wikipedia:Puttu
無発酵パン
無発酵の平らなパン「ロティ」はサンスクリット語が由来のようです。
インドのチャパティもほぼ同じものを指すようです。
違いとして分かりやすいのは、その厚みだと思います。
クレープのように薄くて柔らかいのがゴーダンバロティ。
ゴーダンバロティより厚みがあり、硬さのあるのがチャパティ。
厚みがしっかりとあり、膨らんでいないナンのような形なのがロティ。
ココナッツが入ったポルロティは、丸い円盤形で厚さがしっかりとある。
そんなイメージです。
ちなみに、「ナン」はペルシャ語由来のイランでパンを意味する言葉のようです。
発酵させて作るので、ロティやチャパティの仲間ではなく、パンの仲間のようです。
パラーターは、ロティやチャパティにギーを塗って折り込んで作るので、表面がクロワッサン生地のようになります。
コットゥロティは、バッティカロアのタミル人コミュニティーから生まれた比較的新しい料理です。
コットゥとはタミル語で刻む、つくなどの意味があります。
その名の通り鉄板の上で、野菜などの具とともにゴーダンバロティを音を立てて刻みます。
参考)
Wikipedia:Roti
Wikipedia:Chapati
Wikipedia:Paratha
ウィキペディア:ナン
発酵パン
日本語の「パン」は、ポルトガル語由来だとされていますが、シンハラ語もポルトガル語由来で「パーン」と言います。
シンハラ語では、野菜の名前=その野菜のカレー でもありますが、
パンや揚げ物に野菜・肉・魚・卵などが付くと、スパイスで調理した(カレー味の)具が入ります。
魚カレーが入ったパーンは、「マールパーン」です。
ハンバーガーを作る際に使われるバンズは「バニス」と言います。
細長い砂糖をまぶしたものは、見た目がワニに似ていることから「キンブラーバニス」と言います。
揚げ春巻きパン
形が細長く春巻きのような見た目ですが、パン屋さんで売っていることから、勝手に揚げ春巻きパンと命名しました 笑
シンハラ語では「ロールス」と言います。
野菜(エラワル)カレーが入ったものは、「エラワルロールス」
肉(マス)カレーが入ったものは、「マスロールス」
魚(マール)カレーが入ったものは、「マールロールス」
チーズ(チース)が入ったものは、「チースロールス」
シンハラ語には「ざ行」がないので、チーズはチースになります。
揚げ餃子パン
餃子のような形のもので、パン屋さんで売っているので、こちらは揚げ餃子パンと命名しました。
シンハラ語では「パティス」と言います。
野菜(エラワル)カレーが入ったものは、「エラワルパティス」
肉(マス)カレーが入ったものは、「マスパティス」
魚(マール)カレーが入ったものは、「マールパティス」
ロティで挟んで焼いたもの「ロティパティス」もあります。
ミニコロッケ
日本語のカツレツの語源でフランス料理のコートレットのスリランカヴァージョンです。
英語名はCutletsですが、シンハラ語名は「カティラティ」と言います。
日本人からすると、カツレツというよりは、コロッケに近いと思います。
丸くて小さいコロッケといったところなので、ミニコロッケと命名しました。
卵が入ったものは、「ビッタラカティラティ」
野菜(エラワル)カレーが入ったものは、「エラワルカティラティ」
肉(マス)カレーが入ったものは、「マスカティラティ」
魚(マール)カレーが入ったものは、「マールカティラティ」
パンノキ(デル)が入ったものは、「デルカティラティ」
参考)
ウィキペディア:カツレツ
ウィキペディア:コートレット
ウィキペディア:コロッケ
豆粉料理
タミル料理には、豆の粉から作る料理があります。
タミル語では「ドーサイ」、マラヤーラム語や英語では「ドーサ」と言いますが、シンハラ語では「トーセ」と言います。
屋台でよく売られているのは「ワデー」です。
タミル語では「ヴァダ」あるいは「ヴァダイ」と言います。
レンズ豆(パリっプ)で作ったワデーは「パリップワデー」
ウラド豆(ウルンドゥ)で作ったワデーは「ウルンドゥワデー」
えび(イッソー)を乗せたワデーは「イッソーワデー」
カレーに添えられたり、お酒のつまみとして出されるのは「パパダン」です。
参考)
ウィキペディア:ドーサ
Wikipedia:Dosa
Wikipedia:Vada(food)

「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
歴史・地理・建築・語源が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にてベトナム・ミャンマー・タイ・インドネシア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の設立を開始。
2017年2月、スリランカ専門誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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